【ASD育児・癇癪対策】”嫌なこと突然やらせる”がダメ!予定を絵で視覚アピールする時の工夫

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ASD(自閉症スペクトラム、いわゆる発達障害)の息子は、気持ちと行動の切り替えがとても苦手です。

次の行動に移る時、なかなか行動に移せず、いつまでもいつまでも今やっていることを続けます。

特に「この後の予定」の中に、自分が”やりたくないこと”が含まれていると、こっちが怒鳴りつけるまで、”今”を続けようとします。

怒鳴れば当然、泣きわめき、癇癪&パニックです。次の行動に移るどころではなくなります。

その定番風景を、少しでも未然防止しようと続けていること。そして効果的だと感じていることがあります。

何が嫌なのか?息子の”やりたくないこと”を把握して視覚化

息子は、楽しみにしていた”お出掛け”さえ、いざ出掛けるとなると腰が重く、なかなか玄関に向かおうとしません。

テレビを見たり、ブロックで遊んだり、図鑑を読んだり。自分が好きなことをやっている最中に、時間が来て”辞める”ように言われることも嫌がります。

「毎日やる」と決められている、公文の宿題も嫌いです。

要は、自分が好きなこと”以外”が、次の予定として待ち構えている時。

次の予定が”楽しそうなこと”であっても、「その前にトイレに行かなきゃ」とか「行った先に気に入ったものがなかったらどうしよう」とか、何らかの嫌なことや不安要素がある時。

そんな時、気持ちと行動の切り替えや見通しが立たないことが苦手な子は、余計に動きません。

だから、この先の予定で、息子が「嫌なこと・やりたくないこと」を把握することからスタートです。

「嫌なこと・やりたくないこと」 を把握して、息子が嫌がる前に、ジャジャジャジャーン!と先に”見せる”ことが、後で有効になってきます。

ここで、視覚優位だから、予定を絵に描いて視覚アピールする戦法になるわけですが、「嫌なこと・やりたくないこと」の入れ込み方に、毎回違った工夫が必要でした。

わざとスモールステップ!”嫌なこと”が始まるまで”好きなこと”いっぱい

視覚支援に使った絵

例えば、息子が嫌いな”公文の宿題”。

「おやつを食べたら、公文の宿題」と口約束だけしても、おやつを食べ終わる頃に愚図り始めます。

「おやつ」と絵に描いて、次に「くもん」の絵を描いても、きっと同じく愚図ってしまうでしょう。

「これが食べ終わったら、すぐに(やりたくない)公文の宿題だ」と認識してしまうからです。

息子にとって、「おやつ」→「公文の宿題」というツーステップでは、嫌なことがすぐにやってくるイメージ。

そんな時は、「おやつ」も更に詳細化してスモールステップにします。

「おやつの食べる順番」まで本人に決めさせて、この日は、

  1. イチゴジャムを入れて、「豆乳グルト」を食べる
  2. 「ぶどう」を(自分とお母さんで3粒ずつ)食べる
  3. 「きなこおはぎ」を(自分とお母さんで半分ずつ)食べる

という3ステップを作りました。

嫌な”公文の宿題”は、4ステップ目。

3番目の「きなこおはぎ」を食べる時、もう1番目と2番目の好きな物を終わらせている感があるので、息子にとっては「あぁ、いよいよ嫌なことが近づいてきた」というイメージ。

2ステップだった時よりも、癇癪なしで受け入れてくれる確率が高いです。

その日毎の”気が重いこと”を全部描く!「1つずつクリア」することで達成感

視覚支援に使った絵

市販でも、視覚支援の療育グッズがたくさんあります。

1日の生活の中で、「手を洗う→ごはん→おふろ→歯磨き」など主な流れについては、市販品でも網羅できます。

「できたよマグネット」を行動の切り替えが苦手な子に導入!メリット・デメリット・使い方まとめました。

2019/06/24

しかし、癇癪対策となると、もう一工夫が必要…。

予定の流れを把握するとか、予定通り進めていくとか、決まった時間がきたら”これ”をやるとか、そういう基本的な目的以外の、具体的な何か。

それは、実際に食べる食べ物だったり、実際に使う歯磨き粉だったり、その時によって違うけど、「実際のもの」を絵に描くことで「自分の予定」ということを認識しやすくなる気がします。

また、息子が”気が重い”と思っていることを、あえて全部描いて並べる。「何がやりたくないの?」と聞いて、それを絵に落とす。そうすると実際の行動に移しやすい気がします。

この時は、夕食で食べる”焼き鳥”の串を持った後、手が汚れるのを嫌がりました。「焼き鳥を食べたら、手を洗いに行くのが嫌なの」と言いました。

だから、「公文→お風呂→歯磨き」という”嫌な行動”の王道パターンに対して、「焼き鳥→手を洗う」という流れを入れ込みました。

絵には、その時の”やりたくないこと”が出揃っているので、1つ目の”嫌な事”が達成できた時、該当する絵をグチャグチャと塗りつぶしたり、破ったりするとスッキリします。

実際に行動しながらグズグズしている時は、そういう行為が気晴らしにもなるし、一度やってみて興味が湧くと、次も塗りつぶしたい(破りたい)と思って、次の行動を(嫌なことだったはずなのに)頑張ってテキパキやることもありました。

”嫌だった行動”が1つ終わった時に、「クリアできた」という感覚を味わってもらうことができればラッキー。1つずつクリアして、最後に達成感を味わうことができれば、本人も満足気です。

子供の”嫌なこと”を見逃すと突然やらせることになる!

視覚支援に使った絵とマグネット

私がまだ、発達障害の子の扱いについて理解が未熟な時、息子もしょっちゅう癇癪&パニックを起こしていました。

「ブロックをやったら、買い物に行こうね。」と事前に何度も声をかけ、予定もインプットできて見通しもついたはずだから大丈夫!と思っても、ブロックを片付けた後に寝転がりグダグダしている。

私も夫も、上着を着てカバンを持ち、玄関で待っているというのに、リビングの床にゴロゴロして、玄関に来ようとしない。

「ブロックは止められたのに、一体全体、何が嫌なんだ!?」

最初は分かりませんでした。

息子は、買い物に行く前に、「おしっこをする」「靴をはく」という些細な行動の切り替えが苦手だったんです。

玄関に向かおうという気持ちがあるのに、そこで「あ!行く前に”おしっこ”して!」と突然言われることで、プチパニックだったんです。

出掛ける前にトイレに行かなきゃ…という気持ちがあるのに、「早く靴はいて!」と突然言われると、挙動不審になっていたんです。

”嫌なこと”を「やらなきゃいけない」という気持ちがあるところに、突然言葉だけで煽ると、癇癪スイッチが入るんです。

一気に、突然、言葉だけで、まくし立てることは、癇癪&パニックに繋がります。

それが分かってからは、”嫌なこと”を細分化、視覚化。事前にゆっくり説明。行動に移している時は、1つずつ「できた」ことを褒めて、1つずつ「次の行動」を言う。

そんなことを心掛けています。

子供が今、何を”嫌なこと”だと思っているのか、それを見逃すと対応できない。親が子供の”嫌なこと”を突然言いつけて、子供が難色を示す態度に腹を立てるという悪循環になる…。

だから、一般論に捕らわれず、些細なことだと流さず、”息子の本当の気持ち”を理解できるように、努力し続けています。


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そんなASD息子ですが、5歳後半あたりから、「日常生活を絵に描く」というシチュエーションは、だいぶ減りました。

いつもと違う予定の日、イベントがある日、時間厳守を死守すべき日などなど、ここぞという時だけ「絵に描く視覚化」を使うようになりました。

自作の絵カードを使って、身支度・寝支度の順番を自分で決めさせることで「次の行動に移しやすくする」という作戦は、不定期で続いています。

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