何でも再現ドラマ(再現遊び)-これが「ごっこ遊び」で分かる発達障害の特徴なのか?

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自閉症スペクトラム障害の診断書をもらう前から、分かっていた息子の特徴の1つに、「再現遊び」があります。

今回は、その「再現遊び」について、少し見えてきたことがあるので、まとめたいと思います。

また1つ、発達障害の特徴が見えてきた?イメージを「再現せずにはいられない」!

この特徴を一言でまとめるのが難しく、私はよく「見た物を再現しないと気が済まない。」という表現で、夫に説明していました。

それの何が難しいのかと言うと、その裏には、
・我慢ができない
・やりたいと思ったら、やるまで気が済まない
・マネしたいと思ったら、すぐにマネしないと気が済まない
・やりたい時に、すぐできないと、癇癪を起す
・感情のコントロールができない
という、色々な特徴が一緒になって、渦巻いているからです。

とはいえ、これは再現ドラマのごとく「再現そのものだろう…」と感じる場面が多いのです。

我慢できない・気持ちの切り替えができない・気になると次にいけない、等の特徴がありながらも、「再現せずにはいられない」という特徴もまた1つ、切り出して存在するのだろうと思いました。

自分で再現!脳裏に刻まれた”装い”

この日は、ヘアピン姿で街に出掛けた!

お分かり頂けるだろうか-?
これは息子の頭です。
前髪には、ヘアピン。

保育園のお友達(女の子)や街ですれ違う女の子を見て、洋服や髪形がカワイイと感じると、それをマネ(再現)しようとします。

私の個人的なポリシーとしては、男の子だからダメとか可笑しいとか、性別を理由にはしたくない。

息子の希望通り、ヘアピンで前髪を留めてあげたのが、上の写真の姿です。

このヘアスタイルで、この日は外出!
ショッピングセンターで遊びました。

※かわいい恰好の再現は、5歳後半になると収まりました。

こちらは、「鳥を付けて」と言うので、折り紙で追った鶴を付けてあげた所です。不思議でしょう?

どうやら、街やテレビなどのメディアで見て、カワイイ・面白い・やってみたい!と何らかの印象に残ったものが、映像として脳裏に刻まれ、それを再現しようとしているようです。

鳥が頭にいる場面は(おそらく)、鳥の巣を頭に乗せた芸人をテレビで見たか、ハトが頭に止まったような場面をアニメで見たか…?

今となっては、私にも特定できません。

※「スカートはきたい」「リボン付けたい」等、女の子の格好をしたがる時、男の子の母としては困惑するものです。この話は別記事で語る予定☆

マネせずにいられない!見た映像”そのまま”に

Q:問題です。なんのマネ(再現)をしているところでしょうか?

ヒントは、
・体が柔らかくないとできない
・たった今、テレビで見たスポーツ
・ボールを使う演技

はい、正解です!
A:答えは、「新体操」でした~。

この時は、新体操の試合の様子がテレビで流れていました。
息子は、暫くジーっとテレビで新体操を見た後、ボールの演技の再現を始めました。

”なりきり遊び”で済まされない!「再現遊び」の掟

Q:問題です。何を再現しているでしょうか?

これは、分かりやすいか…
そうなんです!(=ヒカキンさんの口調)

A:答え。超が何個も付く有名ユーチューバー、ヒカキンさんのチャンネル「ヒカキンTV」で見た映像を再現している場面です。

あの有名な「超巨大アルミホイル玉」「まるで鏡!?ピカピカ鉄球」のやつです。このアルミ玉作りを再現している所です。

ASD息子の場合、「アルミ玉作り」をマネするのではなく、「ヒカキンさんがアルミ玉を作っている場面」をそのまま再現、します。

厳密にいうと「追っかけ再生(再現)」です。

ワタクシゆきこ、気が付きました。

軽度自閉症スペクトラムの息子が大好きな「再現遊び」は、ただの「なりきり遊び」や「ごっこ遊び」じゃない。

脳裏に残った場面・見た映像のシナリオはそのままに、アドリブなしで再現するプレイなのです。

オリジナルをどこまで忠実に再現できるかがカギ。再現の精度が、満足度の良し悪しに影響します。

アルミ玉をキレイな球体にした後、ヒカキンさんは様々なグッズを使い、アルミ玉をピカピカに磨き上げます。

「ヤスリ」の代わりにハンドタオル、電動グッズの代わりにコンセントを入れないドライヤー・・・を使って、再現しました。

「再現ごっこ」は疲れます。

因みに、アルミ玉を作る時のトンカチは本物を使いました。

頭に焼き付いたイメージ通りに、再現せよ!
これが、「再現遊び」の掟なのです。

発達障害の特徴がよく分かる「再現遊び」の具体例1.途中でやめられない!

ここまで来ると、何の再現か、その場にいないと分りません。

上の写真は、シンゴジラ第2形態の再現中です。

これは、別の日。無表情でちょっとずつ動いています。

これがいつまで続くか?
という観点が、今回の問題です。

私が介入しなければ、映画「シンゴジラ」の映像が終わるまで続きます。

発達障害(自閉症スペクトラム)の特徴を持つ息子は、今やっていること・集中してやっていること・楽しんでやっていることを途中で辞めるのが大の苦手です。

ゴジラになり切って再現中なのに、途中で辞めるなんて無理状態。

しかし、映画と言えば、約2時間。ずっとは待っていられません。

ゴジラが画面に出なくなった場面を見計らって、本人の了解を得た上で早送りしたり、違う話題やモノへと興味が向くように誘ったりします。

「はい、カット!」のごとく、息子をシーンから引き抜くための介入が必要です。

時間がある時は、最後まで再現させてあげます。

最後まで演じ切った時、息子は大満足です。

発達障害の特徴がよく分かる「再現遊び」の具体例2.何でも”ものまね”!

再現する相手が、人間やキャラクターである場合、「マネごっこしているのね」「ごっこ遊びね」「なりきり君?」と違和感なく、世の中に溶けこめます。

軽度ASDの息子が、再現するのは人だけじゃない。動物ならまだしも、虫やモノのマネをよくします。

それも実際に見た虫の再現が多いです。

上の写真は、幼虫がサナギになってチョウになるまでの成長を記録した、映像を見ている所です。

幼虫の動きをそのまま再現している息子ですが、なぜか(ポテトヘッドの)フード付きタオルをかぶっています。

このタオル姿は、”忠実な再現”に大きく影響。サナギから蝶になって羽ばたく時、息子も(タオルの)羽をバタバタさせて、ソファから飛び降りる時に使う再現グッズです。

ここまで来ると、息子の世界の「再現遊び」について、なんとなく理解して頂けたでしょうか。

いや、まだかも。
最後にご紹介するのは、「自然」のマネ(再現)をしている場面です。

生き物を再現するなら、その動きをマネするという意味で、理解も想像もしやすいです。しかし、上の写真をご覧ください。

あなたが街を歩いている時、男の子が道路で横たわり、目を閉じていっこり微笑んでいたら、どう思われますか?

こういう「不思議くん」っぷりが、たとえ特徴をうまく説明できなくても、やはり「うちの子は発達障害なんだな」に繋がる場面でもあります。

道路で寝ながら目を閉じて微笑んでいる息子は、「石」とか「空」とか「雲」とか「風」の再現をしているそうです。

「ごっこ遊び」はできますか?私の答えは間違っていたのかも

今まで、発達障害のチェックなどで「ごっこ遊びはできるか?」の項目について、「はい」と答えてきました。

最近になって、その答えは間違っていたのかもしれないと思うようになりました。

「ごっこ遊び」が”できる”というのは、お友達が介入した時に、お友達の反応と共に、「〇〇ごっこ」が続けられるということ。アドリブだらけで進行するのが「ごっこ遊び」です。

息子の「再現遊び」は、アドリブ厳禁!

忠実に再現!
ストーリーを壊すな!

という、暗黙のルールがあります。

息子の再現遊びは、始めからシナリオが決まっているのです。だから、相手のセリフや言動まで決めつける特徴があります。

「ごっこ遊び」はうまくできない。「再現遊び」は完璧です。

というのが、答えなのかもしれません。


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