継続なのに?発達凹凸っ子の保育園・3歳の壁。関係する発達障害の特徴「変化が苦手」
息子が1歳の時から通う保育園は、5歳児クラスまで存在する大規模保育園です。原則0歳~2歳児までを預かる「小規模保育施設」ではありません。
3歳から預け先がなくなる、いわゆる「3歳の壁」は無いのです。
しかし、息子には、3歳児クラスへ進級した時に、それはそれは大きな壁が、立ちはだかりました。
「進級と共に慣れる」は別世界
保育園に預けて、仕事に向かう時、子供に泣かれてしまうのは、とても辛いです。
いつか慣れて泣かなくなる、いつか保育園がイヤじゃなくなる、そう信じて2年間、頑張ってきました。
が!
また一歩、お兄ちゃんになれて嬉しいはずの進級。なのに、ますます「保育園イヤイヤ現象」が激しさを増すではありませんか。
3歳児クラスに進級した時、「保育園イヤイヤ現象」がピークを迎えました。
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3歳児クラス進級後は精神不安定…
息子の何が変わったのか?
簡単に言うと「表情が暗くなる」「癇癪が悪化」「登園してもバイバイできない」という感じでしょうか。
この時の私の自論は(今もそうかな…)、「癇癪は我慢の現れ」。家に帰って来て癇癪がひどいのは、保育園では何かを我慢して、たくさん我慢して、頑張った証拠、です。
だから、安心できる私の顔を見た時・帰宅して解放された時に、異様なワガママ状態になる。
でも、何を我慢しているのか?何を今までより我慢しているのか?
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登園して「バイバイできない」も悪化
3歳児クラスに進級後、まず疑問に感じたのは、「登園してもバイバイできない」事象が、悪化したのはなぜだろう?ということです。
2歳児クラスの時は、夫が送った時は「意外と素直にバイバイ」、私が送った時は「渋りながらバイバイ・時々泣くけどバイバイ」という感じでした。
しかし、3歳児クラスになってからは、夫が送った時も「渋りながらバイバイ・時々足に捕まって離さない」、私が送った時は「しがみついて離れない・バイバイできない」となりました。
保育園生活が始まって3年目。言い換えると、私が仕事復帰して3年目。
私はこの頃、職場での仕事っぷりは慣れていたものの、遅刻する日が増えました。先生が、私にしがみつく息子を引き剥がしてくれるまで、バイバイできないからです。
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見えてきた発達凹凸っ子の「3歳の壁」
そんなある日。なんとなく見えてきた感覚がありました。
3歳児クラスに進級して、なぜか「息子だけ違う」ことが多発していたのです。
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例えば、給食で使う「お箸」について。
「お箸の練習をするから、お箸を持参して下さい。」と、教室の壁に貼り紙がありました。何でも良いのか聞くと、「どんなお箸でも良いですよ。不定期的に使い方を教えるから、毎日コップ入れ(巾着)に入れて持ってきて下さい。」と言われました。そして、息子に、子供用の短いお箸を持たせました。
数日後、「なんで、みんなと同じお箸じゃないの?」と、息子が言うのです。「トーマスとか付いてて、ハサミみたくなっているやつ。」と。
これの事です。↓
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私は、初めて「お箸の練習」と言いつつも、普通のお箸で練習するのではなく、『エジソンのお箸』のような矯正箸を使うことを意味しているのだ、と知りました。
お箸なら何でも良いと言われて、例えばどんなお箸を持ってくるのか、他のお友達のお母さんや先生に、もっと確認すれば良かった…。
必要な連絡事項は、一人一人の保護者に細かく口頭で伝えられるのではなく、貼り紙1つで済まされることが増えていました。不明点は、自分で深堀りする必要があったのです。
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そして、もう1つ目立ってきたのは、「おうちで〇〇してますか?」と、先生に聞かれること。
例えば、「お着替えしてますか?」
すぐ察しました。自宅でしているか否かを聞かれるということは、保育園ではできていないということ。
着替え?もちろんできます。頑張ればできます。その気になればできます。
そこで見えてきました。
今までは、着換えの時にノロノロしていたら、5人の担任の先生のうち誰かがそばに来てくれて、着換えを手伝ってくれました。3歳児クラスからは、「はい、お着替えしてー。」と指示が出るだけ。2人しかいない先生が、ノロノロしている子供のそばに来る時は、すでに時遅し、みんなの着替えは終わっているタイミングです。
今までと同じペースでやっているのに、なんか遅れる。先生は来てくれない。あれ?みんな行っちゃった!
見えない壁は、3歳児クラスに点在する、たくさんの「変化」だったのです。
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変化1.教室が2階になる
息子が通う保育園は、2階建ての建物です。0歳~2歳児までは1階の教室、3歳~5歳児は2階の教室です。
3歳児クラスからは、階段を上った2階の教室になりました。
園庭に行く時も、園庭から帰ってくる時も、階段を使って行き来します。
そして教室が2階ということは、非常時には、大きな非常用滑り台を使って、園庭まで滑り降りる!
公園の普通の滑り台すら、恐る恐る、手を貸しながらじゃないとできないのに!
保育園での避難訓練は、月に1回あります。初めての避難訓練では、さぞ怖かったに違いありません。
変化2.担任の先生の数が激減
認可保育園における担任の先生の数は、1・2歳児クラスで「おおむね6人に対して1人」、3歳児クラスは「おおむね20人に対して1人」です。
これは、児童福祉施設最低基準として定められています。
6人に1人いた先生が、20人に1人!これは、すごい減り様です。
しかも、一緒に遊んでくれる先生・お世話をしてくれる先生、という保育士のイメージが、指示を出してくれる先生・教えてくれる先生、という印象に変わる。これが、3歳児クラスだと思います。
この印象の違いは、変化が苦手な発達凹凸っ子にとって、過ごしにくい得体のしれない大きな空気(雰囲気)だったのでしょう。
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変化3.「何でも自分で」がモットーに
「何でも自分で、できるようになろう」という、クラス毎の成長目標があるにしても、先生の数が激減することで訪れる、必然的な結果。
それは、多に向けた1つの指示で、皆が自分で動くことを求められる、ということです。
テーブル1つにつき、グループ1つにつき、一人ずつ付いてくれた先生はもういません。だから、今出ている指示を理解して、自分で動くしかありません。
気が散って、他に着目して、先生の指示を聞いていない息子にとって、それはそれは難題だったと思います。
※先生の指示を聞いていないことは、後に半年ほど経ってから判明。
「3歳の壁」の向こうを目指して
息子にとっても、私にとっても、「魔の3歳児クラス時代」と言える1年が始まりました。1つずつの「変化」を乗り越えるため、苦難の道が続きます。
私は、この先1年間で、定型発達の子とはちょっと違う(育てにくい)息子に、もっとゆっくり向き合う必要性を強く感じることになります。
仕事との両立に悩み、息子の言動に悩み、模索し続けます。
そして1年後、長年続けてきた会社員生活に、ピリオドを打つことになるのです。
凸凹でなく凹凸と書いてるのが気になります。
ご指摘ありがとうございます!
今となっては、私の聞き間違いなのだと思いますが、初めてこの言葉を耳にした時から「発達にオウトツがある」と覚えていました。
既に書いてしまった文章については、少しずつ直していこうと思います。
本当にありがとうございました。