自閉症スペクトラム障害の特徴の代表例?「強いこだわり」について、実際の生活でどんなことが起こるか、紹介していきます。
今回は、ワッペン「太陽の黒点」編です。
「どうでもいい」「面倒くさい」はNGワード!向き合うことが前提
「強いこだわり」を持つ息子に対して、よく夫が言うんですよ、NGワードを!
一緒に遊んでいる時にも、遊び方や遊び順に「こだわり」があるから、それを守らないと、息子は指摘してきます。
確かに、面倒くさい時もあるけど、そこは発達障害の子供と向き合う親なら、工夫した応対であってほしい。
なのに、夫は平気で
と言います。
夫も、(あえて昔ふうに言うと)「アスペ」なんだと、私は思っている。
本人がこだわっているのに、「どうでもいい」「めんどくさい」で片付けてしまったら、向き合うことなんてできない。本人がこだわっていること自体は事実なんだから、受け止めて「こだわり」を軽減していけるように導いていかないと!
こだわりに対して、「どうでもいい」「めんどくさい」は何も改善しない、NGワードなのです。
ということで、夫は当てにならないから、せめて私だけでもと、(できる範囲で全力で) 真剣に、息子の「こだわり」に日々向き合っています。
「こだわり」はカラー帽子のワッペンにも現る
息子が通う保育園では、何歳児クラスなのか一目で分かるように、外ではカラー帽子をかぶります。
カラー帽子には記名が必須なのですが、ワッペンやリボン等でちょっと飾り付けすることが許されています。記名だけだと、自分の帽子だと一目で分からないからかな?
私が、息子のカラー帽子にワッペンを付けるようになったのは、去年から。名前が書いてあるにも関わらず、他のお友達が間違えてかぶって行ってしまい、丸1日、息子だけ帽子なしで過ごしたことがきっかけです。
今では、ほとんどの子がワッペン付き。みんなそれぞれ、「こだわり」のワッペンをカラー帽子に付けています。しかし、こだわりが強い息子の場合は、一味違いますよ!
宇宙好きのワッペン・細部へのこだわり1.ロケットの向き
去年は、「帽子を間違えられないように」慌ててワッペンを導入。その時は、アイロンで付けられる、ロケットのワッペンだけでした。だから、ロケットの向きがどっちに向いていても、宇宙を飛んでいるように見えました。
進級して新しいカラー帽子になり、「またロケットのワッペンでいいよね?」と聞くと・・・
えっ!
惑星のワッペンは、100円ショップに売っていない…。
えっ!
仕方なく、100円ショップで、「フェルト生地のセット」を買ってきました。丸く切り抜いて、他の色で輪っかを作って縫えばいいか。
そう思って、先にロケットをアイロンで付けようとすると・・・
こだわりの強い子には、ロケット(ワッペン)の向きも重要でした。
宇宙好きのワッペン・細部へのこだわり2.太陽の黒点
100円ショップで買ってきた、フェルトセットには、赤色も入っていました。
息子は、比較対象にならないもの同士を「XXと〇〇、どっちが強い?」とよく聞きます。例えば「ニンジンと大根、どっちが強い?」とか。
だから、「カッコイイ」「お兄ちゃんみたい」という一般的な誉め言葉より、「強いから」「強そう」という単語に弱いのです。
だから「太陽は強い」という表現を使って、意見を求めました。内心、土星よりも太陽の方が、フェルトで作るのが楽だろう…と思ったからです。
しめしめ。赤い丸とギザギザ丸を重ねるだけで済む!
あれ?気に入らない?下手だった?
こ、こくてん…。
黒点を付けた太陽…、リアルすぎる…、しかも可愛くない…。という本音はさておき、「細部へのこだわり」に向き合うことにしました。
他の人がこの太陽ワッペンに気が付いたら、「太陽に”顔”を付けるのを失敗したのかしら」と思われるかも!
細部への”こだわり”に向き合った結果
親としては、人目を気にして、複雑な心境もありました。
でも、黒点付きの太陽ワッペンをカラー帽子に付けて、満足そうな息子。確かに、ユニークな作品ができました。
私も「息子のアイデアで、黒点まで再現した太陽のワッペンなの、スゴイでしょう?」という気分で、胸を張らないとね!
これからも、息子の強いこだわりに真剣に向き合い、可能な限り、息子の満足(≒精神的安定)に繋げていきたいと思います。
そうすることで、いつか息子のこだわりレベルは軽減し、人さまに迷惑をかけず社会生活に馴染めると信じたい。
発達凸凹に関係なく、誰もが何らかの「こだわり」を持っている-。そう思うし、それはそれで立派なことだと思うから!