保育園で「一斉指示が通らない」「全体指示を聞いていない」と指摘された頃、息子が人の話をどんなふうに聞いているのか気になって、意識して注視していたことがあります。
息子の「人の話の聞き方」に何かヒントがあるのではないか、と思いました。
説明をよく理解する子が「指示が通らない」と指摘されて
当時息子が通っていた保育園から、一斉指示が通らない・全体指示が理解できていない・指示を聞いていないと指摘されました。
息子は幼い頃から図鑑を読み漁り物知りで、語彙力も高かったので「指示が理解できていない」という指摘には正直驚きました。
でも逆に、家では説明をよく理解できる子なのに、どうして保育園ではそんなことを言われるんだろう?と考えるキッカケにもなりました。
そこで、息子が人の話を聞く時にどんな聞き方をしているのか、気を付けて見るようになりました。
次第に何となく、息子が話を聞いている時の特徴がいくつか分かってきました。
それが保育園の一斉指示時に発動しているなら、先生の全体指示を聞いていないかも?…と思えてきたのです。
話し手よりも背景の細部が気になる
報道番組でアナウンサーがニュースを読んでいる時、花の話題ではないのに息子が「あの花、何ていうの?」と聞いてきました。
アナウンサーは事件について報道しているのに、「水が滝みたいでキレイだね」と言ってきました。
花?水?滝?
聞いているだけだと意味が分かりませんでしたが、視覚情報だと確かに。
アナウンサーの背後には、季節を彩どった花があり、アクリル板の中に流れる滝がデザインされたようなインテリアがありました。
誰かが全体に向かって話している時、息子は話し手よりも「背景の細部」に注目しているんだな、と思いました。
対話じゃない一方通行の声掛けに弱く、視覚優位…
息子の意識が私に向いている時、私が話す内容はよく理解しています。
一方で、息子が何かをしている時に突然話しかけても反応がなかったり、何度も名前を呼んでいるのに気づいてくれなかったりします。
対話態勢に入っていない、突然の声掛けには弱そう。
本人が意識的に聞く態勢からの「指示」ならともかく、ふいな一斉/全体指示には弱いはずだな、と。
話している人の声より背景に着目している時もそうですが、ふとした瞬間にも聴覚より視覚情報が優勢で、やはり視覚優位なんだと思います。
集団生活での一斉指示/全体指示は、他のことをやっている所に突然くるわけで。
同じ一斉/全体指示でも、話し手が視覚に訴える物を見せながら何かを説明する時は、(比較的)指示を聞けているのかもしれません。
全体指示の時も、窓の外や背景を見ている?
息子の通う保育園には園庭があり、他のクラスの子が園庭で遊んでいる姿が教室から見えました。
先生が全体に話す時も、きっと窓の外を見ているのかもしれない。
先生の背後には、制作物を飾る壁があるので、きっと昨日まではなかった制作物に気が付き、先生の話は聞こえず「ボクのはどれだ?」と考えているのかもしれない。
先生がノリを持って話している時、話し声よりもノリに着目して、「ノリは手がベタベタに汚れるやつだ」とか何か考えちゃっているのかもしれない。
こうして、息子が何を気にして、何を見ていたのか、どうして話しを聞いていなかったのか、など少しずつ理解できるようになって来ました。
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