4月から通い始めた療育。
初回は苦戦したものの、その後、2回目・3回目・4回目と通所しました。
お母さんと離れて外出できない母子分離不安、新しい環境が苦手な自閉症スペクトラムな子が、なぜスムーズに療育施設に行けたのか?
嫌がるのに通えた時のシチュエーションを思い出し、まとめました。
療育に行くまでの状況を「視覚情報」としてイメージさせておく
前段として、療育施設に行くまでの状況は「視覚情報」として、息子の頭の中にイメージさせておきました。
これは前回、療育施設/保育園間の移動について、ミニカーを送迎車に見立てて演じた通りです。
息子は毎回、療育施設から迎えに来た車の色を教えてくれます。迎えに来た車に乗って、療育施設に向かうことを理解しています。
「明日は療育」を前夜の寝かしつけで”ゆっくり”伝える
療育の日は、前日から「たいそう教室」という名の療育に行く心の準備をします。いつもより早く行けるように、言い聞かせる所からスタートです。
就寝時間に向けてバタバタとしている時ではなく、”もう安心して眠るだけ”という落ち着いた気持ちの時に、言い聞かせます。
まだ母親と一緒じゃないと眠れないので、寝る時は私が一緒にベッドに入ります。この時に、
・明日は、療育(息子にとって「たいそう教室」)
・明日は、いつもより早く行く
ということを、頭にインプットしてもらいます。
目的をスイッチ!「療育のため」ではなく「園庭で遊ぶため」
療育当日の朝は、息子と二人で「たいそう教室の前に(保育園の)園庭で遊ぼう!」という目標を立てて、行動します。
本当は「療育があるから早く行く」なのですが、それは息子にとって急ぐ理由にはならない。息子が保育園に向かうのを促せる理由、それが「園庭で遊ぼう」です。
息子の保育園では、3歳児・4歳児・5歳児クラスの子供は、朝は園庭に集合です。自分の教室で荷物をセッティングしてカラー帽子をかぶったら、保護者と園庭に行きバイバイし、しばらく園庭で遊んで過ごします。
療育の日は、療育施設から迎えが来るまで、園庭で遊べます。園庭で30分ほど遊んでから療育施設に向かうことで、気持ちの切り替えが出来ているようです。
急げない、行動の切り替えが苦手、急かされると余計に遅くなる…という息子の場合、いつものように身支度していると園庭で遊ぶ時間が終わってしまいます。だから療育の日は、急ぐ理由(目的)を建前でスイッチし、「療育のため」ではなく息子向けの目的「園庭で遊ぶため」に切り替えて、身支度を頑張ります。
母子分離不安でも「お母さんとバイバイ」できる唯一のタイミングを死守!
保育園で一番大きなお兄ちゃんクラス、5歳児クラス(=年長組)。
…になったにもかかわらず、息子が「保育園に行きたくない」理由は、お母さんがいないから。
そんな息子が毎日、保育園に通うことが出来るのは、(渋って時間がかかる日もあるけど)唯一バイバイできるタイミングがあるからです。それは、”遊びたい気持ちで園庭に行き”、”担任の先生と手をつないでバイバイ”です。
遊びたいという前向きな気持ちで保育園の園庭に行き、慣れた担任の先生と手をつないで「お母さんとバイバイ」する-。これが唯一、母子分離不安な息子でも、私とバイバイできる方法です。
療育の日は、療育施設からお迎えが来るまでに、このバイバイを済ませておきます。療育が嫌な理由は「お母さんが一緒じゃないから」なので、私とバイバイしながら療育施設の車に乗ったり、療育施設の教室に入ることはできないでしょう。
・保育園で”遊びたい”という気持ちで
・担任の先生と手をつないで
・お母さんとバイバイしてから
・園庭で遊ぶ(雨の日は教室でブロック遊び)
この4拍子が揃ったところで、「たいそう教室(=療育)に行ける」状態です。お母さんとバイバイできるタイミングを死守すること、それが療育日の最重要ポイントです。
「嫌がる療育」でも通えた時のパターンまとめ
母子分離不安・新しい環境が苦手な自閉症スペクトラムな子が、スムーズに療育施設に行けた時のことを振り返りました。
1.療育に行く状況を「視覚情報」としてイメージさせておく
2.「療育の日」であることを前日に伝えておく
※落ち着いてゆったりしている時
3.(療育前に園庭遊びをするため)いつもより早く行く
4.「早く遊びたい」という気持ちにさせる
5.担任の先生と手をつないで「お母さんとバイバイ」する
6.療育に行く前に、遊びたいように遊ぶ
この流れ(パターン)を守ることで、スムーズに療育(2回目~4回目)をこなしました。
逆に言うと、このパターンが守れなかった時は「嫌がる療育」に行けない-。それは、次回の療育(5回目)で実証されることになるのです…。