自閉症スペクトラム・気持ちや行動の切り替えができない子が、今の行動をやめて次の行動に移る時、あると便利なグッズがタイムタイマーです。
でも、うちの息子のように聴覚過敏の特徴がある場合、突然音を出すアラーム自体がストレスになってしまいます。
そこで、タイムタイマーの代わりに使う「マグネット時計」を作りました。実質0円の傑作!?と使い方をご紹介します。
【事前準備】マグネット広告を集めておく!
マグネット時計のベースになるのは、ポストに時々投函される、マグネットタイプの広告です。
四角いカードくらいの大きさのマグネットが大半ですが、中には円形のマグネット広告も。まん丸の円形は、まさに時計型なので、見つけたら大切にとっておきます。
円形マグネットがない場合は、四角いマグネットを円形にカットすれば大丈夫です。マグネットすら入手できない場合は、100円ショップで100円かけて買いましょう。
【ベースづくり】円形マグネットに白い紙を貼る
円形マグネットの広告側に、ノリを付けて、白い紙を貼ります。
白い紙は、裏紙でも大丈夫。裏紙を使う場合は、何か書いてある方にノリが付くようにして、表面は無地の状態にします。
紙をマグネットに沿って切り取れば、出来上がり。
マグネット時計のベースができました。
【時計板づくり】1~12までの数字を書く
マグネット時計のベースに、1から12までの数字を書きます。
1,2,3,4,…と順番に書くと、12個の数字が均等に書けません。
ど真ん中に点を書いたら、その真上に「12」その真下に「6」を書きます。続いて、点の真左に「9」、真右に「3」を書きます。
これで、15分刻みの数字が出来上がり。
次は順に、
12と3の間に「1」「2」
3と6の間に「4」「5」
6と9の間に「7」「8」
9と12の間に「10」「11」
を書きます。
これで、マグネット時計のベース(時計板)ができました。
【時計の針づくり】動く”矢印”、長さで色を塗り分ける
次は、時計の針を作ります。
そもそも、マグネット時計を作ろうと思ったきっかけが、手書き時計だと時間の流動性に対応できないからです。
時計の針まで絵に描いてしまうと、同じ行動でも「始める時間」「終わる時間」が変わった時に対応できず、書き直さなければなりません。
ごはん・おふろ・はみがき・寝る・・・その日によって、目安にする時間が5分、10分、30分とズレることが多いから、針は自由に動かせる時計を作ろうと思いました。
マグネット時計のベースを作った時に余ったマグネットでもOK。マグネットを矢印の形に切り取ります。
長い針、短い針に見立てて、長さを調整しましょう。何本かまとめて作っておくと、後で便利です。
矢印型マグネットに色を塗ります。
私は、マグネット広告を利用しているので、矢印がカラフルで上から色を塗りにくい。いったん無地の下地「白」で塗りました。これには、修正テープが便利です。
白い矢印マグネットができたら、あとはマジックで色を塗るだけ。
色塗りは、息子本人に手伝ってもらいました。
短い針は「赤」、長い針は「青」で塗って、完成です。
青色・赤色は、針の長さによって色分けできれば、どちらでも良いと思います。私は、”公文の時計”に合わせました。
【マグネット時計の使い方】行動を現す絵と一緒に「始まりの時間」「終わりの時間」を視覚に訴える
こうして完成した「マグネット時計」は、息子が愛用しているマグネットボードで利用します。
息子の”行動を現す絵”と一緒に、このマグネット時計を並べます。
”行動を現す絵”もマグネットにしてあるので、横に並べるのが効果的です。
その行動が「始まる時間」「終わる時間」を視覚に訴えることができます。
もしも、約束の時間が来たのに、愚図ったり癇癪を起したり、予定通りに進まなかったら、大人の針(長い矢印・青い矢印)を少し進めて、「約束の時間」をリセットできます。
この時、最初の約束の時間が過ぎてしまったことをグチグチ言わず、潔くリセットするのが、経験から分かるコツですね…。
守ろうと思っていた時間が過ぎてしまった…と、嫌な思いをモヤモヤと、一番抱えているのは本人です。この時に親がグチグチ言ってしまうと、事態が悪化すること間違いなし。
そう言って、時計を進めてあげましょう。
ゆとりを持って向き合えば向き合うほど、ちゃんと自分で「おしまい」にできることが多いです。
”行動を現す絵”と一緒に見せる必要がない子や、”行動を現す絵”がマグネットボードではなくカードや紙芝居のような紙タイプを使っているなら、「くるくる回せる時計」で代用できますね☆