「0円のマグネット」と言えば…?
私の「時計マグネット」の作り方を見た方であれば、もうピンと来ますでしょうか。
今回は、行動予定表の「時計」側ではなく、「行動」側のマグネットを実質0円で作りました。
視覚優位・行動の切り替えが苦手な子に効果的な「行動予定表」を作るには
自閉症スペクトラムの特徴の現れ方は、その子によって強弱もまちまち。だからこそ、一番身近にいる親にとっては、自分の子供に強く表れている特徴を見極めることができます。
うちの息子は、完全に視覚優位です。そして気持ちと行動の切り替えが極度に苦手。そこで日常生活を成り立たせるために必要となってくる”療育グッズ”が「行動予定表」です。
「行動予定表」と言っても色々あるけど、息子は型にはめようとしてもすり抜けていくタイプだから、表というより”ざっくり行動を並べたもの”が適しています。
そこで最初に使い始めた”行動予定表”(と言える療育グッズ)が、「できたよマグネット」です。時間を現す絵や”時計マグネット”と一緒に使います。
時間と行動(何時になったら何をする)が一目で分かり、使い方も簡単、できたらマグネットをひっくり返すだけ、というマグネットボードにしました。
のちに、時計マグネット・行動マグネットを利用しつつも、その時に指示する行動だけに絞り込む、という技に進化するわけですが、その進化論は別記事でご紹介します。
その子に合う効果的な「行動予定表」を作るには、子供の特徴と成長をよく見極めて、進化させていくしかないですね!
この間まで有効・効果的だったのに、気が付くと面倒くさがってやらなくなった!嫌がるようになった!というパターンは、けっこう頻繁にあります。
ポストに投函してくれる広告マグネットを再利用!”行動マグネット”に使う
行動を切り替えて身支度を進めていくために使う「行動予定表」には、行動を現す絵が欠かせません。
マグネットボード形式の「行動予定表」には、行動マグネットが必要になります。
市販の「できたよマグネット」や「やることマグネット」を導入したところで、絶対、”あの行動”がない!という事態になりますよね?
「できたよマグネット」や「やることマグネット」は優れモノで、予備のマグネットも入っていますが、私には足りませんでした。
3つの予備マグネットは、息子を動かすには欠かせない「ウンチ・かたづけ・ねる」の3つの行動を絵に描いたら、使い果たしてしまったのでした。
そこで今回、足りなかった行動マグネットを作ります!
使うのは、無料で手に入れたマグネットです。
「時計マグネット」を作った時と同様、ポストに投函されている”広告マグネット”を使います。
「時計マグネット」は丸い形であることが重要なポイントでもあったけど、行動マグネットは、四角でも細長くても大丈夫!
好みの大きさや形に、切り取りながら使いましょう。
裏紙を貼り、絵を描く面を白くする!
ポストに勝手に入っていた広告マグネットは、そのままだと広告が邪魔して、絵が描けません。
広告の上に、白い紙を貼ってしまいましょう。
ここでのポイントは、新しい白い紙を使ったら勿体ない!ということです。新しい紙を使ってしまったら、実質0円ではなくなってしまいます。
広告マグネットに貼る紙は、ポストに投函されていたチラシ、保育園・幼稚園・学校から配られた手紙、ダイレクトメールの封筒、書き損じたメモなど、不用品の中から、裏が白で無地のものを選びます。
上の写真で使っているのは、私がスーパーで買う物を忘れないように書いたメモ紙ですね…。「豆乳グルト」と書いてあるのは、そのためです。
リサイクルな裏紙を貼って、マグネットの表面が白い状態になったら、下地は完成。必要な大きさ、必要な形にカットしましょう。
うちは、息子(本人)が切り取り係。
行動マグネット基本編:行動を現す絵を分かりやすく描く
私がどうしても必要だったのは、こちら。「くもん」の行動マグネットです。
息子が毎日、”家でやること”の中に、公文の宿題があります。
公文の宿題は、(習っていなくても既に有名な話だと思いますが)とにかく、とりかかるまでが超大変!
普通でも大変なのに、行動の切り替えが苦手な子が、テレビや遊びを止めて、時間になったら「公文の宿題」をするために机に座る、なんて無理に近い。
それでもまずは視覚に訴える必要があるから、「くもんのしゅくだい」を現す行動マグネットを作りました。
マグネットの下地に、絵を描いて、該当する行動を現すのですが、
行動を現す絵を本人が分かりやすいイラストで描くことが、ポイントです。
ポイントは、下手か上手いかではなく、”本人が分かるか?”です。
息子の「くもん」マグネットの場合、
・名前を書く欄と10までの数字を書く10個のマス目があるシート
・公文で使っている激落ちくんの消しゴム(ケースに顔が書いてある)
この絵だけで「くもん」と文字を書かなくても分かってくれました。
行動マグネット応用編:チラシや折り紙から既存のイラストを切り抜いて貼る
行動マグネットは、自分でイラストを描く以外にも、既存の絵を切り抜いて利用する方法があります。
例えば、息子の「宇宙の時間」マグネットは、惑星柄の折り紙を利用しました。
「宇宙の時間」というのは、宇宙好きな息子が、宇宙の図鑑を見たり、宇宙関連のYoutubeを見たり、宇宙のシミュレーションゲームをしたり、宇宙に関する遊びをする時間です。
この「宇宙の時間」は、公文の宿題の前・お風呂の前・出掛ける前など、頻繁に登場するので、いかに「おしまいの時間」を認識し、次の行動へ移れるかが大きな鍵となっていました。
だから、行動予定表には「宇宙の時間」マグネットは欠かせない!
折り紙の絵柄を利用する場合も、新しい折り紙ではなく、再利用!
私は、息子が前に、折り紙で作った紙ヒコーキの中から選び、それを開いて使ったので、実質0円。
上の写真の「惑星柄の折り紙」が折り線だらけなのは、そのためです。
こうして「宇宙の時間」を現す行動マグネットが出来上がりました。
お金をかけずに療育グッズ「行動マグネット」を実質0円で作り終えて
うちのマグネットボードには、「できたよマグネット」と共に、手作りの行動マグネットが並んでいます。
何時に何をやるのか?
時計の絵の横に、行動マグネットを並べて使います。
因みに、手作りの行動マグネットは、ひっくり返して使うことはできませんが、この同タイミングでは使っていない「できたよマグネット」をひっくり返して、上から重ねることで「できた!」のマークを付けられます。
療育グッズは、買ってそのまま使うというより、子供と一緒に使っていく中で、必要/不要な部分を取捨選択したり、足りない部分を補ったり、分かりやすく改変したりして、仕上がっていくものなんだなぁ、と感じました。
しかも完成がない、という…。
療育グッズの「自宅で進化論」は、これからも続きます。