療育への道。発達障害グレーゾーンから「自閉スペクトラム障害」診断へ!通所受給者証の申請で必要な「医師の診断書」をもらう【後編】

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発達障害の傾向にある子が、療育施設・児童発達支援・放課後等デイサービスなどに通うには、通所のための受給者証が必要です。

そして、受給者証の申請には、「医師の意見書・診断書」が必要です。
【前編】から引き続き、この「診断書」をもらうまでの道のりをまとめました。

療育への道。受給者証の申請で必要な「医師の診断書」をもらう【前編】必要性が伝わらない!

2019/02/25

発達障害チェックリストを作成、子供の特徴を書き出す

実際に作成したチェックリストの一部

「早い方がいいでしょう?」

小児科の先生(かかりつけ医)が、気を利かせてくれたこともあり、療育センター長の名を持つ非常勤の先生(以下、療育施設長)との発達相談まで、あと1週間もありませんでした。

パソコンに向かい、私が最初にやったのは、発達障害のチェックリスト作り。

そのまま使えるリストが見つかれば良かったのですが、自分のイメージ通りのリストにはなかなか巡り合えませんでした。

発達支援を行っている企業のサイトで公開されている発達チェックリストや書物内のチェックリストから、チェック項目をピックアップしてExcelファイルにリスト化しました。

次に、まる(〇)さんかく(△)ばつ(×)の3段階で評価。当てはまる・条件付きで当てはまる・当てはまらない、に分類しました。

最後に、なぜ当てはまるのか、特にどんな状態なのか、どんな特徴が目立つのか、等の特記事項を書きだしました。

これを印刷して、発達相談に挑みます。

A4紙にびっしり6ページ。全部に目を通してはもらえないのは想定内です。

でもパラ見して、これだけの項目に対して、これだけの「〇」と「△」が並んでいれば、療育が必要なことが伝わるはずだと信じました。

発達障害チェック項目&特徴リストを持参!ASD息子を連れて発達相談に挑む

そして当日-。
療育施設長との発達相談・面談の日がやって来ました。

「お薬もらうの?」「注射しない?」「なんで違う先生に会うの?」
質問攻撃してくる息子の言動は、想像通り。

私(母)
もうすぐ保育園で一番お兄ちゃんのクラスになるし、病院にかよう予定とか、なんの練習が必要かとか、いろいろお話を聞きに行くんだ。お母さんだけじゃ分からないから。お母さんが、先生のお話を聞くから、ゆきまるは横で遊んでてね。

そんな言い聞かせを繰り返しました。

息子が納得したかは定かではありませんが、診察室に入るまで順調に進みました。

またの名は「療育施設長」という男性の非常勤先生を見るなり、息子は「注射しない?」「注射しない?」「注射しない?」のプチパニック。

そうか、この顔知っている-。今年、息子のインフルエンザ予防接種をしてくれた先生だ!

私(母)
あ、そうか。この前、注射してもらったね。今日は、注射しないよ。遊んで待っててね。

息子が、予防接種してくれた先生の顔を覚えていたことに感心しつつ、今日は注射しないことを約束しました。

私は、持参したリストを机の上に置きました。

療育施設長だという、この先生の背後に、いつもの先生(かかりつけ医)も状況を見に来ていました。「ちょっと勉強のために・・・」とおっしゃっていましたが、紹介者としての責任もあったのかもしれません。

息子はいつもと違う雰囲気を感じ取った様子でした。珍しく私に纏わりつかず、貸してもらったオモチャを手に、後ろで遊び始めました。

療育施設長との発達相談:まずはヒアリング!子供の特徴を述べる

療育施設長
発達が気になる、っと。
普段、どんな感じなの?
  • 保育園での集団生活について行けていない、と指摘を受けた
  • 「行動の切り替えが苦手」で、やりたい事ができない時ややめる時に癇癪を起す
  • 「母子分離不安」の傾向があり、母親と離れて別の場所に行ったり、新しいことをしたりできない
  • 「感覚過敏」「聴覚過敏」の傾向があり、怖い時に耳をふさぐ
  • 「こだわりが強い」傾向があり、片手に収まるオモチャ1つを必ず持って行動する

代表例とも言える、息子の特徴を端的に述べました。

「どんな特徴があるのか?」と質問をされた時、咄嗟に言葉は出てこないだろう-。

そう予想して、机に置いた自作の「発達障害チェックリスト&特徴リスト」の余白に、予め手書きで、キーワードをメモしておきました。

『保育園で指摘』『行動の切り替えが苦手』『母子分離不安』『感覚過敏』『強いこだわり』と。

これが役に立ちました。

自分で書いたキーワードを見ながら、1つずつ頭の中で文章化して、息子の特徴を答えました。

療育施設長との発達相談:決まっているかのような質問!に回答

(イメージ図:写真は別の病院です)

息子が、1人で遊んでいる後ろ姿。

しばらく相手にされないと(自分が一番にかまってもらえないと)、「こっち来て」「ねえ、見て」「一緒に〇〇やろー。」と連呼してくる姿。

そんな息子を時折チラチラと見ながら、療育施設長が私に質問したことと、その回答は以下の通りです。

「保育園で友達と遊んでる?」
A はい。

Q「友達といる方が多い?一人でいる方が多い?」
A 一人でいる方が多いです。

Q「服とか手が汚れて、ものすごく嫌がる?」
A 手に付いたベタベタや汚れは、すぐ洗いたがります。

Q「何かをすぐ並べる?オモチャとか並べる?」
A 最近はそうでもありませんが、小さい頃に、ミニカーやプラレール等の乗り物系のオモチャをよく並べていました。

「あまり寝ない?」
A あ…はい。小さい頃は、音に敏感で夜中もすぐ目を覚ましました。最近は、夜中に起きることはありませんが、寝つきがスゴく悪いです。夜だけじゃなく、昼寝も、寝つきが悪いです。

多くを聞かれることはなかったけど、質問がポンポン来る感じ。

もう何を聞くべきなのか、分かっている-。

これを聞けば判断できる-。

そんな雰囲気が伝わってきました。

聞くべきことは決まっているかのような質問に、ポンポン答えました。

療育施設長との発達相談の結果・・・ グレーゾーンからASD診断へ!

「ちょっと(発達障害・自閉症スペクトラムの可能性が)あるかもしれないねぇ。」

息子の様子をチラチラ見ながら、療育施設長は言いました。

「発達障害」という単語は、言葉にしないのだろうな、という予想はしていました。

「ちょっと、あるかもしれないねぇ」と言われて、「軽度だけど、自閉症スペクトラムですね。」と同じ意味であることは、その場の雰囲気で分かりました。

「息子を数分だけ見て、何が分かる?」ではなく、「ああ、この先生は、息子を数分見ただけで、分かっちゃうんだな。」と思える、何かを”持っている”人でした。

「自閉スペクトラム障害」と診断された時の心境

いざ専門医に診断された時の気持ち・・・。

動揺する保護者も多いから、次項の先生のセリフに繋がるのだと思うけど、私の中では、もう確信していたことでした。

「自分は確信していたんだな」と自覚した瞬間、という表現が、この時の心境に一番近いかもしれません。

ショック・動揺・目の前が暗くなる・ガーン!…という心境は、”あの時”がピークでした。

そう、いわゆる「育てにくい子」が「発達障害かも?」に変わった時です。

「育てにくい子」から「発達障害かも」になった時。保育園で指摘された特徴は意外だった(4歳)

2018/09/21

あれ以来、謎は解けてきて、目の前のモヤモヤも晴れてきました。

「なんで出来ないんだろう」と原因が分からず穴から出れない感覚から、「発達障害(傾向)だから仕方ない。」と穴から出て、「どうしたら出来るか工夫しなくちゃ!」と方法を考え、前に進んで行く感覚に変わりました。

あの時から、既に自分が変わっていました。

デメリットはない!療育に対する見解と共に診断書をゲット!

もらった実際の診断書より

だから、療育施設長が私を励ますための言葉(と思えるセリフ)を言った時も、「分かっているから大丈夫です。」という気持ちでした。

[声:療育施設長]
知的障害なし、軽度だよ。
そういう傾向は、大きくなるに連れて改善されていくから。
でも、「決まり文句」で書かなくちゃいけないから、ただの「決まり文句」だと思ってくれていればいいから。

そう言いながら、作成した診断書(「診療情報提供書」)には、

傷病名及び紹介目的:自閉スペクトラム障害

上記のため社会性やコミュニケーションの発達に遅れがあります。児童発達支援施設の利用は本児の発達促進のために有効であります。

(「診療情報提供書」から抜粋)

と書かれていました。
なるほど、これが「決まり文句」のようです。

療育施設(児童発達支援施設)で、療育プログラムを受けることは、デメリットはなくてもメリットはあるよ。メリットはなくても、デメリットはないよ。
効果が出るか出ないかは、その子によって違うけど、「やって後悔」するより「やらなくて後悔」する方が、断然多いよ。
やっておいた方がいいと思う、それも早いうちからね。

発達障害グレーゾーンにあった息子に、「自閉スペクトラム障害」の診断書をくれた先生は、少ない言葉数で知りたい事を全て言ってくれる療育施設長でした。

児童発達支援・放課後等デイサービスへの道。
必要書類の1つ「医師の意見書・診断書」(正式には「診療情報提供書」)を入手することが出来ました。

達成感。その一言に尽きます。
次は、「サービス利用計画書」、通称「セルフプラン」の作成です!

セルフプランの記入例|自己流でも2週間で通所受給者証が発行された!療育への事例

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