4歳の秋。
見学した療育施設の園長に、「息子さん、たぶん自閉症スペクトラム+ちょっとLD。」と言われました。
療育施設に通うか否かは、今まさに調整中。
今日は、そんな息子が絵に描いた「秋」を鑑賞します。
これが、自閉症スペクトラムの特徴「独特な認知力」なのか。という観点で観ていきたいと思います。
頭の中のイメージは「三次元モデル」
作品名:「うんどうかい」
園庭から空を見上げれば、10月にしては記録的な暑さでまぶしかった太陽。
絵の中に、赤い太陽が2つ登場しています。
「反射してまぶしかったから、太陽が2つに見えた」そうです。
横目で見えていた、スタートラインで待機するお友達。ハッキリとは見えないから、オレンジの点(=体操服のズボンの色)で表現。
障害物競争でくぐったピンクのビニールテープのヒラヒラ、駆け上った板の坂道、自分をみつめる緑帽子のお友達。
頭上には、茶色のクマさんが書かれた旗が並んではためく。
フラッグダンスは、緑と白のフラッグを持って頑張りました。
白のクレヨンは見えないから、代わりにグレーを使ったとか。
体操服の左胸にある、緑色の保育園のマークも忘れてはいません。
頭の中のイメージをそのまま絵に落とした感じです。
”三次元モデル”をつぶして、紙に落としたような書き方をしていました。
作品名:「うちゅう」
太陽系の外側にある、黒丸を赤線でつなげたようなのは何だろう?
「宇宙にあった。」と言っていました。
これらの絵は、どれも紙いっぱいに、頭の中のイメージが吐き出された感じがします。
自閉症スペクトラムの人は、細部にこだわりながらも、立体的な「3次元モデル」が、頭の中に映像として構築されているらしい。
この特徴を想わせました。
細部にこだわり全体を仕上げる(木を見てから森を見る)
作品名:「とんぼ」
自閉症スペクトラムの認知能力の特徴の1つに、「細部を見てから全体を見る」ということがあるそうです。
息子は、とんぼの羽の黒い線を1本ずつ、丁寧に書いていました。
トンボの上にあるのは、秋の雲「ひつじ雲」です。
作品名:「コスモス」
コスモスは、トンボと一緒に書きました。
花びらの先が二手に分かれている感じ、細い葉が分岐している感じ…がよく表現できています。
作品名:「タマゴタケ」
息子の説明通り、カサが開いていない若いタマゴタケは赤色が濃く、カサが開き切った大人のタマゴタケは、薄いオレンジです。
カサが開くと、カサに筋が見えてきます。そして傘のてっぺんには、ボコっとふくらみがあります。
これらの特徴を色鉛筆のオレンジ色を使って書き、タマゴタケの成長の過程を見事に描いていました。
作品名:「まつたけ」
柄の部分に、黒で点々書いて、それらしくしていました。
作品名:「黒いハートのきのこ」
「きのこ図鑑でみたやつ」と言っていました。
珍しいきのこも、形や色を忠実に描いています。
作品名:「すすき」
別の「きのこ」を書いた時に、ススキを書きました。
穂を線ではなく点で書いています。
部分から書き始める(内側から外側へ)
作品名:「せんとうき」
息子が、最近ハマっている「戦闘機」です。
作品名:「レッドインパルス」
息子は、輪郭から描かずに、「部品」から書きました。
だから、全体を見た時に線がしっかりしていない。
飛行機の頭・ボディ・羽・お尻・・・とそれぞれパーツを書き足していきます。
輪郭からではなく、内側から書いていく感じです。
頭の中のイメージを見えた所から、順に紙に落としていく感じなので、先に輪郭を描いて全体を確保する必要がないのかもしれません。
”黒”だけでも線や模様を細かく表現
作品名:「くりとにんじん」
サインペン1本で書いた絵です。
たとえ黒1本でも、「にんじん」の葉と横縞模様が、細かく表現されていました。
作品名:「おじぎそう」
「お」だけ、自分で書けます。
葉っぱを1本1本、丁寧に描いて、葉全体を仕上げています。
作品名:「ごきぶりとたまご」
夏に、おばあちゃんの家で目撃した、小さなゴキブリが印象的で、描いていました。
作品名:「すうじ:」
突然書き始めた、100より大きい数字の羅列。
「240」の次に書きたかったのは「250」なんだと想像しますが、「205」になっています。
公文では、20までの数字しかやっていないので、100番台と200番台を書き始めた理由はナゾですが、頭に思い浮かんだものを書きだしたのだと思います。
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