息子は気持ちと行動の切り替えがとても苦手。次の行動に移る時、なかなか行動に移せず、いつまでも今やっていることを続けてしまいます。
特に「次の予定」が「やりたくないこと」の場合、その傾向は顕著で、それでこっちが怒れば癇癪&パニックです。
切り替えが苦手な子供に、予定をこなしてもらいたい時にやった視覚支援が、結果的に癇癪対策にもなったのでご紹介します。
子供が「やりたくないこと」もハッキリ視覚化
息子は、楽しみにしていた遊びやイベント時の外出さえ、いざ出掛けるとなると腰が重く、なかなか玄関に向かいません。
外出の時間が近づいて「それまでやっていたこと」を”辞める”ように促さられることを非常に嫌がります。
それだけでなく、予定のゴールが「楽しそうな遊び」であっても、
・家を出る前にトイレに行くのが嫌だ
・外出先で好きなものがなかったらどうしよう
・靴がうまく履けなかったら不安
等々、行く前に不安要素が立ちはだかると、余計に動けないのです。
だから、まず息子が「嫌なこと・やりたくないこと」 をはっきりさせました。
「好きなこと」→「嫌なこと」の大まかな予定はダメ
例えば、息子がやりたくないと思っている「公文の宿題」。
「おやつを食べたら、公文の宿題」と口約束だけしても、おやつを食べ終わる頃に愚図り始めます。
「おやつ」→「くもん」という絵カード的な行動表を作っても愚図るでしょう。これが終われば、すぐに「やりたくないこと」だとハッキリ視覚化されているからです。
「嫌なこと」の前は「好きなこと」が並ぶ予定を作る
そんな時は、「好きなこと」の予定をスモールステップ化しました。
「好きなこと」をスモールステップ化
例えば「おやつ」の予定。食べる順番は本人に決めさせて、

- 「豆乳グルト」を食べる
- 「ぶどう」を食べる
- 「きなこおはぎ」を食べる
という3ステップを作りました。
「嫌なこと」まで心の準備期間ができる
「公文の宿題」は4ステップ目になるので、「嫌いなこと」をやるまでに「好きなこと」が3つある状態になり、心の準備期間が長くなりました。
行動予定が2ステップ(好きなこと→嫌なこと)だった時よりも、癇癪なしで行動できる確率が高いです。
その日の「気が重いこと」を全部描く

また、息子が「気が重い」と思っていることを全部描き出すことに。「何がやりたくないのか?」を聞き出し、それを絵に落としました。
この日は、夕食で食べる「焼き鳥」の串を持った後、汚れた手を洗うことを嫌がっていました。
だから、「公文→お風呂→歯磨き」という「嫌な行動リスト」に対して、更に「焼き鳥→手を洗う」を書き足しました。
1つずつクリアすることで達成感
絵には、その時の”やりたくないこと”が出揃っているので、1つ目の”嫌な事”が達成できた時、該当する絵をグチャグチャと塗りつぶしたり、破ったりするとスッキリします。
実際に行動しながらグズグズしている時は、そういう行為が気晴らしにもなるし、一度やってみて興味が湧くと、次も塗りつぶしたい(破りたい)と思って、次の行動を(嫌なことだったはずなのに)頑張ってテキパキやることもありました。
”嫌だった行動”が1つ終わった時に、「クリアできた」という感覚も味わえます。
1つずつクリアして、最後に達成感を味わうことができれば、本人も満足気でした。
子供が嫌な気持ちをスルーして「突然やらせる」と最悪

私がまだ、発達障害や癇癪について理解できていない時、息子はしょっちゅう癇癪&パニックを起こしていました。
「ブロックをやったら、買い物に行こうね。」と事前に何度も声をかけ、予定もインプットできて見通しもついたはずだから大丈夫!と思っても、ブロックを片付けた後に寝転がりグダグダしている。
私も夫も、上着を着てカバンを持ち、玄関で待っているというのに、リビングの床にゴロゴロして、玄関に来ようとしない。
「ブロックは止められたのに、一体全体、何が嫌なんだ!?」
最初は分かりませんでした。
息子は、買い物に行く前に、「おしっこをする」「靴をはく」という些細な行動の切り替えが苦手だったんです。
玄関に向かおうという気持ちがあるのに、そこで「あ!行く前に”おしっこ”して!」と突然言われることで、プチパニックだったんです。
出掛ける前にトイレに行かなきゃ…という気持ちがあるのに、「早く靴はいて!」と突然言われると、挙動不審になっていたんです。
”嫌なこと”を「やらなきゃいけない」という気持ちがあるところに、突然言葉だけで煽ると、癇癪スイッチが入るんです。
一気に、突然、言葉だけで、まくし立てることは、癇癪&パニックに繋がります。
それが分かってからは、”嫌なこと”を細分化、視覚化。事前にゆっくり説明。行動に移している時は、1つずつ「できた」ことを褒めて、1つずつ「次の行動」を言う。
そんなことを心掛けています。
子供が今、何を”嫌なこと”だと思っているのか、それを見逃すと対応できない。親が子供の”嫌なこと”を突然言いつけて、子供が難色を示す態度に腹を立てるという悪循環になる…。
だから、一般論に捕らわれず、些細なことだと流さず、”息子の本当の気持ち”を理解できるように、努力し続けています。
自作の絵カードを使って、身支度・寝支度の順番を自分で決めると、次の行動に移りやすいようです。
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