息子は赤ちゃんの頃から、いわゆる「育てにくい子」に該当し、保育園では4歳になる頃に問題視されました。
児童発達支援センターでの相談&カウンセリングを経て、「発達の凸凹」について知り、自閉症スペクトラムの診断書をもらったのが5歳になった時でした。
以後、「発達障害」について理解を深めて今に至ります。
今回は、親が言いがちな禁止文「ダメ」の2文字に関するエピソードです。
「ダメ」の2文字に”こだわる”のはなぜ?
息子が1~2歳の頃、一人でいる時に、よく独り言を言っていました。
色々な言葉を覚えていく時期だから、覚えた言葉を復唱したり、聞こえた音や声を真似て声を発したりするなら、違和感はありません。
私が違和感を覚えたのは、一人芝居のように、
「ダメっ」「ダメでしょ!」「ダメ」「ダメっ」…
と、何かに”ダメ”と言っているかのように、息子がダメダメ言っている時です。
まるで、セリフのような、セリフの練習のような感じです。
他にも覚えた言葉はたくさんあるのに、どうして「ダメ」の2文字ばかりにこだわって、何度も発音練習しているんだろう?
不思議でした。
私が発した禁止文「ダメ!」が原因だった…
その答えが分かったのは、息子が3歳頃でしょうか。
息子は、私が「やりなさい」と言っても、すぐやらない。「来て」と言っても、すぐ来ない。イライラが積もります。
まだやりたい事を「もうおしまい」だと制する時か、やってはいけない事を禁ずる時かは忘れてしまいましたが、私が「ダメ!」と言った時…
息子は泣きながら「ダメ!ダメ!」と言っては、堰を切ったようにワーっと泣き、再び「ダメ!ダメ!ダメ!」と言ってはワーっと泣く…を繰り返しました。
これって・・・
ダメと言われた本質は関係なくて、「ダメ」と言われたこと自体に反応している。
私が発した禁止文「ダメ」という2文字が、強烈にインプットされている。
「お母さんにダメと言われた」という事に対して、泣いている。
ダメの2文字に、なぜこんな威力があるのか分かりませんが、幼いながらに「禁止・否定・拒否・却下」などなど、負に感じる全てが詰まった2文字なのでしょう。
その2文字が、大好きなお母さんの口から出てきた!
という感じ?
理由はともかく、パニックです。
息子がパニックになる言葉を発し続けることが、良いワケがない。
闇雲に、鋭く、「ダメ!」と言ってはいけない。
伝え方を考えなければ!と思いました。
「ダ~メ~よ~」はOK!同じ禁止でも”言い方”が重要と知る
いつもなら「ダメ!」と叫ぶところを、グッと堪え続けました。
代わりに、言い方を色々試しました。
定着してきたのは、1文字ずつ伸ばして言う「ダ~~メ~~よ~~」と、語尾を肯定文「いいよ」で終わるように言い換えた言葉です。
☆肯定文「いいよ」への言い換え方は、別記事でご紹介
2014年の流行語大賞に選ばれた「ダメよ~ダメダメ」の言い方ではなく…
「ダ」と「メ」を同じ強さで、「よ」を一番強く言う感じです。
顔の前で、手をバッテンにして「ダメ」のジェスチャーを添えると、視覚的に見ることで頭に入り、「ダメ」の言葉が持つインパクトが和らぎつつも、ダメだと言われていることは理解するようになりました。
頭ごなしに「ダメ!」「やめなさい!」と禁止文をピシャリと言うより、ふざけたような遊んでいるような言い方をすると、格段に癇癪が軽減しました。
何よりも、あの、ダメダメを連呼した独り言や、『ダメダメパニック』がなくなりました。
追伸:
禁止文だけを注意しても、癇癪のエスカレートはなくならない!
次回は、”言い返し方”に着目したエピソードを紹介します。
怒鳴って強く怒ると、癇癪はエスカレートして悪循環。だから「無駄に怒らない育児」が重要と知ったエピソードはこちら(↓)
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