息子が生後10ヶ月くらいの頃、子育て支援センターに通い始めました。
保育園の0歳児クラスに入ることができず、待機児童になってしまったためです。同じ年頃の赤ちゃんたちがいる場所で、遊ばせてあげたいと思いました。
のちにASD(自閉症スペクトラム障害、いわゆる発達障害)の診断をもらう息子が、「子育て支援センター」でどんな様子だったのか。
今回は、「子育て支援センター」で息子が遊ぶ時に、目立った特徴をまとめました。
赤ちゃんの発達障害(ASD)は見抜けないけど、”特徴”が分かってくる
地元・近所で、予約がいらない「子育て発達支援センター」を見つけました。
息子はそこで、同じ年頃の赤ちゃんたち、常時2~10人くらいと一緒に”空間”を共にしながら、毎日1時間半くらいの時間を過ごしました。
この年頃はまだ「一緒に遊ぶ」というより、「同じ空間にいる」という感じです。
私はこの当時、まだ発達障害について詳しくありません。
息子は赤ちゃんの頃から「寝ない子」「すぐ泣く子」「敏感な子」でしたが、だからと言って発達障害だとは思わないし、そんな予感すら感じることはできませんでした。
そういう意味では、「赤ちゃんの発達障害は気が付きにくい」という論調は納得です。
だけど実際は、「発達障害」という言葉で一括りにできないほど複雑で、「この特徴に当てはまるから、この子は発達障害」とキレイにラインを引けるものではなく、どれだけ&どんな困り事を抱えているか?という所感に頼る部分が多い。
「こだわりが強いからASD」とか「落着きがないからADHD」とか「過敏だからHSP」とか、キレイに分類できるものでもない。だって、どれも当てはまる気もするし、同じ子でもASD傾向が強まったり、別の傾向が目立ったりするのだから。
だから尚更、赤ちゃんのちょっとした特徴では、「特別な何か」があると見抜くことはできませんでした。
ただこの時点で、「子育て支援センター」という、他の赤ちゃんがいる環境で分かってきたこともあります。
息子と比べる対象…「他の赤ちゃん」がいること。他のママの話を聞けたこと。これによって、息子の特徴をより客観的に把握することができました。
まず「他の子より泣く」「他の子より寝ない」「他の子より敏感」ということに、確信が持てました。
それから、子育て支援センターで見えた息子の行動の中で、気になった特徴が見えてきました。
これは当時”問題視”したわけではなく、ASDの特性に詳しくなった今から思えば、ASD傾向が見え隠れする特徴です。
それを挙げていきたいと思います!
1.ハイハイせずに高速ずりばい(腹ばい)
息子はなかなかハイハイしない赤ちゃんでした。
その間、どうやって移動するのかと言えば、「ずりばい(腹ばい)」でほふく前進です。
私は、「成長には個人差がある」と自分の身を持って知っていたので、身体的な発達のスピードは、それほど気にしていませんでした。
子育て支援センターで、息子の”ずりばい”で移動する姿が目立っても、「まだハイハイできないんです。」と答えて、軽く流していました。
他のお母さんから、息子の「高速ずりばい」姿に拍手を送られるほど、息子のずりばいスピードは、すさまじく早かったです。
他の子のハイハイよりも、よほど力強く素早い息子の「ずりバイ」を披露されるごとに、私はだんだん「あんなに体を動かせるのに、なぜ膝を立てて(ハイハイで)歩かないのかな?」と思い始めました。
結果的に、息子は1歳になる頃、ハイハイできるようになります。
ハイハイがなかなかできなかった理由は、今なら何となく分かるんです。
息子は5歳になってもブランコが苦手。今の時点でまだ、まともに漕ぐことができません。綱で網状に編まれた遊具を、ジャングルジムのように登れるようになったのは、療育に通うようになってからです。
ハイハイとの共通点が分かりますでしょうか?
手と足の動きが違う動作。手と足を交互に上手く動かすために、力の入れ具合も交互に上手くバランスをとる動作なのです。
2.固定されているように見えて動くもの・触ると動く玩具ばかり好む
息子が子育て支援センターで、他の子を玩具の取り合いをしたことは、一度もありません。
他の子は、カゴ一杯に入った玩具1つ1つに興味を持つことが多く、それが重なれば取り合いになっていました。まだ一人一人のこだわりは弱く、すぐに違う玩具に促されて、平和な社会でした。
一方、息子は1つ1つの玩具にあまり興味を示さず、高速ずりばいで一目散に向かう場所と言えば、壁。
壁に固定されている玩具が大好きでした。
動かないと思ったのに、触ると動く。触っていないのに、隣りが動く。これが面白いようです。
また、上からぶら下がっている物体が、ブラブラ動くタイプの玩具が大好きでした。
動かないと思っていたのに、ブラブラ動く。揺れると鏡の柄(=映る内容)が変わって面白いようです。
今思えば、視覚優位な特徴がある息子の場合、触って動かすと視覚的に楽しめる玩具がお気に入りだったのだと思います。
動かないと思っていたのに、触ってみると動いて、絵柄や向きが変わる玩具。
3.ストッキングの足に興味深々
育児でいっぱいいっぱいだったこの時期、私は服装やお洒落に無頓着で、いつもズボンに授乳用トップス、というスタイルでした。
だから足元は、いつも靴下。
赤ちゃんだった息子は、産まれて初めて、 子育て支援センターでストッキングを履いた(他のお母さんの)足を近くで見ました。
その、不思議なものを触るように、恐る恐る突っついたり、指を左右に動かして感触を確かめたりしている姿が、今思い出してもウケます。
素肌に見えて素肌じゃない、触るとなんかザラザラするし、よく見ると網目がある。感覚過敏の傾向がある0歳児にとって、産まれて初めて見るストッキングは、とても不思議な感触だったのでしょう。
4.顔の距離感がつかめない or 近づけるのが好き
息子は、他のお友達が近くに来た時、顔をすごく近づけて、ニコニコしながら見つめていました。
子育て支援センターでは、「近い近い近い!」と駆け寄って、距離をあけさせることで対応していました。
これが何回も続くと、「どうして息子は、人に顔をすごく近づけるんだろう?」と疑問に思いました。
違和感があるほど頻繁ではありませんが、5歳になった今でも、お友達に顔を近づけて、変顔をして笑わせようとしている姿があります。そんなに近いと、相手は見えないのに。
私や夫にも、顔をすごく近づけてくることがあります。
私は「そんなに近いと、ピントが合わなくて顔が見えない。」と本音を言っています。夫は「距離感がつかめないからね~。」と軽く流しています。
発達障害の子は、「人との距離感がつかめない」「相手との距離感が分からない」という特徴も有名だから、そういう特徴の一種なのかな?
5.部屋から母親がいなくなると泣く
これは今の息子にばっちり繋がっている特徴ですが、子育て支援センターでも部屋から私の姿が見えなくなる時は、泣いていました。
子育て支援センターの開放フロアは、ガラス版のドアでした。このドアから出て、すぐの所にトイレがあります。
他の子は、お母さんがトイレに行く時でも、「待っててね」と言われて何となく理解し、泣かずに遊びを続行していました。
お母さんがトイレに行く度に泣くのは、うちの息子ともう一人(※)だけ。
※前段の記事で、意気投合したお母さんの娘さん、のちに息子の保育園友達となる子です。
母子分離不安という一言で片付けられる特徴なのかどうかは、今でも悩み中ですが、子育て支援センター通いの時から、「お母さんとバイバイする」「お母さんと離れて部屋に残る」のは極度に苦手な子でした。
赤ちゃんだった当時、発達障害であることは全く気が付けなかったけど、後に繋がる特徴は既に少しずつ出ていたんだなぁ…と思いました。
自宅でも、こういう上から色々ぶら下がっているプレイジムが大好きな赤ちゃんでした。息子がハマった玩具については、別の機会に!