これは本当にあった、出産の話です。
無痛分娩、鉗子分娩、吸引分娩-。リスクを知ったうえで選択してほしいから、私が息子を産んだ時のことを話します。
【無痛分娩ブログ】鉗子分娩と吸引分娩の傷跡~リスクを知ろう~プロローグ
出産方法は、無痛分娩。
意識もあって「自分でいきんで出産できる」というから、無痛分娩を選択したのに、感覚麻痺の状態でした。
鉗子分娩・吸引分娩となりました。
無痛分娩の麻酔が多すぎた結果
麻酔なんてしない普通の状態でも、いきむのは大変なのに、いきめるワケがありません。麻酔量が多くて、下半身の感覚がないのですから。
聞こえてくる赤ちゃんの心拍数が、だんだんゆっくりになってきました。
無知ながらに、「このままじゃダメだ」と思いました。
それからは、必死のいきみ。
私には、この出産が終わったら、子宮全摘手術が待っている。失敗するわけにはいかない!
自分が力を入れている感覚も分かりませんが、今までの人生の経験で分かり得る「力を入れる」という方法を必死に試みました。
お腹に力を入れる感じ、やってみる、でも感覚がないから、力が入っているのか分からない。
とにかく、お腹に力を入れてみる。
鉗子と吸引カップが登場
助産師さん一人が、私のお腹の上に、馬乗りになってお腹を力いっぱい押している。
それが非常に苦しくて痛いけど、それよりとにかく、赤ちゃんを外に出さなければ。
力が入っているか分からないけど、「んー!!!!」ととにかく頑張っていたら、「そう!それ!その調子!」と馬乗りの助産師さんが叫びました。
あ、これでいいんんだ!
と分かってからは、感覚ないけど「んー!!」という感じを繰り返し、繰り返し、息を吸っては繰り返し。
「だめだ、吸引!」(産科医師)
登場したのは、吸引カップ。(この時点では、理解していない)
なんだ?吸入?引っ張るってことか。
「かんし、かんし!かんしもいる」(産科医師)
登場したのは、鉗子。(この時点では、理解していない)
なんだ?かんしって?
吸引分娩とは
吸引分娩とは、丸い大きなカップを使って、赤ちゃんの頭を当ててカップの内側を真空状態にし、吸引力で引き出す分娩方法です。
吸引力が限界に達すると、カップは外れてしまうため、比較的安全とも言えます。
でも今回は、とにかく牽引力がもっと必要でした。
吸引だけでは足りない場合に、鉗子分娩に移行するようです。
鉗子分娩とは
鉗子分娩とは、ハサミのような形の金属ヘラを使って、赤ちゃんの頭をつかみ、外に引き出す分娩方法です。
母親もタイミングを合わせていきむのがポイントなのに、私は、感覚麻痺でうまくいきめない。
何がどうなったのか、無感覚で分かりませんでした。
男の子を出産!右目周辺に鉗子の傷
赤ちゃんの泣き声が聞こえた時は、涙しか出ませんでした。
男の子が産声をあげました。
産まれてきてくれて、ありがとう。
顔の右側の半分、右目の周辺に、鉗子の傷跡が痛々しく、くっきり付いていました。
鉗子の傷跡(4日後)
赤ちゃんのケガは、治るのがとても早いです。
あんなに大きかった傷跡から、赤みは消えました。
鉗子の傷は、4日後には、すっかり、かさぶたになっていました。
鉗子の傷跡(1週間後)
出産から1週間後。
鉗子の傷は、かさぶたが取れて、治ってきました。
まだ小さなかさぶたが残っています。
鉗子の傷跡(1か月後)
出産から1か月後。
目を開けることが増えてきましたが、鉗子の傷は影響なさそうです。
かさぶたが全部取れて、言わなければ、目にキズがあった事にも気が付かないレベルになりました。
鉗子の傷跡(1年後)
出産から1年後。
粉ミルクを経ち、完全母乳に移行した事で、産まれてからずっとガサガサだった肌が、スベスベになりました。
※乳アレルギーです。
鉗子の傷跡は、まったくありません。
完全に治りました。
吸引分娩・鉗子分娩の見えない傷跡
吸引分娩・鉗子分娩で産まれた息子が、1歳の誕生日を迎えました。
鉗子分娩の傷跡が、息子に残らなかったのは幸いです。
無痛分娩に失敗し、産道が開いた状態で放置され、吸引分娩・鉗子分娩に至った影響は、母体である私に残りました。
切開部の痛み(約1週間)
鉗子によって、会陰が大きく切開されて、かなり痛みます。
無痛分娩の麻酔が効いている間は、痛みも感じず平気です。
出産翌日から、痛くて、椅子に座ることができません。
産後数日間の入院で豪華な食事を堪能する時も、お尻(会陰部)が痛くて痛くて、食事に集中できませんでした。
赤ちゃんに、母乳をあげる練習や、粉ミルクをあげる時も、お尻(会陰部)が痛くて痛くて、クッションの上にお尻を半分だけ乗せて、半分は空気椅子で頑張りました。
同じ鉗子分娩でも、計画的に人工的に切開してから鉗子を使えば、切り口もキレイで、その後の痛みも酷くないらしいです。
私のように、急きょ、しかも一刻を争う状態で鉗子が使われると、意図して切開されたわけではなく、会陰部が裂ける状態になります。
そうなると、縫合した後も、痛みが酷いです。
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産後の便秘(約1週間)
「切開部の痛み」からくる影響なのかもしれません。
産前まで、1日1回は必ず排便する「快便状態」だったのに、出産後は1週間、ウンチが出ませんでした。
出そうになっても、踏ん張れないのです。切開部が痛いから。
出産から1週間後、病院(肛門科)に行きました。
そこで分かった事。
ウンチが数日出ない → ウンチが硬くなる → 硬くなったウンチが内側から切開部を圧迫する → 痛い → 踏ん張れない
の悪循環でした。
浣腸(液体の薬をお尻に入れる)によって、その場ですぐに排便できました。
お尻が痛くて座れない症状も和らぎました。
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産後の尿漏れ(一生)
出産した翌日から気が付いた、尿漏れ症状。
腹圧がかかると尿が漏れ、トイレで排尿中にオシッコを一時停止することができないのです。
あの出産によって、骨盤底筋が緩んでしまったからです。
骨盤底筋が緩むと、尿道口に力を入れてギュッと締めることができず、尿が漏れてしまうのです。
一般的には、骨盤底筋トレーニングを実施すれば改善すると言われていますが、「1年トレーニングして改善しなければ、もう治らないよ。」と医師にサラっと言われました。
確かに・・・出産から1年後、治らなかった。そして4年後、治っていない。
でも出産直後より1年後、2年後、3年後、4年後、、、と徐々に改善している気がします。
(尿漏れ対策は、別の機会に☆)
心の傷(一生)
吸引分娩・鉗子分娩に至った原因は、無痛分娩の麻酔ミスと放置時間にあると思っているから、医療体制や看護師への不信感がつのりました。
この看護師は、ちゃんと情報を引き継いでくれるか?
この医者は、ちゃんとカルテに記録したか?
この薬は、本当に必要なのか?
この薬の量は、本当にこれで良いのか?
私は色々な事情で、病院に行く機会が多いのですが、病院や医療を信じることができず、色々なことを神経質に気にするようになってしまいました。
傷跡から分かること
出産から2か月後、無事に、子宮全摘手術をしました。
39歳で子宮はなくなりました。
高齢でもあり、二度と出産することはないけれど、もしも全てがリセットされて出産できるなら?
- 自然分娩で挑む
- 無痛分娩なら、麻酔間隔と麻酔量を完全に理解し、麻酔が注入されるタイミングをちゃんと把握できる状態で挑む
この2択です。
それでたとえ、鉗子分娩になったとしても、自分の感覚を持っていきめるなら、それで良し。
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