息子は、4歳になった時点で、ウンチだけオムツでする子でした。
息子が、「発達に凹凸がある子」だと認識する前から、私はトイレトレーニングを急いでいませんでした。
しかし私は、ある日を境に、「ウンチだけオムツ」対策について本腰を入れたのです。
第2のトイトレ「ウンチトレーニング」を急がなかった理由
なぜ私が、ウンチトレーニングを急がなかったのか?
思い返せば、2つの理由があります。
1つは、第1のトイトレである「おしっこトレーニング」が、思いのほかスムーズにいったこと。保育園生活の中で、他のお友達に影響を受け、昼間の「おしっこ」はトイレで済ませるようになりました。
(※夜は未だオムツです。)
もう1つは、職場の共働きスーパーキャリアウーマン達の影響です。みな揃って「うちの子供も、ウンチだけオムツでしてたよ。」と言うではありませんか。
「なんだ、皆そうなのか」と、安心していました。
「ある日突然トイレでウンチ」を期待していた
オムツでウンチをする息子と過ごす私が、どんな心境だったのかと言うと、「ある日突然、トイレでウンチをするようになるだろう。」という気持ちでした。
信頼している先輩が、「うちの子は、ある日突然、トイレでしてみる!と言い出して、それ以来できるようになった。」と言っていたからです。
お友達のマネをして『お兄ちゃんパンツ』を履けるようになったように、ウンチも周囲のマネをして「トイレでする!」と言い出すに違いない…。
※『お兄ちゃんパンツ』=オムツじゃない普通のパンツ
私は、息子だってそのうち、”ある日突然”トイレでウンチができるようになるんだ!と本気で思っていました。
ウンチトレーニング序章:食卓で踏ん張るのはやめよう…
3歳後半。朝にウンチをする習慣が、まだ完全には身についていませんでした。子供がウンチしたくなるタイミングと言えば、食事中。
私が流石に「少し改善しないと」と思ったのは、やはり「食事中に踏ん張ってしまう」場面です。食事中に”その場”で中腰で踏ん張ってしまう、ダメでしょう?
自宅ではスルーして意識していなかったものの、外食先では大ピンチです。小さい子の言動に慣れていない人にとっては、尚さら大問題。夫の実家に帰省して、義母がイヤな表情を見せた時にも実感しました。
まず始めに、「踏ん張り場所」のトレーニングは必要だと思いました。
こだわりの強い子が「踏ん張り場所」を変えるのは超大変!
自宅での食事中。食卓のハイチェアに座っている状態から中腰になって、その場で踏ん張っていました。
まずやったのは、意識の刷り込み。
「ウンチは、トイレでするんだよ。」というセリフを言い続けました。
しかし当然、こだわりの強い発達に凹凸がある子が、すぐに実行できるわけがない。これは、行動を期待するのではなく、セリフとして根気強く言い続けて、意識に刷り込むことが目的です。
行動として目指すのは、「オムツでウンチ」で良いから、「中腰で踏ん張る」で良いから、トイレに行って踏ん張ることです。
これができない!
”こだわりが強い”というとイメージできないかもしれませんが、言わば「頑固」です。納得しない限り自分のルールを変えないし、急に何かを変えることは大の苦手なのです。
結果的に「踏ん張る場所」が、トイレになるまでは時間がかかりました。
ウンチトレーニングのステップ1は「踏ん張り場所」を新たに作る
「トイレでウーン!ってやろう」
「いやだ!」
一筋縄ではいかないから、新たな「踏ん張り場所」を自分で選んでもらうことにしました。流石に「食卓で(その場で)ウンチしちゃダメ」ということは、理解できたようです。
息子が、新たな「踏ん張り場所」として選んだのは、自分の本棚の前。
食事中か否かを問わず、ウンチしたくなると、自分で本棚の前まで行って、本棚に捕まり、中腰で踏ん張るようになりました。
「オムツでウンチ」ながら進めているトイレトレーニング、褒められると思ったら…
保育園から「専門機関で診てもらった方が良い」と指摘を受けて、行った先の発達支援センター。この時のカウンセリングで、息子のトイトレ事情(ウンチ事情)について話しました。

最後に、そう聞かれたからです。
この時、息子は4歳になってばかり。
ウンチの「踏ん張り場所」は、相変わらず「本棚の前」でしたが、中腰で踏ん張るのではなく、おまるに座って踏ん張る、第2形態くらい変わった進化形です。これでオムツを下ろして踏ん張れば、第3形態!
私は、この少しずつ進化させていくウンチトレーニングは、発達に凹凸がある子を理解した適切な方法であり、褒めらるべきものだと思っていました。
だから、ここまで少しずつ出来るようになったこと。ある日突然、近いうちに「トイレでするーぅ」と言ってくれると思っていること-。を伝えました。
息子が5歳になってからもずっと使っているのは、コンビの「おまる」です。踏み台にもなるから、長く使えます。(息子はグリーン)
「ウンチだけオムツ児」は発達凹凸「こだわりが強い子」に多い!と知る
すると、予想に反して、発達支援カウンセラーの表情は、曇ったのです。
トイレに対する嫌悪感やこだわり
- トイレの臭いがイヤ
- トイレは汚い所だからイヤ
- 便座に座ると、水が跳ねるからイヤ
- 便座が冷たいから、座るのがイヤ
- 便座が温かくても、水が跳ねなくても、便座の冷気が伝わるだけでイヤ
オムツに対する安心感やこだわり
- オムツがない開放感がイヤ
- オムツを脱ぐとスースーする感覚がイヤ
- オムツが無いのにウンチすること自体が不安でイヤ

と、教えてくれました。
「ウンチだけオムツ」の子は、こだわりが強い子に多いそうです。
些細な感触や感覚が、オムツへの強いこだわりに繋がってしまうからです。
発達に凹凸がある子に「ある日突然トイレでウンチ」を期待してはいけない理由
「発達に凹凸のある子は、ある日突然トイレでウンチできるようにはならない」と、断言されたわけではありません。
- こだわりが強い子でも、ある日突然、トイレでちゃんとウンチが出来るようになる子もいます。でも、ならない子もいるのです。
- もし、お子さんが後者(=突然できるようにならない子)だったら?
- 「ある日突然」を待つのではなく、少しずつで良いから、今すぐに変えていった方が良い。
と、言われました。
こだわりの強い子は、「このパターンじゃないとウンチできない。」になりがち。ウンチできるパターンに、こだわってからでは遅いのです。
「こだわりが強い子」のウンチトレーニングを進めるために
急にじゃなくていい。少しずつでいい。こだわってしまう前に、少しずつ変えていく。
・ おまるに座ったままでいい。おまるはトイレに置いておく。
・ オムツを履いたままでいい。大きい便座に座ってみる。
そんな感じで進めていく。
本人が何かにこだわる前に。
少しずつ導いて、少しずつ「あるべき」に持って行く。ゆっくり待つのではなく、今すぐに「少しずつ」。これが、重要なのだと分かりました。
この時、結果的に、良かったと実感したことがあります。
それは、息子の特徴からして「トイレが汚い」というニュアンスの言葉を伝えてしまうと、「トイレは汚いから行きたくない。」と言い出すに違いないと思って、ずっと前から「言い方」を気を付けていたことです。
-トイレのどこかを触ってしまった時、「うわっ、汚い!」と言いそうになるのをグっと堪える。「触っちゃったから手を洗おうね~。」と、問題視していない雰囲気を醸し出す。
-トイレの床に座っちゃった時、「うわ!ダメ!」と叱りそうになるのをグっと堪える。「うおーおーおー。ここに座っていいのかな~?」と、平然を装って立ち上がらせる。
-ウンチが手に付いてしまった時、「ギャ!洗って!!」と叫びそうになるのをグっと耐える。「ウンチにはね、ダイチョウキンが隠れているから、触らないようにするんだ。ダイチョウキンが手について、手のダイチョウキンが顔やお口やオモチャについて、全部ダイチョウキンになっちゃうから。」と、わざと具体的に話す。
2018年10月現在。もうすぐ、5歳。
あれから、約8ケ月が経過しました。「トイレを汚がる」潔癖症の症状は出ていません。
カウンセラーのアドバイスを聞いた日から、1年も経っていませんが、「オムツでウンチ」は卒業しました。
「あ、ウンチでる!」と、必ず事前予告は入るものの、今ではしっかり、トイレでウンチをしています。