息子は、小麦・乳・ゴマ・クルミの食物アレルギーです。
今回は、「ごま0.1g」の経口負荷試験(食べる検査)を受けて来ました。
ピーナッツ経口負荷試験の失敗を活かし、準備したこと。
ピーナッツ経口負荷試験の「失敗」から、約7か月。
久しぶりの食物アレルギー経口負荷試験でした。
ピーナッツ経口負荷試験では、
・息子が”かなり警戒した状態”でのスタートだった。
・「食べない」ことに対して、私の平静が足りず、必死に急かす態度をとった。
・ただでさえ幼児には食べにくいナッツ類。砕いたピーナッツが食べにくいのは当然なのに、食べる手段を「病院がくれるジャム」任せにした。
という、大きな反省点がありました。
そこで今回は、この教訓を活かすことにしました。
何も誤魔化さない事前説明。どこで何をやるのか完全にイメージできた状態にする。
私と息子がいつも一緒に見ているカレンダーに、「ごまテスト」と書き込みました。
経口負荷試験の予約がとれてすぐに書き込み、1ヶ月くらい前から「この日は、ゴマを食べる検査の日」と教えました。
どこで?どれくらい?痒くならない?ゲボでない?ピーナッツと同じ味?
カレンダー上で「ごまテスト」の日が目に付く度に、質問攻めでした。息子の不安の現れです。
どの質問も、一切誤魔化さず、真面目に回答しました。
今までの経口負荷試験以上に具体的に説明。どこで何をやるのか、どんなふうに過ごすのか、息子が完全にイメージできている状態にしました。
少しの”楽しみ”とゴマを口にできなくても怒られない安心感を事前に与える。
もしも、ピーナッツ負荷試験の時のように、どうしても嫌になって食べられなくなったら?
頑張って病院に行けたんだから、お母さんは怒らない。
お昼になったら、”病院の給食”が出るから、一緒に食べよう。
”病院の給食”まで時間がたくさんあるから、お絵かきセットを持って行こう。
ゴマは嫌かもしれないけど、お母さんと一緒に食べる給食、一緒に書くお絵かき、という楽しみをイメージしてもらいました。
「ゴマを食べるのは不安」という気持ちには共感した上で、安心感を与えることに努めました。
ゴマと一緒に食べる”食品”を持参!どうやって食べるのか予め教えておく。
食べにくい検査対象(アレルゲンの食物)に、混ぜて食べることができるように、病院では個舗装のジャムとスプーンを提供してくれます。
でも、スプーンにジャムを乗せて、そこに砕いたナッツ類を混ぜたところで、子供にとっては食べにくい。2つの全く異なる味が混ざることで「気持ち悪さ倍増」になることも。
砕いたピーナッツとジャムを混ぜた様子を思い出すと、ジャムに”ゴマ”を混ぜたところで、同じように怪訝そうな表情をするだろう、と想像できました。
今回は、ゴマと一緒に食べる”食品”を持参しました。
しかも、「これにゴマ入れて食べよう」と、事前に見せて、本人が納得した状態にしました。
経口免疫療法のための負荷試験は、20分毎に3ステップ!
食物アレルギー経口負荷試験には、
- 初めて食べるアレルゲンに対して、アレルギー症状が出るのか試す検査
- 既にアレルギーが判明しているアレルゲンに対して、どれくらいの量までだったら食べられるのかを探る検査
があります。
息子が受ける、今回の「ごま経口負荷試験」は後者。
ゴマを食べる検査で、入院経験があります。
既に、「ごま2.5g」を食べてアナフィラキシーショック症状を起こした経験があります。
今回は「どれくらいの量までだったら安全に食べられるのか」を探ります。
食物アレルギーがあっても、安全に食べられる量が分かっているなら、経口免疫療法を始めることができます。
「ごま経口免疫療法」が始められるか?
それを探ることが、今回の目的でもあります。
ゴマ経口免疫療法のためのゴマ経口負荷試験は、全部で3ステップ。
20分ごとに、すりごまを0.1g→0.2g→0.3gと計3回。
全部で0.6gを食べる、という基本計画です。
※検査の進行中、本人の様子や体調によって変わります。
「ごま0.1g」ってどれくらい?
ところで、「ごま0.1g」ってどれくらい?
という素朴な疑問が浮かびます。
病院で計量されて登場した「ごま0.1g」を見た時の第一印象は、「けっこう多い!」です。
自宅で「ごま0.1g」を計量したのが、上の写真。小さじ1/2の計量スプーンに、1/3くらいすくった量が、だいたい0.1gでした。
※後日、保育園で「ごま0.1gって、何粒ですか?」と聞かれました。これには答えられなかったので、時間がある時に実験&レポートします!
ミニカップゼリーを持参!「ごま0.1g」の食べ方
私が「ごま経口負荷試験」のために持参したのは・・・ミニカップゼリーです。
「いつも食べているゼリーならOK」ということで、病院の許可をとってあります。
ゴマを食べる時だけでなく、口直しに食べることも想定して、10個くらい持って行きました。(これが大正解な結果となります。)
ゴマとゼリーを混ぜだけではいけません。
と、息子が言う通り、ゴマは香りがすごいです。
混ぜただけでは、ゴマの姿が丸見えで、香りも消えません。
そこで、ミニゼリーの上方を小さなスプーンでくり抜き、穴を開けます。
その穴に、「ごま0.1g」を投入。
最後にしっかり”ゼリー蓋”をして、出来上がり。
これを一口で、口に放り込み、噛んだらすぐに飲み込みました。
最初は、ミニカップゼリーの上方をカットして、ゴマを入れた後に、上部を戻す、というやり方をしました。
これだとハンバーガーのハンバーグ状態になった「ゴマ」が、サイドからはみ出します。
穴を開けて穴を埋める戦法が、一番「ゴマを閉じ込める」ことができました。
「ごま0.1g」経口負荷試験の様子・経緯
それでは、そんな努力を背景に、肝心な「ごま0.1g経口負荷試験」はどうだったのか?
検査の経緯と結果は、以下の通り。
【1回目】
10:07頃 すりごま 0.1g を食べる。
10:20頃 異常なし
10:37頃 体調変化なし
1回目摂取から20分が経過。
「2回目を食べよう」というところで、本人が「イヤだ」と言い出す。
今までの事情を知っている主治医が、「2回目は、増やさずに0.1gでいきましょう」と提案。
本来の基本計画では、2回目は倍の量の「ごま0.2g」の摂取だが、1回目と同量の「ごま0.1g」で実施することに決定。
という、主治医からの説明で、私も理解。
「ごま0.1g」×2回 を食べることで、「ごま0.1g」が本当に大丈夫かどうかを確認します。
更に0.1gの負荷をかけることで、本当に「ごま0.1g」が大丈夫か。閾値が「ごま0.1g」で安全か。これを確証するための検査となりました。
息子本人も、
・あと1回だけ
・さっき食べたのと同じ量
・食べるのは、この量が大丈夫か知るため。
・お母さんのためではなく自分のため。先生のためでもない、自分のため。
という説明され、納得・・・というか、覚悟した様子。
【2回目】
10:57頃 すりごま 0.1g を食べる。
11:07頃 異常なし
11:20頃 皮膚状態チェック、異常なし
11:30頃 異常なし
11:40頃 異常なし
11:50頃 異常なし
12:10頃 昼食
ここで、事前に説明していた”病院の給食”が提供。
イメージ通り、お母さん(=私)と一緒に食べられたことで、息子も満足気でした。
ごま0.1g経口負荷試験の結果…経口免疫療法へ!
15:00頃、主治医の評価。
結果・・・
「ごま0.1g」を摂取して問題ない。
という判断になりました。
嬉しい。疲れた。
息子が、不安を抱えながらも勇気を出して食べた!ことがスゴイです。
「食べたらダメ」だと教えられているアレルゲンをあえて口にするということが、どんなに怖いか。
食べたくない、マズイ、臭いが嫌だ、などなど色々な想いに加えて、「怖い」という想いもあるはずなのに、「あえて食べる」ことができた息子を褒めたいです。
この日は、合計「ごま0.2g」を摂取しました。
次の日から、「ごま0.1g」の経口免疫療法が始まります!
既に経口免疫療法を行っている他のアレルゲン「小麦・乳」よりも、その香りゆえに「ゴマ」は辛い!!ゴマを警戒する5歳児に「ゴマを毎日食べてもらう」というのが大変!!・・・という奮闘ぶりは、別記事でご紹介します。