あと1年と迫った就学に向けて、初めてのピーナッツ(落花生)経口負荷試験に挑みました。
アナフィラキシーショック疑いのあるピーナッツ経口負荷試験は「入院」で対応
息子は、クルミアレルギー経口負荷試験でもアナフィラキシーショック症状が出ていることから、ナッツの経口負荷試験を「外来」対応で実施するのは危険と判断されています。
今回のピーナッツアレルギー経口負荷試験は、日帰り入院での対応です。
病室に行く前の外来処置内容
外来受付と入院手続きを済ませます。
外来の患者さんと混ざって、検温・体重測定・血圧測定・内診を行います。
入院病棟から来たお迎えの看護師さんに着いて行き、入院病棟へ。
ピーナッツ経口負荷試験の方法
砕いたピーナッツを使用します。
食べるアレルゲンを持参するパターンと、病院で用意してくれるパターンがあります。今回のピーナッツは、病院側が用意してくれました。
【今回のピーナッツ経口負荷試験の進め方】
20分毎に、0.1g・0.2g・0.5g・1g・2gと段階的に食べていきます。
合計5回、全3.8gで検査します。
アレルギー反応が出た時点、もしくは規定量まで食べられた時点で、検査は終了です。その後、運動負荷をかけるか否かを判断され、運動負荷試験が実施される場合もあります。
経口負荷試験前に相談したこと
0.1g→0.2g→0.5gと進んで行く間隔は20分。経口負荷試験中の20分って、あっという間です。
即時型の場合、20分でアレルギー症状は出始めますが、自分の症状や感覚をうまく言葉で伝えられない子供が「少しの異変」を訴えるのは、20分は無理!
「なんか、かゆい…」と言い出しても、もう一度聞くと「もう治った」「もうかゆくない」と言う。そこで20分は経っているから、次の摂取にいってしまう。そして一気にアナフィラキシーショック!
となるパターンは、経験からも確率100%、目に見えているので、事前に相談しました。
「ナッツの場合は、消化に時間がかかると思うし、最初の20分をもう少し空けて、様子を見てもらえませんか?」と。
- クルミとピーナッツは分類も違う、まったく異なる食べ物だから、クルミがダメだったからという理由で、ピーナツを警戒する必要はない。
- 基本は規定通り(20分おきに)進めていく。途中で症状を見ながら、「もう少し様子をみましょう」「進めてみましょう」など進め方は調整していく。
という回答でした。
承諾してサインしないと進めないため、ここでサイン。
ピーナッツ経口負荷をかける(食べる)前に”塗る”!
経皮感作によるアレルギー発症のメカニズムが、解明されてきた現在。
経口負荷試験を実施する「食べ物」が皮膚に付着して、皮膚症状が出るのを防ぎます。
食べる前に「プロペト」を塗る
これが必須です。
アレルゲン(ピーナッツ)が出来るだけ直接つかないように、プロペト(白色ワセリンを精製した物)を口周りに塗りました。
*プロペトを口周りに塗ること自体をかなり嫌がります。ここで「イヤイヤの連鎖」が始まります。「プロペト塗りを慣らす」が次回までの課題です。
経口負荷試験1回目:ピーナッツ0.1g・・・
9:30頃。
スプーンに乗せられた、砕いたピーナッツ「0.1g」が、運ばれてきました。
ここからが試練!
クルミ経口負荷試験の記憶がまだ新しい、「クルミ=ゲボが出る」と覚えている警戒心の強い息子は、口に入れようとする気配なし!
ピーナッツを嫌がること、1時間半が経過
スプーンにリンゴジャムを垂らして、一緒に口に運ぼうと試みるも、嫌がって食べてくれません。
- ピーナッツの練習をしにいく日だよ
- 小学校の給食に、ピーナッツを入れていいかダメか分からないと、小学校に行けないから、確認しに行くんだよ
あれほど何日も前から言い聞かせ、病院に到着するまではスムーズだったのに、口に入れることができない。
「もう無理やり口に入れて実施するような年齢じゃないし、無理矢理やる方法は上手くいかない。」と先生にも教わっていたから、口を押さえつけて放り込むこともできず、途方に暮れました。
そして、1時間半が経過。
時刻は、11:00を迎えようとしていました。
ピーナッツ0.1gの上にグミ2粒を乗せて食べる!
10:55頃、砕いたピーナッツ「0.1g」をなんとか口の中へ!
病院で用意されているリンゴジャムと持参したグミを2粒、ピーナッツと共にスプーンに乗せてパクッと食べました。
食べた後は「濡れたふきん」で口周りを拭きとる
経口負荷5回分の「お口ふき」を予め渡されているので、1枚目を使って拭きふき。口周りに付いたアレルゲンをキレイにするため、口周りを拭きとります。
「美味しくなかった。」
と言い続けるうちに、次の「0.2g」を食べるまでの20分はあっという間にやってくるー。
ピーナッツ経口負荷試験、打ち切り
ピーナッツ「0.1g」をやっと食べたところなのに、「0.2g」をすぐに食べるわけがありません。
嫌がるうちに、30分、1時間、すぐに経過。
同じ病室で、魚介類の経口負荷試験を行っていた小学生の女の子は、既に5回の摂取が終了。運ばれてきた昼食を食べ始めていました。
病院側の予定もあるので、昼食を挟んで再開することはできません。
「0.2gを食べて終わりにするか、0.2gも食べないで終わりにするか」の2択を迫られることに。
自分でそう言って、自分で決めたのに、トイレから戻って来ても、イヤイヤ状態。先生からもう一度、2択を迫られると・・・
の答えでした。
ジ・エンド。
ピーナッツ負荷試験は失敗
「ゲボこわい」「ピーナッツ、こわい」を言い続けて、ずっと嫌がって食べなかった息子(5歳前半)。
後から思えば、理解できるのだけど…。
その場では、食べず進められないイライラ、ピーナッツアレルギー有無が判明しない不安、発達凸凹児を連れて大雨の中ここまで来た苦労、自分の子だけ(いつも)スムーズにいかない自分の無力感・・・
いろいろ募り、思わず私がこらえきれず。
息子をトイレに連れていくため、病室を出た時、ずっと我慢していた涙が堪えきれず、溢れました。
敏感な息子はすぐに気が付き、トイレに到着すると自分が泣き出した。
泣きながら「トイレから戻ったら食べる」ことを訴えてきました。
”だから、お母さん、泣かないで。”と思わせてしまったことも、情けない。
・・・トイレから戻っても、結局食べられなかったのは、前述の通りです。
主治医からもそう言われ、”先に進まない感”が嫌いな私は、気分も最悪。
大失敗(大失態)のピーナッツ経口負荷試験でした。