小学校入学。食物アレルギーがある子は、アレルギーが無い子に比べると必要な就学準備がたくさんあります。
幼稚園の年長さん、保育園の5歳児クラス(一番上のクラス)になると、小学校入学まで(長くて)あと1年。
今回はこの就学前の約1年間で、アレルギーっ子(と保護者)が何をすれば良いか、就学に向けて何を準備すれば良いのか整理しました。
アレルギーの白黒(有無・レベル・症状)を明確にする
就学前までに、アレルギーの白黒を明確にする!
息子のアレルギー科主治医は、「アレルギーを白黒はっきりさせる」という表現を使っていました。
白黒はっきりさせるとは?つまり、食物アレルギー特定原材料7品目、食物アレルギー特定原材料に準ずるもの21品目を始め、学校給食に使用される可能性がある食材について、アレルギー有無とそのレベルを明確にすることです。
学校給食のアレルギー対応関連書類には、アレルギーを持つ食材・主なアレルギー症状・現在のアレルギー対応・エピペンの所持に至るまで記入する必要があるため、これらの情報を事前に把握する必要があります。
これらのアレルギー対応関連の書類について、すぐに書き始められる状態にしておくためには、その子のアレルギー基本情報(つまり最低でも該当アレルゲンと症状レベル)を明確にしておきましょう。
そう言っておきながら実は、小学校入学・就学まであと1年を切った時、息子には「白黒はっきりしていない」食材がありました。
たくさん種類があるナッツ類、1つ1つのアレルギー有無が未確定だったのです。経口負荷試験が未実施のナッツ類が複数ありました。
実際には、その状態で小学校入学を迎えました。
※そんな時はどうするか、以降に続きます。
未確定アレルギーの検査方法や計画を立てる!
アレルゲン食材・アレルギー有無・アレルギーレベルを明確にするためには、「食べたらどうなるか」を検査する必要があります。いわゆる経口負荷試験ですね。
血液検査だけでアレルギークラスを把握することはできますが、既にアレルギー症状を認めていたり、アレルゲン食材と同等クラスが他のアレルゲンでも検知されたり、そういう懸念要素がある子は警戒対象です。
学校給食に向けて、血液検査の数値だけではなく「実際に食べてどうなるか」知っておく必要があります。
アレルギー症状が出る恐れがある場合は、初めての食材(特にアレルギー特定原材料等28品目)を食べる時、自宅で「食べて試す」のは極めて危険なので、主治医から病院での経口負荷試験を勧められます。
一度でも食物アナフィラキシーショック症状を経験している場合、経口負荷試験を受けるのに日帰り入院対応になる場合もあり、事前計画が大切です。
どんな方法でアレルギー検査をするのか、真面目に考える必要があります。
★血液検査だけで良しとするか
★経口負荷試験で白黒はっきりさせるか
★かかりつけ小児科で検査可能か
★アレルギー科のある病院で検査するか
★外来で検査可能か、日帰り入院で対応か
等々、検討します。
実際には、小学校入学まで1年を切るタイミングでこれを読んでいるということは、既に確定したアレルギーがあるのだとお察しします。
きっと、各アレルゲンの可能摂取量(上限・閾値)が不明、もしくは他にもアレルギーがあるかどうか心配…という方が多いと思うので、今から計画を立てれば良いと思います。
息子の場合は、就学時点で未実施の経口負荷試験がありましたが、アレルギー検査について今後の進め方に見通しが立っていれば大丈夫でした。
アレルゲンごとに初回の経口負荷試験を済ませる
食物アレルギー経口負荷試験では、アレルギー有無だけでなく摂取量ごとの症状なども判明します。
小学校入学前にアレルゲンを特定し、各アレルゲンごとに初回の経口負荷試験を済ませておくと、症状や対処方法なども明確になり、学校給食のアレルギー対応を検討しやすくなります。
そうと分かれば、経口負荷試験の予約を急げ!…と先走りたくなりますが、私は早く検査したい気持ちと予定通りいかない実態との狭間で失敗しました。
経口負荷試験は期間を要する諸事情が満載なので、各アレルゲンに優先度を付けて、優先度が高いアレルゲンについて経口負荷試験を済ませておくと良いと思います!
★経口負荷試験を実施するのに時間がかかる理由は、上のブログ記事にまとめました。
入学前にアレルギー検査が終わらない時は「予定」だけキープ
数種類のアレルゲンについて経口負荷試験を実施すると、数カ月を要する可能性が高いのは上のリンク記事の通りですが、次の経口負荷試験との間隔を空ければ、数カ月・半年・1年…とかかってきます。
就学まで約1年、経口負荷試験が未実施のアレルゲンがある場合、残りの経口負荷試験の予約を開始したいタイミングです。
だけど、実際に経口負荷試験で失敗や中止中断も経験しましたし、計画通りに進まないことが多いです。
そんな時は、学校給食のアレルギー対応関連書類の書き方を工夫すれば大丈夫でした。
小学校に提出するアレルギー対応関連書類には、「備考」や「その他」などの自由記述欄があります。記述欄がない場合は「余白」を利用します。
ここに、「〇〇アレルギーの可能性あり」「〇〇アレルギー経口負荷試験は就学後に予定」など、特別な事情や今後の検査予定を書くことができます。
その書類を使って給食関係者と打ち合わせ(面談)があるので、詳細を直接相談することができます。
つまり、
◎可能な限り、各アレルギーの初回経口負荷試験を済ませる
◎就学までに間に合わない場合は、検査の計画・予定をたてておく
◎アレルギー関係書類に、現在の状況を漏れなく記入する
…という対処方法で大丈夫でした。
ただし、検査結果・アレルギー症状が未確定で、その子に曖昧なアレルゲンがある場合、それが給食に出る日は「お弁当」持参になる覚悟は必要です!
学校給食の食物アレルギー対応を知る
私が衝撃を受けたのは、学校給食の食物アレルギー対応ガイドラインを読んだ時です。
代替対応をしてくれた保育園給食が、恵まれていたのだと実感しました。
小学校の給食は対象人数も多く、児童の多種多様なアレルゲンに対して、1つ1つ「除去対応」「代替対応」するのには限界があることを知りました。
ガイドラインを読むまでは、「乳成分が含まれている加工品(ハム・かまぼこ等)が出た時は、給食室で取り除くのかしら?」なんて除去対応ありきで心配していました。
ガイドラインを読んでからは、一人一人の除去対応・代替食対応なんて無理で、つまりほぼ毎日「代替弁当」を持参しなければならない、と分かりました。
最近は、教育委員会の給食担当課で、食物アレルギー対応ガイドラインが用意されていて、HPでダウンロードできる地域も多いです。
子供が通う小学校給食において、どんなガイドライン(基本方針)があるのか、どんなアレルギー対応をしているのか、事前に把握しておくことをお勧めします。
基本方針を知った上で、その後の書類提出や面談をこなすことができるし、ガイドラインを理解した上で実際のアレルギー対応はどうなのか?と相談することができます。
学校給食アレルギー対応の不明点洗い出し、関係者との連携準備
保育園入園の時と同様に、給食アレルギー対応の「全て」を把握する必要があります。
- 献立のチェック方法とタイミング
- 配膳されるもの、お弁当で持参するもの、を本人が見分ける方法
- 〃 それを学校側と連携する方法
- お弁当の置き場所
- 牛乳の代わりになる水筒(飲料)について
- 学校生活中のエピペンの管理方法
- 給食当番
- 牛乳パックのリサイクル作業
- 食品パッケージを使う授業
など、いくつか挙げただけでも、確認事項が盛りだくさんです。
不明点を洗い出し、アレルギー対応面談で確認できる準備をしておきます。
確認事項が漏れていても、入学後に小出しで確認することができるのだ大丈夫ですが、挙げた確認事項を誰に聞けば良いのか?どうやって小学校側と連携していくか?など検討開始です。
秋(11月頃)になると、就学・入学説明会が順次開催されます。そこでアレルギー関連資料を入手したり、簡単な説明を受けたりして新たに判明することもあるので、まずは不明点「洗い出し」というところですね!
※確認事項・質問事項については、アレルギー対応の「面談」ブログ記事に載せました。
食物アレルギーに関する提出書類の種類・記入項目を知る
最近は、書類フォーマットが限定されていても、HPからダウンロードできるパターンが多いため、あちこち行ったり来たりする回数は減りました。
ただ、病院指定のフォーマット以外は書いてくれない医療機関や、持参したフォーマットでは書けないと拒否する医師など、スムーズに行かない「壁」にぶち当たる場合があります。
また、必要書類に記入する内容が未確定・未確認で書けなかったり、選択肢から選べない状況だったりする場合があります。
・食物アレルギーに関する証明書を小学校に提出することが分かったら、できるだけ早く、用紙(フォーマット)を入手する。
・「このフォーマットに書いてもらえるか?」をアレルギー主治医に、早い段階で確認する。
・提出書類の種類、記入項目を把握する。
この3つは、早い段階で押さえておくと良いと思います。
息子が入学する年は「学校ごとにバラバラだったフォーマット」が統一化され、このフォーマットに卒園する保育園も合わせたりして、地域全体として食物アレルギーに関する提出書類が統一される傾向が見られました。
その結果、地域のアレルギー科の主治医も、「このフォーマットなら書く・書ける」という雰囲気がありました。
アレルギー関連書類を取り巻く状況は、年々改善している気がします。全てのアレルギーっ子が、安心して就学・進学できますように!
実際に準備・提出したアレルギー関連書類については、別記事でまとめました。
学校給食でのアレルギー事故は未然に防ぐ!親として色々勉強中です。
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