息子が3歳の時、シェーン英会話スクールに入学しました。
続けようともがけばもがくほど「息子には合わない」と感じるようになり、結果的に約半年ほどで退学することになります。
英会話教室のメリット(良いところ)に該当する部分が、息子の性格や特性には合わないどころか逆効果で、むしろデメリット化していたのです。
楽しい無料体験レッスン「英会話やりたい!」だったのに…
シェーン英会話に入学する時、私は息子を無理やり連れて行ったわけではなく、無料体験レッスンで様子を見て、本人の「やってみたい」という気持ちを汲み取って始めました。
しかし、無料体験レッスンの翌週から正式にレッスンが始まると、この第1回目から苦難の連続でした。
不安が強くて”初めて”が苦手。なぜ無料体験レッスンできた?
英会話のレッスンで、何がダメで何が大変だったのか?詳しくは次項以降でご紹介しますが…
そもそもなぜ、無料体験レッスンは大丈夫だったのか?という疑問が沸きます。
不安が強くて”初めて”が苦手な息子が、英会話レッスンを嫌がることは想定内。だから無料体験レッスンで様子を見たのに、なぜ!?
思い返すと、
・キッズルームに遊びに行くような感覚だった
・初めて見る英語のレッスンは、ただの遊び(歌/ゲーム/ダンス等)に見えた
・興奮状態で高いテンションによって、目先の「楽しい」しか見えなかった
のだと思います。
落ち着いた気持ちで、改めて教室に来た時、そこはまだ幼い息子にとっては苦手の塊で、不安だらけの環境だと分かりました。
日本語が通じない環境が、母子分離不安に拍車をかける
当時、息子は3歳。母子分離不安の傾向がピークで、母親(=私)と離れることがとても苦手でした。
2~3年後なら「ここで待っているから大丈夫」「終わったら迎えに来るから大丈夫」という言い聞かせが通じる場面でも、この頃は不安が勝ると私の傍を離れませんでした。
無料体験レッスンでは不安よりも「楽しみ・嬉しい・やってみたい」の気持ちが勝り、息子のテンションを上げたかもしれませんが、通常レッスンの日は違いました。
英会話レッスンの日は「不安」な気持ちが一番で、私と離れて教室に入るのは難しい状況。
もしも保育園や日本語を話す先生だったら、息子が理解できる言葉で安心させたり、教室に導いたりできたかもしれない。
だけど、ここはネイティブティーチャーを売りにしている、シェーン英会話。
不安でビクビクしている3歳児に対して、ネイティブ先生が大声で「Come with me!」「Come on!!」と言っても通じないし効果ないし、余計に怖がっていました。
日本語が通じない環境で、息子を安心させてあげることができませんでした。
※因みに、ネイティブが強い口調で「Come on!」と言う時は、早くしてよ!とイライラしている気持ちが含まれている場合があります。
保護者から教室の様子が見える=レッスン中にお母さんが見える
息子が通ったシェーン英会話スクールは、教室の壁の上部半分がガラス張りで、保護者が教室の外からレッスン中の様子を見ることができました。
逆に言うと、教室の中にいる息子から、教室の外にいる私の姿が見える状態です。
不安を乗り越え、なんとか教室に入っても、ガラス越し・ドア越しに私が見えるため、教室から出ようとしたり、(日本語で)「あっちに行く」と言って泣いたりしました。
そんな時は、他の生徒さんに迷惑がかかるので、すぐに退室。レッスンは受けさせられませんでした。
私がロビーに隠れたり居ないふりをしたりして、なんとかレッスンを受けた日もありましたが、教室の中が見えるのはメリットのはずなのに、デメリットにしか感じなくなりました。
幼児コースは少人数制だからこそ、メンバーに影響を受ける
無料体験レッスンを一緒に受けて、同じタイミングで入学したお友達がいました。
お友達もママっ子で、お母さんと離れて教室に入るのを嫌がり、レッスン前によく泣いていました。
お友達と息子、二人揃って気を取り直し、二人で教室に向かってくれる時は良いのですが…。
そうこう言いなだめて苦労して息子がやっと教室に入ったのに、そのお友達がお母さんに抱き着いて教室の外で泣いていると、その姿に影響されてしまうのです!
泣いているお友達を見て、息子も泣きながら、教室から出てきてしまいました。
せっかく我慢して、やっと一人で教室に入って行けたとしても、お友達が教室の外でお母さんに甘えていると、自分も「お母さんと一緒にいる」と言って、教室から出て来てしまうのです。
互いの泣き声やグズリは、互いに不安を煽り、互いにマイナスです。
シェーン英会話の幼児コースは少人数制だからこそ、メンバーに影響を受けました。
※因みに、このお友達は、少人数制レッスンからプライベートレッスンのクラスに転向し、お母さんと一緒にレッスンを受ける配慮をしてもらえました。
毎回突然やり方を変える個別支援(愚図り対応)が噛み合わない
シェーン英会話の幼児コースは、年少前後の小さい子向けのレッスンなので、ある程度は子供の愚図りや渋りに慣れていて、日本人の事務員が毎回一緒に対応してくれました。
息子は、不安の強さが人百倍くらいありますが、理解できる言葉で説明して納得できた時には、それにきちんと従う子です。
この2つが噛み合わなかった…。
息子が事務員に「説明されて覚えたこと」が、次回は違って混乱する…ということが続いたのです。
例えば。
前回は、「お母さんも一緒に教室に入って、教室の中で見ててもらおう。楽しむことが目的だから。」と言われ、私は教室の片隅に座ってレッスンを見学しました。
この日レッスンを受けられたことを褒め、翌週も行く気になってくれて、「一緒に教室に入るから大丈夫だよ。」と事前説明して教室に行くと、今回は突然「お母さんは入口でバイバイだから。」と言われてしまうのです。
毎回突然やり方が変わる個別支援(≒愚図り対応)が、全く息子に合いませんでした。
ネイティブ講師と事務担当の意見が合わず混乱
行ってみないと分からない受講方法(保護者の待機方法)は、息子にとってだけでなく私にとっても不安でした。
今日は教室の中で見学するのか、ロビーで待たされるのか、入口で別れて外で待つのか。
不安が強い子には、事前に先行きや予定を説明してあげたいのですが、当日行くまで分からないとなると説明するのも難しいです。
行ってみて想定外の待機方法を言われると、私も混乱しました。
背景には、ネイティブ講師と事務担当者が話し合ってくれていたことにあります。
保護者と日本語で上手く話せないネイティブ講師に代わり、日本人の事務担当職員が相談役になってくれるのはメリットのはずでした。
しかし、ネイティブ講師と事務担当者の意見が合わない時は、ネイティブ講師のやり方が優先されました。
その結果、私も息子も混乱し続けました。
敏感・繊細な子はびっくり! 突然の大きな声や手を叩く音
息子は不安がある時や集中している時に、突然聞こえる大きな声や音が苦手で敏感です。(聴覚過敏の傾向)
英会話のレッスンでは、突然の大きな声や手を叩く音がたくさんありました。
デスクワークで集中して塗り絵をしていると、大柄の男性ネイティブ講師が大きな声で、突然手をパンッと大きく鳴らし、突然「OK!」と叫ぶ。
カードゲームに集中していると、突然パンパンっと手を叩き、英語で叫ぶ。
幼児コースではそんな感じで、ストップ&ネクストの意味合いを兼ねながら進みます。
大きな声や音の合図で行動を切り替えていくわけですが、息子のようなタイプの子にとっては落ち着かず「びっくり」の連続でした。
理由が分かず納得できないままプレイする
先ほど少し触れた通り、息子は物事の理由を説明されれば、理屈を理解して素直に行動できます。
これは逆に言うと、ワケも分からずただ「やれ」と言われたことは、理由が気になって結果が心配ですぐに行動に移せません。
シェーン英会話では、「本人が納得できないまま、やるしかない」という状況が多々ありました。
本来はこれが「体で覚える」というか「やりながら覚える」というか、幼児英会話の醍醐味かもしれませんが…
子供の質問が通じない!(日本語だから…)
例えば、私がレッスン見学中に、本当にあった出来事。上の写真は、その時の象さんです。
色を英語で覚えながらワークするアクティビティでは、象さんをピンクで塗るように指示されました。
しかし、息子はなぜピンクなのか分からない。
息子は英語で質問ができないので「なんでグレーじゃないの?」と日本語で質問しました。
しかし、ネイティブ講師は(当然?)答えず、「ピン!ピン!」(Pink!Pink!)と言うだけ。
象さんとピンク色のクレヨンを交互に指差しながら、ネイティブ発音で「ピンク」と言われるだけでした。
もしも、英語で「Why not gray?」と質問することができたなら、状況は違ったのかもしれません。
何かユニークな答えが聞けたかもしれないし、そういう会話こそ「英会話」ですよね。
だけど、当時3歳の息子は英語で質問もできないし、理由も分からず指示された色でぬり絵ワークをするのは、息子にとって苦痛でした。
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気持ちの切り替え必至!楽しんでいたのにSTOP!NEXT!
不安を乗り越え、言われた通りにワークをする。息子は教室に入れた時は、とっても頑張っていました。
だけど、行動の切替えが極度に苦手な子には、更なる試練が!
幼児コースのレッスンでは、色当てクイズやカード取りゲームなど、子供たちが飽きないように次々と色々なアクティビティが登場します。
集中し始めたところで、一声の合図でストップ、切り替える、次へ!
…という感じで、アクティビティが5分刻みくらいで目まぐるしく変わりました。
気持ちと行動を切り替える場面が多く、1つの事にずっと集中したいタイプの子にとっては慌ただしい雰囲気が辛かったと思います。
行動の切り替えが激しい!デスクワーク←→フロアワーク!
公式パンフレット掲載のレッスンイメージのように、ずっと机が出ている状態で、立ったり座ったりだけだったら良かったのかもしれません。
息子が通ったシェーン英会話スクールのキッズクラスは、基本は机も椅子もない床だけのフロリーングの状態でした。
アクティビティに合わせて、途中で折り畳み式の机を広げ、椅子を出してデスクワークになります。
そして、すぐに机と椅子を片付けて、またフロアワーク。
という感じで、目まぐるしく教室内の状態が変わりました。
行動の切り替えが苦手な3歳の子が、ワークを切り替えるだけでなく椅子を片付けたり移動したりするのは大変です。
英語云々ではなく、活動をこなすのが目的みたくなっていました。
英会話スクールのメリットがデメリットになり逆効果
このように、本来は英会話教室としてメリットになる部分が、不安が強くて色々苦手な子にとっては、逆にデメリットのようになってしまいました。
結果的に約半年間レッスンに通えたのは、スクール側が対策を模索してくれたこともあります。
しかし、上記の通り「模索しながら毎回何かを変えていく」という方法は、行く度に何か「新しいこと」や「前回と違うこと」が起こるということ。
結局、息子にとって「苦手なこと」でした。
キッズ向け英会話ならではの、
・テンポの良さ
・大きな声での単発音
・飽きないように次から次へと授業内容を切り替える
等々、英会話スクールの良い所が、息子にとっては逆効果となりました。
親子共々、本来の「英語」じゃないところで、疲弊するこの状況は何か違う…と思ったのです。
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