英会話スクールを辞めてから習い事がゼロになり、まもなくのこと。ひょんなことから、公文を始めました!
英会話がダメだった一番の理由は「お母さんと一緒じゃないから」だったのに、公文は長続きしています。
息子のように発達が気になる子でも、通い続けられる習い事の理由を探ってみました。
英会話は半年足らずで辞めたが、公文は5年目で継続中
息子が3歳の時に始めた英会話スクールは、半年足らずで辞めました。
不安が強くて母子分離不安、気持ちや行動の切替が苦手、突然の大きな音や声に敏感、理由も分からず強要されても(不安で)動けない…
耳が良くて聴き取るのは得意、記憶力は良くて一度理解したことは忘れない、記憶量もすごくて難しい単語を覚えるのも得意…
そんな特性がある息子は、ご覧の通り発達が凸凹で、できること(得意)できないこと(苦手)の差が大きいです。
英会話を辞めてから、暫く習い事は無理かと思いましたが、息子でも続けられる「公文」に出会いました。
4歳から始めた公文は、現在5年目。今後も、このまま続けられそうです。
公文式学習の特徴「一人ひとりに合わせて」がマッチ
公文は、他の塾やスクール形式の習い事と違い、簡単に言うと「一人でただ黙々とプリントを進める」という学習法です。
”教室通い”がない日も毎日毎日、宿題プリントをこなせるかどうかが鍵となります。
息子も例外ではなく、宿題を嫌がる・プリントが進まない・それを見ている親の方がイライラしてくる…という壁にぶつかって来ました。(今でも、毎日が工夫続き)
公文式は、現在の年齢や学年に関係なく、
「公文式の特徴」https://www.kumon.ne.jp/about-kumon/method/index.html
一人ひとりの能力に応じた、
らくにできるところから学習を始めます。
だけど、なんだかんだ大変でも、公文式学習の「一人ひとりに合わせて」という特徴の通り、息子のような子にも合わせやすいんだと思います。
そんな公文の特徴について、発達が気になる子の観点から見ていきましょう。
音に敏感(聴覚過敏)でも過ごせる教室の雰囲気
当然ですが、公文の教室には、英会話のような賑やかさはありません。
一方で、塾のように先生が大きな声で説明している訳でもなく、学校のようにザワザワしている訳でもない。
聞こえるのは、学習に関する最小限の会話だけで、その音量もとても静かです。
公文の教室は、びっくりする音や声が突然聞こえることもなく、雰囲気も不安要素が少ないので、息子の聴覚も過敏にならずに済んでいます。
入室から退室まで、一連の流れがワンパターン
公文は、入室から退室まで、一連の流れがワンパターンです。
習い始めの頃に、入室してから何をどうするのか先生にヒアリングしました。
●公文の教室での行動(流れ)
入室 → 上着や水筒をハンガーにかける → 自分のファイルを持つ → バーコード読み取り(入室合図) → 先生の机に行く → 宿題提出・本日やること確認 → 着席 → 学習開始 → 先生の机に行く → プリント返却・音読など → バーコード読み取り(退室合図)→ 待機(迎えを待つ)
毎回同じで、何をすれば良いのかパターン化できるので、事前に息子に説明することができました。
学習が終わってから親が迎えに来るまでの間は、待機場所で絵本を読んで待ちます。
こういう環境が、息子の安心感に繋がり、習い始めの一番不安な時期を乗り越えることができたのだと思います。
教材進級時のテスト実施日や、コロナ禍で手洗い&アルコール消毒など、「いつもと違うこと」もありますが、予定は先生が事前に教えてくれるので、行く前に息子に伝えることができています。
気持ちと行動の切り替えが苦手でも、一度座ったら移動がなく集中できる
スタンダップ!シッダウン!
…と、突然大声で促されて、あちこち移動する英会話スクール(幼児コース)と違い、公文は幼児教材でも席に座って机上学習です。
習い始めた頃は「年中クラス」だったので、目の前に先生がいる席に座りました。
小学生は分からないことを聞きに席を立ちますが、幼児は目の前に先生がいる席なので、分からない時や進まない時はその場ですぐに教えてくれました。
基本的には、一度着席して学習を始めたら、終わるまで座席の移動はありません。
※息子が通う教室では、算数の幼児教材の段階で「数字板」の練習があり、この時だけ専用の席へ行き、数字板トレーニングが終わってから戻ってくる、という移動がありました。
一度座って学習を始めたら、そこで集中すれば良いので、気持ちと行動の切替が苦手な息子でも適応できています。
一度座ったら、ずっとそこに居られる安心感があります。
見通しが立たないことが不安な子も、最初に全量が分かるから安心
予告されていないこと、見通しが立たないこと、途中で変更が入ってコロコロ変わること、等が極度に苦手。
警戒心が強く、「これからの予定」が分からないと不安が増強されて、なかなか先に進めない子にとっては、予め「これからやること」が見える化されていることが重要です。
逆に言うと、予告されることで事前に全量が分かっていれば、スムーズにやりこなす能力を持っています。
公文は、最初に自分のファイルを手に取り、先生の所に持って行くと、”今日やるプリント”を引き抜いて、その全量を机に置いてくれます。
1科目10枚のプリントが通例で、算数と国語の2教科なら、1度に20枚。幼児クラスの子は、疲れたり集中力がなくなったり体調に応じて、プリントを減らすこともあります。
これが最初に分かるから、息子にとってはとりかかりやすく、安心です。
早く終わったからと言って、後付けで量を追加されることもありません。
否定的な対応に反発するタイプでも「できた」が満載で肯定感アップ
息子は、否定的な表現に対して極端に反発します。
発達障害の特徴なのか、同じことを伝えるにしても、言い方によって全然反応が違います。
「ダメ」「できない」という表現は、癇癪の事前阻止のため、私にとっては禁句に近いです。
公文は、否定的とは無縁な”肯定感”が満載です。子どもにとって「できた!」がいっぱいあるのです。
年中クラス4歳児とはいえ、1科目10枚のプリントを続けてやるには、体力が要ります。疲れてスムーズに進まない時は、枚数を減らす調整をしてくれます。
枚数を減らしたからと言って、出来なかったページを残され、「出来なかった感」を感じることもありません。
「疲れているから今日は〇〇枚だけ」と決めた時点で、もうやらないページ以降をピリっと外して片付けます。
目の前に残った、「今日やる分」を”やり切っておしまい”にするから、「一応全部やった」感を持って、学習を終了することができます。
たとえ本来10枚のところを5枚で終わらせた時であっても、息子は「あー、終わったー!」と達成感に満ちた感じです。
「強いこだわり」を持つ子も適応中!皆と同じKUMONグッズ
なんとか続けた2週間の無料体験学習の後に、待っていたのが、楽しみにしていた『KUMONバッグ』です。
街や教室で、KUMONNバッグを持っているお友達を見るたびに、なぜ自分にはバッグがないのか?の質問攻めでした。
「4回(=2週間)頑張ったら、好きな形のバッグがもらえるよ-。」
そう説明して、4回をカウントダウンしながら頑張って、ようやくゲットした公文オリジナルバッグ。自ら進んで背負い、このバッグ姿で、得意気に歩いています。
合わずに辞めた「シェーン英会話」の時にも、オリジナルリュックがありました。英会話の教室が合わなくても、みんなと同じリュックは気に入っていたっけ。
そして公文には、教室に通う生徒たちが自慢気に教えてくる、オリジナル商品がたくさんあります。
使いやすくて、みんなと同じ。くもん鉛筆、くもん鉛筆削り、くもん鉛筆サポート。どれも息子のこだわりにヒットしているようです。
「母子分離不安」でも大丈夫!?お母さんが室外にいても安心できる先生と雰囲気
私から見れば、ドア1枚で「外と教室」を隔てられた公文の教室よりも、ガラス越しの待合いロビーにいる親が見える英会話の教室の方が、明らかに「近くにいる感」があると感じます。
それなのに、公文では、私がいったん帰宅して、ガラスのドア越しに私の姿が見えなくなっても、息子は大丈夫になりました。
英会話では、目の前の待合いロビーにいても、教室から出たがって大変だったというのに!
私と離れてドアの向こうに行けなかったのは、時期的なものであり、もしかすると今なら大丈夫なのか?
それとも、やはり英会話の雰囲気は、発達凸凹な子にとって苦手で不安だらけな特徴があり、今でも教室に入れないのだろうか?
真相は分かりませんが、母子分離不安からくる症状は、他の不安要素が大きく依存していると考えています。
私が見えなくなっても、「お母さんがいない間」を乗り越えるだけの安心感が、公文にはあるのだと思います。
「お母さんがいない時」に、耐えられないような不安要素がない環境なのでしょう。
先生の協力あってこそ!発達凸凹でも公文を続けられるのはなぜ?
なんだかんだ言っても、1番大きいのは、息子自身が成長したのかもしれません。それは、公文の宿題をこなす姿を見ると、とても感じることです。
そして忘れてはいけないのが、公文の教室側・先生たちの協力体制です。
オーナーの先生が立て続けに変わるというハプニングに、数回直面しながらも、変化が苦手なASDの子が、同じ教室に通い続けられる理由とは?
これを考えると、やはり先生たちの協力のおかげと言うしかありません。
その背景には、やはり「共有」があります。
定期面談だけでなく、先生が変わる度に面談を申し込み、息子の特徴を伝え、理解を得て、協力して頂く。公文通いは、これで成り立っています。
今考えれば、シェーン英会話の時は、息子の特徴に対する共有は足りなかったし、ネイティブの先生を相手に共有することも限界がありました。
たとえ共有したところで、1対多のスクールである以上、教え方に変更はないし、英会話という教室自体が、個人の”能力に合わせる”方針はあったとしても、”特性に合わせる”という方針では成り立たないところ。英会話の場合は、マンツーマン・レッスンなら望みがあるのかな。
公文の先生たちが、私の共有に対し、どのように応えてくれているのか?
それは、「公文を続けられる理由」として、改めてまとめたいと思います。
初めての鉛筆にお勧め!くもん出版の「こどもえんぴつ」。Amazonでは名入れ無料サービスもあるようです。
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