保育園生活最後の夏に、保育園で「お泊り保育」がありました。
息子はクラスにただ一人の食物アレルギーっ子で、当然ながら食事の心配がありました。
今回は、「お泊り保育」の食物アレルギー対応についてまとめます。
お泊り保育の日は、いつもの「昼食・おやつ」+ 夕食・朝食付き
息子が通ったお泊り保育は1泊2日ですが、1日目は平日でした。
だからお泊り保育での食事は、通常保育の「給食」と「おやつ」に加えて、1日目の夕食と2日目の朝食を頂くことになります。
お泊り保育の食事メニューは「献立表」に載っていない!
保育園給食の献立表は、アレルギー対応内容をチェックするため、毎月事前に確認していました。
しかし、「お泊り保育」当日の献立表には、お泊り保育としての食事メニューは載っていません。
通常保育の後に、お泊り保育へと突入するのは5歳児クラスだけで、0歳児~4歳児クラスの子供達は普段通りなので、給食の献立表にはいつも通り「昼食」と「おやつ」のメニューだけが掲載されていました。
お泊り保育の食事内容とアレルギー対応について確認する
アレルギー児の保護者は、いつもの給食献立チェックだけでなく、お泊り保育の食事(夕食・朝食のメニュー)について確認する必要があります。
◆調理担当者に確認すること
・お泊り保育の夕食メニューの内容
・お泊り保育の朝食メニューの内容
・上記食事メニューのアレルギー対応
・食材準備など、協力が必要なことはあるか
「カレー作り」のアレルギー対応どうする?
当初、お泊り保育で「カレー作りをする」と知った時、さてアレルギー対応をどうしよう?と考えました。
・アレっ子用にアレルギー対応のレトルトルゥを持参する
・野菜を切ったり鍋に入れたりは皆とやる
・食べる時に、白米だけもらって、持参したアレルギー対応ルゥをかける
という個別対応が現実的か。
この場合は、持参したレトルトルゥを温めてもらえるか、ご飯にルゥをかける場面はサポートしてもらえるか、等の確認が必要です。
あるいは、いつもの保育園給食のように、息子のカレーだけ調理場で「アレルギー対応カレーの王子様」を使って作ってもらえるのでしょうか。
お泊り保育の食事をアレルゲン不使用にした方法
ところが、連絡帳に挟んであったお手紙(調理士さんからの返事)には、「〇〇君のみ(アレルギー)代替え対応ではなく、クラス全員、同じものを提供します」と書いてありました。
お泊り保育の夕食は、クラス全員「同じカレールゥ」を使うことで、同じカレーを食べる。
朝食は、クラス全員「好きな具を選んだおにぎり」にすることで、同じものを食べる。
その他の副菜やデザートも、全て7大アレルゲン不使用。
こうすることで、お泊り保育の食事は、息子のアレルゲン不使用のメニューになりました。
※息子のアレルゲンは、小麦・乳・ゴマ・ナッツ類(クルミ、カシューナッツ)です。
「クラス全員同じメニュー」のメリットとは?
お泊り保育の食事では、みんなでカレー作りや配膳を行うので、一人だけ特別対応があると「気を付けなければいけないこと」が多くなります。
調理さんは混入、先生は配膳、居合わせる大人はミス防止に気を配り、本人も「自分が食べられるもの」かどうか緊張と心配、親も誤食なく食べられたかずっと不安、…皆が大変です。
その上、誤食や何かあった時には、楽しい思い出が一転、皆にも迷惑がかかってしまう。
園も先生も保護者も本人も全員が大変な思いをしてしまう「代替/除去の準備」や「食物アレルギー事故」が避けられる。
息子のアレルゲン不使用の「クラス全員、同じメニュー」には、そんなメリットが詰まっているなと思いました。
「クラス全員同じメニュー」実現の背景は?
「アレルギーに配慮した食品」は通常商品に比べて仕入れ価格が高く、それを全員分発注してメニュー化してくれた栄養管理士さん・調理担当さん。
それを許可してくれた園長先生。
思い出のイベントで、他のお友達と一緒にテーブルを囲める配慮を優先してくれた先生たち。
メリットの一方で、デメリットや背景を知っているからこそ、涙が出るほどの感謝でした。
【実例】お泊り保育「夕食」の献立メニュー
それでは、実際の「お泊り保育の夕食メニュー」(献立)をご紹介します。
チキンカレー
アレルギー対応ルーを使用。
※アレルギー特定原材料等27品目不使用「カレーの王子様」
レタスとキュウリのサラダ
マヨネーズを使用。
※クラスに卵アレルギー児はいないため、普通のマヨネーズです。
いちごゼリー
「ゼリーエース」を使用。
トッピングは、豆乳クリーム・缶詰みかん・缶詰パイン
ゼリーに添える生クリームは、乳製品ではなく「豆乳クリーム」をホイップでした。
【実例】お泊り保育「朝食」の献立メニュー
続いて、「お泊り保育」の朝食メニュー(献立)をご紹介します。
おにぎり
以下の4種類から好きなものを選び、自分でにぎります。
・鮭フレーク(ニッスイ焼き鮭 あらほぐし)
・ツナマヨ(ツナ缶+マヨネーズ)
・おかか(かつお節+しょうゆ+砂糖)
・塩
ウインナー
みんなの食卓「 ポークウィニー皮なし」を使用
※7大アレルゲン不使用
スイカ
朝食前の「スイカ割り」で使ったスイカをカットします。
食育プログラム「ラッシー作り」はアレルギー代替対応
因みに、お泊り保育の1日目の日中は、通常保育タイム。
この時、食育プログラム「ラッシー作り」がありました。
三大栄養素について学んだ後、自分たちでラッシーを作って飲みます。
「ラッシー作り」は乳製品の代表格であるヨーグルトが使われるため、この時ばかりはアレルギー対応となりました。
※息子は乳アレルギー
みんなは「ブルガリアヨーグルト」、息子は「豆乳グルト」を使って代替えです。
息子は、「豆乳グルト+ジュース+はちみつ」でラッシーを作ることに。
・三大栄養素について説明を受ける → 皆と一緒
・ラッシー作り~実食(実飲)まで → 皆とは別のテーブルで、先生と一緒
という状況でした。
お泊り保育アレルギー対応まとめ
「お泊り保育」の食事は、保育園側の配慮によって、アレルギー児がみんなと一緒に、クラス全員同じものを食べることができました。
普段の給食では、みんなから少し離れた「お誕生日席」で食べています。
お泊り保育では、特別席ではなく普通に、お友達の隣りで初めて食べることができました。
2~3時間おきにweb上に公開された”お泊り保育中”の写真には、皆と同じカレーライスを笑顔で食べる息子が写っていました。
得意の変顔を披露しながら嬉しそうに食べている姿を見て、アレルギーっ子の楽しい食事の思い出は、食の準備に関わる全ての人の協力があって成り立っているんだなぁ~と感じました。
保育園/幼稚園のお泊り保育において、今回の事例が「食事内容」や「アレルギー対応」として少しでも参考になれば幸いです。
食物アレルギーっ子も皆と同じ、楽しい食の思い出作りができますように!
お泊り保育の夕食で使用されたのは、エスビー食品の「カレーの王子さま」、アレルギー特定原材料等28品目が不使用です。
※原材料は、必ずご自身でご確認下さい。
うわあ!うれしいですね!
読んでたら涙が滲んできました。
息子さん、よかったですね。
>レオさん
ありがとうございます。
とても楽しかったようで、私も嬉しかったです。