息子は、とても不安が強い子です。
ここ3年くらいかけて、息子の不安に対する対処方法が分かってきました。
今回は、息子の不安症を和らげる効果があった方法について、一部ですがご紹介します。
目次
発達障害とか関係ない!不安が強い子はたくさんいる
発達障害とか自閉症スペクトラムとか、診断されたかグレーゾーンか等の括りは関係なく、不安が強い子供はたくさんいます。
そういう子が、もしも溢れる不安を誰にも理解されずに、過ごしにくさ感じているのもツライし、そのことでご家族が悩んでいるのもツライです。
ここで最初に言っておこうと思ったのは、不安が強い子の対処に悩んでいるからと言って、その子の診断有無や診断名は必ずしも重要ではなくて、「不安が強い」ために生じている”困りごと”に目を向けること、まずは対処していくことが優先ということです。
「不安が強い」という特性は事実なのだから、不安を和らげてあげることに注力したいです。
息子への対処方法が、少しでも参考になればと思い、まとめます。
原因探しは後回し!不安な気持ちに優先すべきは…
不安が強い子供は、すぐ泣くし、すぐ挙動不審になるし、外出を嫌がるし、質問攻めしてくるし、親にとっても大変です。
息子が3歳くらいの頃、私はその「すぐ泣く」「外に行きたがらない」「答えを聞いたって分からないのに質問攻め」等のパターン行動に対して、対処法よりも原因に着目して、失敗していました。
例えば、本人も楽しみにしていた公園遊びのはずなのに、いざ行こうとすると嫌がる、わざと準備を急がずにモタモタします。
そんな時、私は「なぜだろう?」と原因ばかり考えていました。
だんだんイライラして、おしまいには「行きたくないの!?」と、怒鳴っていました。
原因ばかり考えると、正確な答えに行き着けるワケはないので、理解できないことにイライラが募ります。
更に子供のグズグズした態度が、そのイライラに拍車をかけ、悪循環です。
原因探しは後回し。
不安を和らげる対処に注力すれば、原因は後から自ずと分かるものです。
たとえ不安の原因が分からなくても、その不安に共感してから、「大丈夫だよ」という声掛けをすると、こちらの話を聞くモードへと雰囲気を傾けることができました。
「大丈夫だよ」は親の意見。根拠を添えれば効果的
なぜ公園に行きたがらないのか分からなくても、とりあえず「今から家を出るの、ちょっと不安だよね。」と共感しておく。
「今は心配だけど、遊び始めると楽しくなるから、大丈夫だよ。」と、私自身の意見として伝える。
本当に大丈夫かどうかは未来の事なので分からないけど、今の自分が「大丈夫」と思っている事をしっかり伝える。
なぜ大丈夫だと思っているのか、その根拠を添えてれば、より効果的です。
根気よく続けていると、息子の方から「大丈夫なんだよね?」と私に聞いてくるようになりました。
「大丈夫?大丈夫かな?楽しくなるから大丈夫なんだよね?」と、こちらが言う前に、念押ししてくる感じ。
私の「大丈夫だよ」という返事を、待っている感じもします。
実際には、事は単純ではなく、やりとりは延々と続くことが多いですが、対処の基本は、共感と安心感のツーステップ、そしてその繰り返しです。
不安で落ち着かない時、
・「大丈夫だよ」と言ってもらいたい
・「大丈夫だ」と知りたい
・「大丈夫だ」と思う根拠(理由)を知りたい
という気持ちがあるんだな、と思いました。
すぐに常に仮定する!「もしも…だったらどうしよう」と想像して不安に陥る
不安が強い息子は、とにかく、いつでも、「もしも○○だったら、どうしよう」「もし、○○って言われたら、どうしよう」と不安気なことを言います。
勝手に想像して、仮定して、不安を投げかけてきます。
もともと”先行き不安”なことに対しては、余計に不安がるので、前もって予定や計画を説明しておくことは必至です。
だけど、予定も計画もない、息子の想像の世界が手強いです。
想像し過ぎ。現実には起こらないかもしれない出来事に対して、仮定を繰り返します。
明日、転んだらどうしよう。
先生がダメって言ったら、どうしよう。
お母さんが、(約束の)お菓子を買い忘れたらどうしよう。
いつだって、「もしも」の話なのです。
息子は自分で、「もしも○○だったら」と想像し過ぎて不安になり、仮定し過ぎて不安になり、自分だけでは答えが見えないから不安に陥っています。
どんな仮定にも回答!もしもの時の言動が想像できると落ち着き、安心感を得る
私が心掛けているのは、とにかく答える、「息子を主語にした言動」を答える、です。
息子の「もしも」の質問に対して、”息子自身がどうすれば良いのか”を答えます。
息子の仮定に対して、息子がとるべき言動を答えます。

私:「バカっていう人がバカなんだ!」って言い返せば、大丈夫だよ。
<息子の思考>
もしも「バカ」と言われたら、僕は「バカって言う人がバカなんだ」と言えばいい。

私:「どこを見て、”できていない”って言ってるの?」って聞けば、大丈夫だよ。
<息子の思考>
もしも「できていない」と言われたら、僕は「どこ見て言っているの」と言えばいい。

私: もし叩かれたら、先生に言えばいいよ。
<息子の思考>
もしT君に叩かれたら、僕は先生に言えばいい。
そういう感じで、不安な「もしも」の時に、息子自身が何をするのか想像できるように答えます。
とにかく、どんな仮定にも、”答え”を作っておきます。
息子が自分で作った「もしも」の時に、息子自身がどうすれば良いのか。
もしもの時に備えて、”答え”を用意してあげます。
そうすると、自分の言動が想像できて、安心感につながるようです。
「そんなこと」扱いはNG!「知らないよ」は禁句!
上記の例の「どうしよう?」は、序の口です。
実際には、家庭や集団生活で起こり得る「もしも」だけではなく、発生確率1%未満の「もしも」を勝手に心配して、強く不安がることがあります。



※「カエンタケ」…赤い猛毒きのこ
そんな、息子一人が心配しなくても良いこと、今考えなくても良いことでも、「どうしよう、どうしよう」と、”それなりの答え”が見つかるまで、ずっと心配しています。
そんな時でも、絶対に答えます!
流さず、意見を言うことが、近道です。
流石に、これ系の「もしも」に対して、息子を主語にした”言動”をアドバイスできません。
この場合は、自分が知り得る知識と簡潔な表現を使って、「今このタイミングで、あなた一人が心配しなくても大丈夫」である”理由”を答えています。
絶対NGだと直感しているのは、「知らないよ!」「そんなこと!」とあしらったり、流したりすること。
心配し過ぎだとはいえ、心配している気持ちは事実だからです。
それを否定したり、「そんなこと」扱いしたりしてはいけないと思います。
大人だって、真面目に考えて発言したことに対して、「そんなこと知らないよ」とあしらわれたら、嫌な気持ちですよね。
逆に言えば、子供の気持ちを大切にして、真摯に考えた答えを返し続ければ、なんだか満足した気分に傾いてくれて、不安も和らぐのではないでしょうか。
実際、息子の不安は、その時々のやり取りで、だいぶ和らいでいます。
「○○だから大丈夫」という安心感で〆る
最後に「○○だから、大丈夫だよ」で〆てあげるのも、大切です。
不安や心配ごとに対して、不安や心配が残ったままだと、なかなか次の行動に移せません。
今やって欲しい事と関係のない、余計な不安事について「どうしよう、どうしよう」と言っている時でも、返事を曖昧にすると、本人はずっと気になって、次の行動でも愚図愚図します。
「○○だから、大丈夫だよ」という内容に納得すると、次の行動に導くのがスムーズでした。
子供の見たこと感じたこと興味を普段からキャッチ!予測や心構えに役立つ
実は、突拍子もない不安、突拍子もない息子の「どうしよう?」は、突拍子もないように見えて、身近なものだったりします。
息子が見たこと興味あることを把握していると、自然に関する「どうしよう?」は、最近読んだ図鑑や、印象強かった動画の影響を受けていることが分かります。
子供が普段から何に興味を持っているのか、何を見たのか、何に驚いていたのかを知っておくと、不安が強い子供の「どうしよう?」に答える時にも役立ちます。
親が常にアンテナを張り巡らせ、情報をキャッチしておくと、次に子供が何を不安に思うのか、何を聞いてくるのか予測できて、下調べや心構えができますよ。
息子の具体的な「どうしよう?」は、各ブログ記事のエピソードでも登場するので、注目してみて下さいね。