子供の寝起き問題。息子は保育園に行くのを嫌がり、起床からとても手がかかりました。
その日のスタートでもある「起床」からして、私にとっては大きな山場で、息子は目を覚ますと第一声が「保育園イヤだ!」でした。
そんな息子の朝一の癇癪が次第に軽減し、起床がスムーズになってきた時の工夫と方法を振り返ります。
起床は「行動と気持ちの切替え」が必要…
朝の「起床」は、大人でもなかなか起きるスイッチが入らず、グズグズしてしまうものですよね。
息子は「行動と気持ちの切替え」がとても苦手なので、起床が苦手なのは理解できるのですが・・・その切り替えの悪さは凄まじいものでした。
息子の起床タイムは、親としても大きな山場。
目を覚ますと同時に、「ほいくえん、いく?いかない?」と聞いてきて、「行くよ。今日は〇曜日だから保育園」と答えようとして…
「行くよ。今日は…」くらいまでを言った所から、朝一番の癇癪タイムの始まり。
目をギュッと瞑って、顔をグシャグシャな表情にして、足をジタバタさせて、当たったら肋骨が折れそうな強力な空中キックで宙をこぐ。「イヤだイヤだ!」の大癇癪でした。
「寝てる」から「起きる」への切り替えタイムだし、スムーズに行くわけは無いのは分かっていますが、毎日毎日これが続くと流石にグッタリ疲れました。
「起きたら保育園」だと分かるからこそ起きない!(3歳~4歳頃)
息子の行動の切り替えの悪さは、ある意味「賢さ」も相まった状態だと思います。
次の予定を理解しているからこそ、次の行動に移らない傾向がありました。
次の準備が終われば嫌なことに近づく、急げば次は嫌なことだ、これが終われば嫌な所へ向かうだけ!…と小さいながらに理解していました。
だからなかなか、次の行動に移らない。
もちろん起床時も例外ではなく、目覚めると「起きたら今日が始まる」「起きたら保育園」とすぐに理解して、同時に「行きたくない」という感情が沸き上がり、イヤだイヤだとパニック状態でした。
実はこれは、前日の夜・寝る前から始まっていて、「明日になったら保育園」「寝たら明日がくる」「眠るのは嫌だ」という発想にも繋がっていて、息子がなかなか寝ない原因の1つでもありました。
当然、寝るのが遅くなれば朝も起き辛くなるわけで、全てが悪い方向に連動。朝一番の癇癪に繋がっていました。
視覚優位なら”寝起き癇癪”は「声掛け」だけじゃダメ!?
療育施設を見学した時に指摘されたこともあるのですが、息子は視覚優位な特性があります。
言葉だけでなく目で見て覚えた記憶が強かったり、ジェスチャーや絵に描いて説明した方が理解度が良かったりと、それは普段の様子からも分かりました。
前述の通り毎日、息子の”寝起き癇癪”に悩む中、普段の癇癪対応や行動の導きでは絵やジェスチャーを多用しているのに対し、息子を起こす時だけは言葉だけじゃん!と気が付き始めました。
朝起きたての脳に、言葉だけで起きろ起きろと伝えても(日中以上に)効き目がないのでは!?
目覚めてばかりの息子に、「朝だよ起きて」と声掛けだけしても伝わるわけがない!?
むしろ私の朝の声掛けは、息子の「保育園に行きたくない」という気持ちを煽っているだけ!?
…と思えてきました。
視覚支援をしよう!寝起きの思考の整理をサポート
そこで、寝起き癇癪の対応でも、視覚支援を取り入れることにしました。
寝起きは特に、「もう朝?」「今日は何曜日?」「保育園に行くの?」という沢山のハテナと、「行きたくない」という強い気持ちが、ごちゃ混ぜになって混乱しています。
息子の場合は、混乱すると癇癪&パニックに繋がるので、混乱する前に思考整理をサポートしようと思いました。
朝の視覚支援アイテムは『カレンダー』
用いたのは、ノートサイズのカレンダーです。
このカレンダーを使って「今日」を視覚から訴えて、朝の思考回路を整理するのに役立てます。
寝起きにカレンダーを目で見て、『今日』の場所を視覚から認識できれば、まずは「今日は平日?」「今日は保育園?」という疑問だらけで迷子になる思考をいったん繋ぎ止め、『今日はここ!』と教えたい。
保育園に行きたくない気持ちは別として、最終的には「今日は保育園なんだ」という事実(情報)を混乱する前にしっかり頭に入れたいと思いました。
名付けて『朝カレンダー』です。
朝カレンダーのタイプと工夫
「朝カレンダー」は、朝起きた時に目の前で見せながら使うので、枕元に持ってこられる卓上タイプや、ノートのようにパタンと折り畳めるタイプ(小さめの壁掛けカレンダー)が使いやすかったです。
手帳やスマホのカレンダーアプリ等でも代用できますが、寝起きに小さな画面や電子画面だと内容が頭に入ってこない懸念もあり、私は紙ベースのカレンダーを使いました。
とはいえ、お金も時間もかけずに、すぐに準備できるもので充分。
線引き(運筆)や数字の練習がてら、子供と一緒に画用紙にカレンダーを描いて、それを利用するアイデアもありました。
「今日」を伝える!朝カレンダーの使い方
朝カレンダーは、子供に「今日」がどこなのか視覚から認識してもらうところから始まります。
私が活用したのは、『きょう』という文字を書いたシールです。
このシールは、朝カレンダーの「今日」の日付に貼って使いました。
「今日」に貼るシールの工夫
今日貼って明日剥がしてまた貼って…と繰り返し使うシールは、マスキングテープが便利でした。
無地で白や淡色のマスキングテープは書いた文字が見やすく、視覚支援アイテム作りに重宝します。
私は100円ショップの工具売り場にあるマスキングテープ(養生テープ)を使っています。
文房具売り場にある可愛い柄テープより、長くてコスパが良く、無地なので使い勝手も良いですよ。
こだわり強い子には「いつも同じ」シールを使う
視覚優位なら、こだわりが強い子も多いと思うので、使用するシールについてちょっと補足します。
見慣れたモノやいつも使うものが変わった時に、余計な不安や疑問を感じる子もいます。
息子もそのタイプなので、変える必要がない時は「いつも同じ」である方がスムーズ。
朝は子供のこだわりに付き合う時間がないので、「どうして変わったのか」「前のモノはどうしたのか」など、本質以外の質問攻めは避けたいですよね。
今回の朝カレンダーで使う場合、「今日」を表すシールが無くなった時に「昨日のシールがいい!」「これじゃ嫌だ!」となる事態を避けるため、何度でも再現できる同じアイテムが便利(都合が良い)です。
そんな理由もあって、私は白いマスキングテープを使っていました。
※逆に珍しいものや可愛いものが好きな子もいますので、お子様の興味に合わせて下さいね。
寝起き癇癪前に「嫌でも今日は保育園」を視覚アピールする方法
朝カレンダーとシールを使って「今日は何日で平日です」と知らせたら、次の視覚アピールはずばり「保育園」です。
保育園の絵を使って、息子が混乱する前に「今日は保育園」だと認識してもらうことにしました。
子供が「自分の保育園」だと一目で分かることが重要なので、手書きでも写真でも良いと思います。
私は息子の保育園の特徴を盛り込んで、画用紙に手描きして切り抜きました。
ハガキやカード型タイプの用紙でも、使い勝手が良いかもしれません。
朝カレンダーで今日の位置が分かった時に続けて、「今日は保育園」という情報を寝起き癇癪前に思考整理できれば成功です。
朝の視覚支援(朝カレンダー、保育園の絵)の効果
朝。息子が朝の寝起き癇癪を起こす前に、朝カレンダーと「保育園の絵」を見せました。
初めて「保育園の絵」を見せた時、なんと息子は保育園の絵に対する修正点を指摘してきたのです。
朝起きた第一声が、「イヤだ!」でも「今日は何日?」でも「保育園行かない!」でもなく、絵に対する感想だったのです!
この後スムーズに起きるかどうかは別問題ですが・・・
とにかく第一声が「イヤだ!」じゃなかったのです。
これは大きな効果(第一歩)でした。
タイミングを見計らって工夫改善を繰り返す
「朝カレンダー」「今日シール」「保育園の絵」などの視覚支援アイテムが揃い、その効果が見える度に使い方を工夫&改善していきました。
これだけで寝起き癇癪がゼロになるわけではありませんが、軽減したり癇癪を起こしたりを繰り返しながら2年くらいかけて、全体的にはだいぶ収まりました。
ここからは、あの手この手で工夫した対策を1つずつ、振り返ります。
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