感覚に敏感な子、聴覚過敏がある子が、大きな音・特定の音が怖くて耳を塞ぐのは珍しくないですよね。
しかし息子の場合、大きな音じゃなくても、音がしなくても、耳を塞ぐ場面がありました。
今回は、ASDと聴覚過敏(特定の音を嫌がる・怖がる)の特徴をふまえながら、息子の「耳をふさぐ」行動について分析しました。
もともと音に敏感、大きな音にビックリしやすい
息子は赤ちゃんの頃から物音に敏感でした。
感覚の過敏さは産まれ持っていたのだと思います。
聴覚過敏の特性があると当然「音」に敏感で、大きな音がするとすぐビックリしていました。(今もだけど)
保育園でも…いつも耳を塞いでいる!
息子は幼少の時から「耳を塞ぐ姿」が目立ちました。
大きな音がした時、必ず耳を塞ぐ。
大きな音が鳴りそうな時、耳を塞ぐ。
その姿はあまりに頻繁で、先生が撮影する保育園写真には、息子の「耳を塞いだ姿」ばかり写っていました。
※途中から、耳を塞ぐ姿は激減しています。
「特定の音」を怖がる時は、精神的なショックが影響!
息子はもともと音に敏感なので、何かがうるさくて不快な時は、よく耳を塞いでいました。
しかし、全ての「大きな音」に対して毎回耳を塞ぐわけじゃないし、音が小さくても音がしなくても耳を塞ぐ時があるし、その怖がり具合にも差がありました。
そこで分かったのが、「特定の音」を怖がるパターン。
※詳しくは『風船の割れる音』と『ドアの音』のエピソードをご参照
これらを通じて、「特定の音」を怖がる時は、精神的なショックが大きく影響していると知りました。
耳を塞ぐのは「音が怖い」だけじゃない!
こうして、息子の「耳を塞ぐ」行動に注目していると、分かってきたことがあります。
それは、耳を塞ぐのは「音が怖い」とは限らない。ということ。
音が関係しなくても「怖い」という気持ち。
息子は、精神的に不安な時や、ちょっと怖い時にも耳を塞いでいたのです。
例えば息子が、耳を塞いでいたシーン。
・夫が暗闇に隠れて「わー!」と出て来そうな時
・テレビの出演者が怖がって「やだやだやだやだ」と連呼している時
・誰もいないはずの部屋で、何か物音がした時
「音」も絡んでいるシーンで、一見「音を嫌がっている」ように見えてしまうのですが、音自体を怖がっているわけでなく、ちょっと不安で怖い時に耳を塞いでいました。
耳を塞いでいるのは「不安な時」「怖い時」
息子が耳を塞いでいる時の気持ちがほぼ分かってから、耳を塞いでいるのは「不安な時」や(音の有無関係なく)「怖い時」なんだと見なしました。
そうすると私も、息子を安心させる行動に出るので、状況を説明したり怖くない理由を教えたりする場面が増えました。
結果的に、息子の不安を和らげ、安心感に繋がったと思います。
不安だから敏感になる、過敏さが増してうるさく感じる
それから教訓として知ったのは、今まで特別に感じなかった音が、何かをきっかけに「気になる音」「不快な音」になる得るということ。
息子の場合は、「ドアの音」や「風船が割れる音」がそうでした。
それらは、同じ音でも大丈夫な時もあればダメな時もあり、本人の精神状態が大きく影響。
いつもは大丈夫な音(音量)でも、不安な時はうるさく感じたり。音の原因が分かって不安が和らいでからはその音が気にならなくなったり。
もともと持っている過敏さが、不安な時には助長されて、耳を塞ぐ行為に繋がっていました。
敏感で不安が強い子が「耳を塞ぐ」ということ
子供が「耳を塞ぐ」姿を見ると、私たちはまず、音がうるさいのかな?騒がしいのかな?と心配しますよね。
不快な音を消そう、怖い音から遠ざけよう、嫌な音の場所に行くのをやめよう等々、耳に聞こえるものに対してゼロ対策しがちですが…。
息子の場合は、音の出る仕組みの理解や不安要素がなくなることで、音への過敏さが軽減したり「耳を塞ぐ」行為が減ったりしました。
息子のように不安が強いタイプは同じ傾向の可能性も!?
「耳を塞ぐのが気になる」と思った時に、その時の”音”だけに惑わされず、お子さんがその瞬間に抱えている「不安」について注目してみてはいかがでしょう。
敏感で不安が強い子の「不安」が、少しでも軽減しますように!
最近は、聴覚過敏対策としてイヤーマフを使用するお子さんも。場面に応じて使用するのも良いと思います。
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