就学相談の波に乗り、発達検査を受けたのは夏のこと。
あれから2ヶ月半以上が経ち、季節は秋。ようやく教育委員会指導課の担当者から連絡が入りました。
「発達検査の結果が出ました。」という連絡でした。
ASD息子が受けた、発達検査の結果が判明しました。
あの日こなしたのは、3種類の検査だった
発達検査というものが初めてで、検査当日は、検査をこなすことに精一杯。
検査結果報告書を見て、ようやく検査の種類が判明しました。
あの日、受けた検査が、「田中ビネーV知能検査」「S-M 社会生活能力検査」「グッドイナフ人物画知能検査」という3種類だったことが分かりました。
想定ドンピシャ!A4用紙1枚にまとまった「所見」に感心
息子は、軽度ASD(自閉症スペクトラム障害)。
母子分離不安で、母親と一緒でなければ新しい場所には行けない。行動の切り替えが極度に苦手で、今の行動をやめて次の行動に移れない。こだわりが強く、気になった所はいじってからでないと次に行けない…。
等々、これまでのエピソードで綴った通りの、様々な特徴があるわけですが、それを見事に「所見」としてまとめられた検査結果報告書でもありました。
テストの結果だけでなく、テストを実施している最中の子どもの様子について、よく観察されていたんだなぁ・・・という印象です。
発達検査の結果は、A4用紙1枚に、見事にまとめられていました。
それでは、検査結果として数値化された部分を記録していきます。
「田中ビネーV知能検査」の結果
知能指数:IQ103
知能指数(IQ)は、平均でした。
親バカですが、よく息子を「賢い子!」と言って褒めまくっているくらいなので、冷静になって知能という観点で考えると、”定型発達の子”並み…すなわち「平均」前後だろうと思っていました。
想定通りでした。
生活年齢(実際の年齢)< 精神年齢
精神年齢が、実年齢を「2ケ月」だけ上回っていました。
日々の”困りごと”は「所見」にこそ現れている
田中ビネーV知能検査の結果から、数値だけを見てしまうと「標準」に見えます。
でも私は、イコール「大丈夫だった」とか「問題ない」とは思っていない。
なぜなら、IQが平均だからと言って、飛びぬけているわけでもなく、いくらでもボーダーラインを割る可能性がある位置にいるし、「日々の困りごと」が存在することは確かだからです。
息子にとっての”普段の困りごと”は、田中ビネーV知能検査結果の「所見」にこそ現れていました。
〇〇は、集中して取り組んだが、動作がゆっくりで、制限時間内に仕上がらなかった。
過集中な一面もあるから、入り込めば集中して取り組む。でも、こだわって丁寧に丁寧に作業することで、制限時間に仕上がらない・・・という状況が端的に書かれていました。
これって・・・。
もしも、小学校の授業の時間内に仕上がらないものがあったら?
「まだやりたい!」と癇癪を起こしたって、もうそこには、なだめてくれる保育園の先生も親もいない。
気持ちと行動の切り替えが苦手だから、一人だけずっとできるかって?・・・んなワケない!
〇〇の一部に注目した回答で、正当につながらなかった。
これは、私が難しいと思った「絵の不自然さ」を回答するテストのことですね。
細かい一部に着目して、「木を見て森を見ず」の特徴は、強いほど持っています。
今の時点では、仕方ないかな。
場面の切り替えに時間を要する様子が見受けられ、ある程度見守ったのちに声をかけると、片付けて次の検査に取り込んだ。
「はい、それじゃあ、終わりでいいよ。次はね~」と言われながら、発達検査の課題から課題へと切り替わる時、確かに、そんな感じでした。
ちょっと声をかけられた時に、作業をやめることができないと「あ、この子は”やめられない子”なのね」と、担当者はすぐに悟った様子でした。
担当者がそれ以上声をかけるのをやめて、暫く黙って見守った後に、「もう大丈夫だね。次のやつ、やろうか?」と促していました。
こうした新規場面や活動の切り替えの苦手さや、聞き漏らし等により、一斉指導場面での活動の流れに乗れず、戸惑うことが多くならないか心配される。
日常的にタイミングを見計らった個別の声掛けや視覚情報を活用した注意喚起などの配慮が望まれる。
・・・その通りです。
このように、息子にとっての”普段の困りごと”は、田中ビネーV知能検査結果の「所見」に、バッチリ反映されていました。
「S-M 社会生活能力検査」の結果
身辺自立:6歳10ヶ月
移動:4歳5ヶ月
作業:7歳5ヶ月
コミュニケーション:6歳7ケ月
集団参加:6歳6ヶ月
自己統制:5歳
息子の実年齢、5歳7ケ月頃の評価です。
「作業」が7歳5ケ月に対して、「移動」が4歳5ケ月という差に着目すると、実に「3歳差」!
3歳もの差がある、まさに『発達凸凹』です。
「移動」に関しては、実年齢を1歳以上、下回ります。
気持ちを切り替えたり、行動に移したり、次から次へと行くことに対応できない。まさに癇癪に繋がるのが理解できました。
慣れないは、取り組みが消極的になりやすいことが影響している。
慣れるまで大人が隣りで手本を示す事や、達成感を得ながら安心して取り組めるような支援が望まれる。
という所見も踏まえると、まさに今、息子が通っている療育でトレーニングしている部分に近いか?
やはり、小学校入学の時には、慣れるまで何らかの支援は必要なのだろう…と、素直に感じました。
「グッドイナフ人物画知能検査」の結果
IQ:101
「男の子の絵を描いて下さい」という問題の結果です。
生活年齢(実年齢)と精神年齢が、だいたい同じ。精神年齢が1ヶ月だけ上回った結果でした。
絵を描くことは得意だから、抵抗なく「男の子」を単純に書いたようです。
検査当日に、仕上がった絵をぱっと見しましたが、普通に簡単に書いた「男の子」でした。
ただ、いつも「顔」を書く時と同じ書き方で、眉毛なし、目は黒丸、鼻もなかったかも?
きっと、顔のパーツ、髪の毛、洋服の書き具合まで、評価対象なのだと思います。
それでも、実年齢相当。
この検査で、大きな問題や違和感はありませんでした。
やはり支援級≒情緒学級か!?就学先の決断へ
今回の結果報告をもって、就学先を決断しなければなりません。
決断は、保護者に委ねられました。
息子が通う小学校は、マンモス校。とはいえ、知的障害や言語障害を伴わない自閉症スペクトラム障害の子に、支援学級は用意されていません。
今回の発達検査の検査結果からも、息子が該当するとしたら、就学先は「情緒学級」であることが明確になりました。
ということは、「情緒学級」に所属するか「普通級」で頑張るか?・・・という判断が迫られることになります。
11月には、一般の流れで、各校の就学前検診が始まります。そこで初めて”気になる子”としてチェックされた子供たちが、どんどん発達検査の過程へと進みます。
そのため、教育委員会指導課としては、今この時点で分かっている息子のような子は、なるべく早く「就学先を決断」すればするほど、嬉しいそうです。
1ケ月後に、1ヶ月後時点の「気持ち」を報告する約束をして、帰路につきました。
1ケ月間、じっくり考えたいと思います。
やはり、「情緒学級」に所属か!?
皆さんは、どう思われますか?
お気軽に感想・質問・記事リクエストなどをどうぞ。コメントは内容確認後、お返事と一緒に表示されます。