学校給食と食物アレルギー対応「給食カード」の使い方。食べられるメニューを明示して誤食を防止

アレルギー対応の給食カード
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子供に食物アレルギーがある場合、学校給食ではどのような対策や工夫をされていますか?

今回は、私が工夫している「給食カード」についてご紹介。複数のアレルギーを持つ息子が、小学校で続けているアレルギー対応の1つです。

※息子の給食カードは、途中で「見せ方」を仕様変更。変更前の事例も残しつつ最新情報を追記しました!

給食で代替対応不可でも「食べられるメニュー」が献立にある

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息子には小麦・乳・ごま・くるみ・カシューナッツ…と複数の食物アレルギーがあります。

お世話になる先々で前代未聞のマルチアレルギー児扱いです。当然、小学校入学前は毎日お弁当対応になることを覚悟していました。

入学して給食が始まると、意外にも「食べられるメニュー」もいくつか、献立に存在することが分かりました。

「食べられないメニュー」だけをお弁当で持参する

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給食の献立には、息子が「食べられるメニュー」と「食べられないメニュー」があるため、日毎メニュー毎の材料が載っている詳細献立表を見ながら毎月、それを見極める作業をしています。

献立1つ1つに対して、「お弁当による代替対応」(以下「代替弁当」)か「給食で提供」かを判断。例えばカレーやハヤシライスの日は、「ルーは代替弁当、ライスは給食で提供」という具合です。

ライスだけ給食でもらう日、デザートだけ給食でもらう日…など、1品だけ給食でもらう日がけっこうあります。

結果的に、「給食でもらえるメニューが何かしらある」という日が大概でした。

「代替弁当」と「給食でもらうメニュー」が同じ日に混在する

「毎日全部お弁当」を覚悟していた身としては、1品でも給食で食べられるメニューがあるのは嬉しいことです。

お弁当を作る負担軽減だけでなく、息子本人にとっても、みんなと同じように並んで給食をもらえるというのは嬉しいことでした。

しかし一方で、私を悩ませたのは「お弁当を持って行くのに、別の何かは給食でもらう」という複雑な状況でした。

つまり、持参した「代替弁当」と、給食でもらう「食べられるメニュー」が同じ日に混在するわけで、息子に対して「今日は給食」「今日は弁当」という単純な説明ができなかったのです。

誤食注意!給食でもらうメニューは絶対に間違えられない。

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しかも実際の学校給食では、「給食でもらった白米に、持参した代替弁当のルーをかける」という複雑な?メニューパターンが頻繁に登場。

給食で何をもらうか息子に教える時に、単純に「ハヤシライス」と伝えることができません。

配膳の列に並んでライスだけもらう時に、給食当番や先生が(誤って)給食のルーをかけたら?(…怖い!)

間違えたら誤食事故に繋がる「給食でもらうメニュー」は、絶対に間違うことができないのに、息子本人が何をもって大丈夫だと分かるのか?

小学1年生でも分かる、本人のための判断材料が必要だ!

そんな問題を解決するために、アレルギーサインカードならぬ「給食カード」を作りました。

絵カードで「給食でもらうメニュー」を表す!

アレっ子にとって何がシンプルか?

それは「食べられるメニューだけをもらう」、ただそれだけ。

小学1年生でも間違えずに分かる方法。言葉で説明したことを忘れても思い出せる方法。見ればすぐに分かる方法。絶対に間違えない方法。言葉で言えなくても伝わる方法。見た人に確実に伝わる方法。

そして最後に、これで全部揃っているのか本人が分かる方法。

つまり、本人も他者も見れば分かる、「給食でもらうもの」として明示できるもの!

ということで、「給食でもらうメニュー」を描いた絵カードを作ることにしました。

名付けて、『給食カード』です。

給食カードの考え方・使い方

息子は、代替弁当と給食カードを持って行きます。

「食べられないメニュー」は代替弁当、「食べられるメニュー」は給食カードを持っている状態で始まります。

給食時間に、給食カードを見せながら該当メニューだけをもらいます。

給食カードと同じメニュー(本物)が揃ったら、代替弁当と合わせて、息子の給食が完成するイメージです。

給食カードの作り方(分け方)

給食カードは、「給食でもらうメニュー」を1枚に1品ずつ描きました。

子供が給食カード1枚に対してどのメニューをもらうのか、1対1で判断できるようにします。

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例えば、ハヤシライスの日はルーを持参しますが、給食でもらうメニューは「白米」だけなので、給食カードは「ハヤシライス」ではなく「ごはん」の絵カードを作成しました。

ゼリーは味によって食べられない日もあるため、息子が食べられるゼリーであることを確認後に、何のゼリーなのか分かるようにしました。

文字と絵で「給食でもらうもの」を明確に表す

給食カードは、息子だけでなく給食当番・先生の誰が見ても分かることがポイントだと思います。

例えば、ポテトサラダの日に「小袋マヨネーズはいる?いらない?」と迷う人が出て来ないように、明確に「小袋マヨネーズ」の給食カードも作りました。

互いの認識齟齬を避けるために、絵と文字(メニュータイトル)の両方を使って描きました。

給食カードの工夫1.単語カード形式で一括り

1年生の時は給食袋の中でバラバラにならないように、給食カードは「単語カード形式」にしました。

必要になる給食カードは、1日1枚とは限らないため、複数枚がバラバラにならないように単語カードのようにまとめました。

2穴パンチの片方を使って、絵カードの端に穴を開け、カードリングで一括り。

最後に献立表と見比べながら、その日に給食でもらう全てのメニューが揃っているか確認します。

給食カードの工夫2.防水仕様

子供がお弁当を持参する場合、汁がこぼれたり、濡れたおしぼりがケースから飛び出したり、保冷剤に水滴が付いて周囲が濡れたり。

何かと濡れてしまうハプニングが起こるため、給食カードは「防水仕様」にしました。

絵本の補修用テープを使う

絵本の修復などを目的に、自宅にブックフィルム(補修用テープ)があるご家庭は、それを流用できます。

これを裏表に貼って、絵カードの大きさに切り取ると、簡単に防水仕様になります。

セロハンテープを使う

専用の補修テープや防水シートを使わなくても、セロハンテープで流用可能。

絵カードから上下左右はみ出るように表からも裏からもセロハンテープを貼り、絵カードより一回り大きいサイズで切り抜くと、ラミネートされた感じになりました。

一回り大きくせずに絵カードの大きさピッタリに切ってしまうと、縁の隙間から水分(弁当の汁…)が入り込み、シミができてしまった実例あり。

ラップで包む

時間がない朝に、絵カードを即席で作った時は、ラップで包んで防水しました。

ラミネート加工する

学校給食では、毎年同じようなメニューが繰り返し献立に登場します。

一度作った給食カードは何度も使うことになるため、長期使用を見越して本格的に防水する方法も。

専用マシンを使ってラミネート加工すると、綺麗に仕上がると思います。

絵カードの工夫3.給食時間にすぐ見つかる場所に添える

息子にとっては、この給食カードを入れる場所も重要でした。

× 失敗例

始めは、給食時間に必ず使うおしぼりケースの取っ手部分に、カードリングで括りつけました。

しかし、これだと先生に「給食カードを見せよう!」と思った配膳時に、おしぼりケースの蓋を一緒に持って行くはめになり却下。

給食袋の紐部分に括りつけたこともありますが、息子が自分で給食カードを簡単に取り外すことができないので却下。

〇 お弁当包みの結び目に通す

お弁当包みで「最後の”ひと縛り”」の時に、カードリングの輪に通して結ぶ方法は、まぁまぁ良い感じ。(上の写真)

お弁当包みを解く時に、自然に給食カードが取れるので、すぐに持ち出すことができました。

〇 ジャーの蓋にテープで留める

ジャー(フードジャー・スープジャー)の蓋に、テープで付ける方法もやってみました。(上の写真)

給食カードが目立って、お弁当袋の中で迷子にならず、まぁまぁ良い感じです。

ただし、テープで留める手間はあり。

〇 お弁当バンドに指し込む

お弁当箱の蓋に給食カードを乗せたまま、お弁当包みやランチョンマットで包んでしまうと、配膳の列に並ぶタイミングで給食カードを取り出せませんでした。

給食時間になったら、アレルギーがある息子は机にお弁当箱を広げる前に、トップバッターで配膳の列に並びます。(1番目に配膳してもらう)

お弁当を広げる前に、スムーズに給食カードを取り出し、トレイに載せて配膳台に行かなければなりません。

というわけで、お弁当箱を包む日は、お弁当バンドに給食カードを指し込む方法にしました。

給食カードの工夫4.「スプーン」のカードも作成

給食カード「スプーン」

小学1年生時代は、「給食でもらうもの」として、スプーンの給食カードも用意しました。

「カードにあるものだけもらう」と教えていた時に、スプーンは給食でもらうのにカードにはないの?と聞かれました。

答えが煩雑になるし、余計な心配事が増えるため、当初はスプーンカードも用意。息子への説明は、一貫して「給食でもらうものはコレ」と言える状態にしました。

※小学2年生の途中から、「スプーンやフォークをもらう日は自分で分かる」と言うので、スプーンカードは廃止しました。

給食カードの工夫5.見た目が似てるメニューは文字だけ変える

学校給食では、違う献立名でも似たようなメニューが何度も出ます。

例えば、お味噌汁は「〇〇と△△の味噌汁」という献立名で頻繁に登場しますが、具はその時々で違います。

給食カードとしては、お味噌汁の絵カードを1枚だけ作っておき、それを使い回しています。

小さな文字カードやマスキングテープを利用して、メニュー名(文字部分)だけを変更できます。

上の写真は、本当は「おさかな たつたあげ」の給食カードですが、「たつた」部分に「から」と書いたマスキングテープを貼った例。

「〇〇のからあげ」という献立は頻繁に登場するので、「からあげ」という小さな文字カードを作っておくのも便利です。

給食カードの工夫6.味付けやオプションは”文字”だけ足す

種類や調理方法を変えて頻繁に出る献立は、基本カードを作って使い回すのが便利です。

例えば「おさかな たつたあげ」はひと月だけでも「〇〇の南蛮漬け」「〇〇の蒲焼き」という献立で登場。私は「おさかな たつたあげ」の給食カードを”基本カード”として、これを使い回しました。

「なんばんづけ」「かばやき」という文字だけを付け足せば良いので、給食カードの準備が早く済みました。

基本カードの例:
・ピラフ(カレーピラフ・鮭ピラフ・チキンピラフ…などに使える)
・サラダ(コーン、ツナ…など文字を付け足すだけで使える)
・みそ汁
・魚の絵

給食カードの工夫7.味付けやオプションは”絵”を追加

学校給食のハンバーグは、意外にも7大アレルゲン(小麦・乳・卵・そば・かに・えび・ピーナッツ)不使用の商品。いつも息子が「給食でもらうメニュー」の1つです。

味付けやオプションは、普通のケチャップか大根おろし添えが多いです。

この場合は、ハンバーグの給食カード(基本カード)を作っておき、献立に合わせて「絵」の部分を追加して見た目を変えています。

給食カードの工夫8.環境や関わる人に合った方法に変えていく

さて、1年以上「給食カード」を使用して安心していた矢先のこと、その運用方法を大きく?変える出来事がありました。

冒頭で触れた「給食カード仕様変更」についてです。

上述の通り、息子の給食カードは、リングを利用した単語カード帳方式でした。

ある出来事を境に、単語カードのようにめくる方式ではなく、全部のカードが横一列に繋げた状態に変更しました。

※きっかけとなった出来事の詳細については、別記事でまとめる予定です。

給食カードの工夫9.トレイに置いた時に「もらうメニュー」全部が見えるように

アレルギー対応の給食カード

給食時間。息子の小学校の場合、

1.給食室から各教室へ運ばれる
2.給食(大鍋)が配膳台に並ぶ
3.給食当番が配置につく
4.アレルギー対応児童(=息子)が1番に配膳列に並ぶ
5.トレイを両手で持つ
6.給食当番が盛り付けた料理をトレイに乗せてもらう

という動線・分担・配膳方法で準備をしています。

この時、手順5「トレイを両手で持つ」状態で配膳台の前を通過していくわけです。

息子は大事な給食カードをトレイに乗せて、給食当番に見せながら給食をもらいますが、単語カードのようにめくって確認する方法だと、手が足りません。

この判明以後、給食カードはトレイに置いた状態で「給食でもらう全てのメニュー」が見えるようにしました。

※給食カードの裏面からマスキングテープで留めています。

食物アレルギー対応&誤食防止に役立つ「給食カード」

息子が代替弁当と一緒に「給食カード」を持参する対応を続けると、先生にとっても息子の給食カードの存在が当たり前になりました。

先生の方から「今日の給食カードは?」「今日のカードを見せて」と言ってくることもあります。

毎月、アレルギー対応用の詳細献立表のチェックと食べる食べないを記入した書類を提出し、大人だけで書面での確認は済んでいますが、その大人が間違えるリスクもあるし、それが重大事故にも繋がります。

だから子供自身が、大人とは違う視点で「今日、給食でもらうもの」を確認できる状態にしておくことが超重要。

今のところ、今回ご紹介した「給食カード」を使い、誤食ゼロで未然防止できています。


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