なぜコーンフレークに麦芽エキスを入れるのか?
日本でもシリアル食品が、朝食やスイーツを中心に食べられるようになり、その商品ラインナップは多種多様となりました。
しかし、原材料を見ると、「麦芽エキス」を含む商品が多いのです。
「グラノーラ」や「大麦フレーク」であれば、麦芽エキスが入っていても納得できます。
でも「コーンフレーク」に麦芽エキスを入れないで欲しいです。
今回は、小麦(大麦)アレルギー児の親として希望をつぶやきつつ、アレルギー対応コーンフレークについて語ります。
保育園(給食・おやつ)で提供されるコーンフレーク
息子が通う保育園では、給食やおやつで「コーンフレーク」が提供されます。
保育園で使われている商品は、ケロッグの「コーンフロスティ」です。
アレルギー特定物質等27品目は「大豆」だけです。
小麦・乳成分・ゴマ・ナッツ類を含みません。
一見、マルチアレルギーの息子でも食べられそうに見えます。
28大アレルゲンを基準に考えれば、小麦アレルギーでも食べられます。
ところが、「麦芽エキス」を含むため、息子は除去対応となりました。
小麦アレルギーに関連する「麦芽エキス」問題
麦芽粉 (通常大麦を用いるが,小麦も用いる) を水に入れ,温度を 50~60℃に保って数時間おくと糖化が起るが,これをろ過した液をいう。(コトバンクより抜粋)
調べてみると、麦芽エキスとは、大麦を糖化させてろ過したものだと分かります。
小麦アレルギー児にとって、問題は2つあると思います。
1つ目は、大麦ではなく小麦が用いられる場合もあるということ。
2つ目は「ろ過している」ということです。
商品のアレルギー情報(もしくは原材料表示)を見れば、「小麦」が不使用であることは判断できます。
「小麦」含有の表記は義務付けられているため、 もしも「小麦」を使用した麦芽エキスである場合、必ず明記されているはずです。
注:日本で販売される製品の場合
1つ目の問題点「小麦を使用した麦芽エキス」については、アレルギー事故につながらずに済みそうです。
今回注目した”大問題”は、2つ目の「ろ過」についてです。
これは「エキス」という名前からも分かるように、成分が凝縮されていることを意味します。
「乳アレルギー児が牛乳1gを飲めても、チーズ1gは絶対ダメ!」という事例のように、アレルギー物質(たんぱく質)が凝縮されればされるほど、結果的にアレルギー反応は強くなります。
大麦成分が凝縮された「麦芽エキス」が、大麦に換算した時にどれくらいの量なのか分かりません。
だから、小麦アレルギーの人、大麦アレルギーに不安がある人は、「麦芽エキス」って要注意だな、と思ったのです。
コーンフレークの場合、「麦芽エキス」が含まれていることが分かっても、コーンフレーク1人前に含まれる量は分かりません。
小麦アレルギーかつ大麦アレルギー傾向がある息子にとって、どれくらいの量の「麦芽エキス」ならアレルギー症状が出ないのか、判断できません。
という訳で、保育園では「コーンフレーク完全除去」対応となりました。
小麦と大麦は違うけど「麦芽エキス」でアレルギー反応は起こるのか?
小麦と大麦は、どちらもイネ科に属す植物で、たんぱく質の形も違います。
しかし、大麦には、小麦のたんぱく質(グルテン)と似た分子構造のタンパク質が含まれています。
小麦アレルギーの度合いによっては、反応してしまうことで有名です。
そこで息子が、大麦アレルギー経口負荷試験を受けたのが、数年前のこと。
保育園では、毎日「麦茶」を飲んでいます。
つまり、小麦アレルギーの息子は、
・「大麦100%ご飯」10gまでならアレルギー症状がギリギリ出ないレベル
・毎日「麦茶」を飲んでも大丈夫なレベル
です。
それでは、「麦芽エキス」入りコーンフレークは、食べられるのでしょうか、食べれないのでしょうか?
残念ながら、食品を指定したアレルギー経口負荷試験は、病院ではやってくれません。
食物アレルギーは、食べて見ない限り、量とアレルギー症状の依存関係が分かりません。
ということで、自宅で「食べて」試してみることにしました。
※自己判断は危険ですので、真似しないで下さい。私も過去の実際の”経口負荷試験の結果”を元にはしていますが、自己責任です。
自宅で「麦芽エキス」経口負荷試験!コーンフレークを食べる検査
自宅で、麦芽エキスを含むコーンフレークの経口負荷試験をします。
食べる食品は、ケロッグ「コーンフロスティ」です。
食べる量は、コーンフレーク一欠だけです。(上の写真)
小麦アレルギーの息子は、大麦ごはん10gまで食べた時に少し「かゆい」と言い、軽い皮膚症状が出るアレルギーレベルです。
大麦が凝縮された「麦芽エキス」を含むとはいえ、コーンフレーク「一欠けら」であれば、大きな症状は出ないと判断しました。
※推奨はしません!これは私の自己責任です。
さっそく、口に入れてみました。
・・・終了です。
水をたくさん飲んで、口の中を洗い流しました。
実は最近、アレルギー症状ではなく、口内炎などで口の中がしみる症状や、口腔内のちょっとした刺激について、息子は「かゆい」と表現します。
だから、この時も、本当にアレルギー症状なのか、定かではありません。
しかし一方で、本当の誤食は、いつも本人の「かゆい」から判明するので、息子が感じる「かゆい」感覚は、重要視すべきという確信もあります。
今回は、ここでストップです。
結果:
「麦芽エキス入り」のケロッグ「コーンフロスティ」は、一欠片までしか食べられなかった。
※息子は、アレルゲンを含まない食品を食べた時も「かゆい」と言うことが時々あります。
※息子が、もう少し言葉で症状を表現できるようになったら、改めて「麦芽エキス入りコーンフレーク」を食べて試してみようと思っています。
大麦に心配がない小麦アレルギーっ子が食べられるコーンフレーク
上記テストの結果、「大麦」に心配がある小麦アレルギーである場合、「麦芽エキス入りコーンフレーク」は食べない方が良い、という判断でした。
一方、「大麦」に心配がない小麦アレルギーである場合、「麦芽エキス」の含有を気にする必要はなさそうです。
なぜなら、小麦由来の「麦芽エキス」は見かけないし、例え使用されても、「小麦」は表示義務のある7大アレルゲンであるため、「麦芽エキス」云々の前に、「小麦を含む」商品であることが分かるからです。
「麦芽エキス」を含んでいても、「小麦」を含んでいないコーンフレークは複数あります。
朝食やおやつのバリエーションが広がればいいですね。
こちらが今回、「自宅で経口負荷試験」してみた『コーンフロスティ』の徳用袋版。ほんのり甘めがいい感じです。【麦芽エキス入り】
甘くないタイプもあります。【麦芽エキス入り】
※原材料は、必ずご自身でご確認下さい。
小麦・大麦アレルギー対応!「麦芽エキス」を含まないコーンフレーク
大麦に心配がある小麦アレルギーである場合、どうすれば良いのでしょうか。
「麦芽エキス」を含まない、コーンフレークを見つけましょう。
私はいくつか、息子が食べられるコーンフレークを見つけました。
食品スーパー(チェーン系列)には、陳列されていない場合もあります。
私は、「こだわり食材」を売りにしているお店や、デパート系列の食品店で見つけました。
コーンフレークは日持ちするので、朝食などで大量を消費するなら、ネット通販でまとめ買いがお得です。
日食「プレミアムコーンフレーク最上質プレーン」
息子が愛食しているコーンフレークは、日食「プレミアムコーンフレーク 最上質プレーン」です。
ひと箱で300円くらいするので、一般的なシリアルに比べると高めですが、原材料がシンプルでスゴイです。
プレミアムコーンフレークの原材料
有機とうもろこし(遺伝子組換ではない)、有機砂糖、食塩(赤穂の天塩)
トウモロコシ・砂糖・塩だけ!
しかも有機食材。
アレルギー事情だけでなく、赤ちゃんの離乳食で柔らかくふやかしたシリアルを取り入れているなら、このシンプル材料のフレークはイチオシです。
日食「オーガニック コーンフレーク ケーン シュガー」
最近になって、別バージョンも発見。「生協の宅配」で見つけて、購入し始めました。
同じ日本食品製造さんの「オーガニック コーンフレーク ケーン シュガー」です。
パッケージに表示されている原材料は、「最上質プレーン」と同じで、
有機とうもろこし(遺伝子組換ではない)、有機砂糖、食塩(赤穂の天塩)
です。
「最上質プレーン」より甘い感じがします。
【注意】
※ネット通販のサイトに掲載されている原材料には、「麦芽エキス」という表記があります!
※私が購入して手元にある製品に、直接記載されている原材料には、「麦芽エキス」は含まれておりません!
※原材料は、必ずご自身でご確認下さい。
小麦アレルギー対応!チョコフレーク ※「麦芽エキス」を含む
実は、日食「プレミアムコーンフレーク」には、チョコフレーク・バージョンもあります。
しかし残念ながら、「市販でチョコ味」と言えば乳成分。日食のチョコフレークにも『乳成分』が含まれていました。
日食「プレミアムコーンフレーク|ビターチョコ」には、『全粉乳』が含まれています。
乳アレルギーがあると食べられません。
とうもろこし(遺伝子組換ではない)、砂糖(北海道産てんさい糖)、ココアパウダー、ココアバター、全粉乳(北海道産)、食塩、カカオマス、麦芽エキス、乳化剤
原材料に、「麦芽エキス」を含みます。
※原材料は、必ずご自身でご確認下さい。
「プレミアムコーンフレーク」プレーンをチョコフレークにする方法
小麦・乳アレルギー、かつ大麦アレルギーに心配あり…の息子にも、チョコフレークを食べさせてあげたい。
そこで、コーンフレークのチョココーティングは、自分でやってみました。
使ったのは、あの「元祖板チョコ」です。
日食「コーンフレーク|プレーン」を買って、湯煎した「元祖板チョコ」にガガーッと入れて、混ぜるだけ。
「マルチアレルギー対応チョコフレーク」が出来上がりました。
見つけた!「アレルギー特定原材料等27品目不使用」のチョコフレーク
何度か「手作りチョコフレーク」を作ってみて、気が付きました。
「コーンフレーク|プレーン」 も「元祖板チョコ」も、アレルギー対応だけに値段が高い。それに湯煎と混ぜる手作業の手間を考えると、かなりコスパが悪いです。
しかも、息子は、普通のコーンフレークよりもチョコフレークが大好き。
そこで費用対効果を考えると、一番コストパフォーマンスが良いのは、「元祖板チョコ」と同じ辻安全食品さんの「チョコレートフレーク」では?
と思いました。
辻安全食品「チョコレートフレーク」の原材料は、
有機とうもろこし、砂糖、カカオマス、カカオ油脂、食塩 だけ。
「小麦」も「麦芽エキス」も「乳成分」も不使用です。
1袋あたり、450円前後。
湯煎の手間もない、キッチンや手がベタベタにならない、洗い物も出ない、食べたい時にすぐ食べられる。色々考えると、今はこれをまとめ買いしています。
–2019年9月10日 追記
そして、最近になって見つけたのが、日本食品製造合資会社さんの有機朝食シリアル「オーガニック コーンフレーク ビターカカオ」です。
原材料は、
有機とうもろこし(遺伝子組換えでない)、有機砂糖、有機ココアパウダー、有機ココアバター、有機カカオマス、食塩(赤穂の天塩)
だけ!
ココアを含むカカオ成分に、「乳成分」を混ぜていないクオリティです。
同じ製造工場では「乳成分」を含む製品を扱っているため、コンタミは注意です。
※ネット通販サイトだと、「麦芽エキス」を含む表記があって混乱します!
※日食の公式ホームページなどで確認すると、「麦芽エキス」は含まれておりません!
※必ず、直接食べる食品のパッケージにて、原材料&アレルギー情報を確認して下さい!
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ケロッグ「コーンフレーク」「コーンフロスティ」から「麦芽エキス」を抜いてください運動は、かなりハードルが高いです。