保育園給食でゴマ誤食!アレルギー事故はなぜ起きた?再発防止策を考える

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ゴマアレルギーの息子が、保育園給食でゴマを誤食しました。

アナフィラキシーショックは起こさず、誤食による症状は結果的に軽症でしたが、私も献立と代替内容をチェック済だったのでショックでした。

息子への教えや日々の対策があったからこそ軽症で済んだ一方で、反省点もたくさんあるので今後の課題と対策を考えていきます。

「ごま」は誤食率No.1!警戒レベル最大のアレルゲン

ゴマ!胡麻!ごま!誤食!原材料のアレルゲン表記を見落とす。

2019/01/11

ゴマの誤食は、初めてではありません。

ゴマが入った「かまぼこ」を食べてしまい、自宅でアレルギー事故(軽症)を起こしたことがあります。

表示必須項目ではない「ごま」は、原材料の見落としが命取りという、私にとっても最大警戒レベルのアレルゲンです。

しかも、私としては漢字よりも平仮名の方が、断然見落としやすい!

原材料やアレルギー表示欄に並ぶ文字列の中で、圧倒的に「小麦」「乳」より「ごま」という文字が判別しにくいのです。

そして、小麦・乳アレルギーの場合、自宅での食事は「和食」が多くなりがちで、和食なら比較的安心という思考回路になりやすいのですが、和食にはけっこう「ごま」が使われます。

ゴマアレルギーっ子の母にとっても、誤食経験No.1の「ごま」。

そんな背景の中、再び起きてしまった「ごま誤食」について、考えます。

保育園給食のアレルギー対応チェックは完璧!のはずだった…。

【食物アレルギー児の保育園】誤食事故を未然防止!入園・進級・新学期にやること

2018/04/03

息子は現在、5歳児クラス。年長クラスにあたる今年度は、保育園最後の学年です。

その母である私も、保育園生活をこなす上では、もうベテラン。給食のアレルギー対応検討だってメニュー確認だって2次チェックだって完璧!・・・のはずでした。

実際、1歳児クラスから入園してから今までの4年半、アレルギー対応内容の2次チェックで全てを拾い、調理ミスもなく、配膳ミスもなく、誤食事故もなく無事に過ごしてきました。
※「パンくず接触?」事件はあったけど…

保育園で誤食かパンくず接触か?給食メニュー、アレルギー症状、処置内容を考察(当時4歳)

2023/01/18

調理士さんが献立表に書き込んでくれたアレルギー対応メニューに対して、私が2次チェックすることで、2重チェック体制をとっていました。

アレルゲンチェックが行われた時の献立表
正しくチェックした例:該当食材がマーカーされている。

普段はどうかと言うと、該当アレルゲン(食材)が蛍光マーカーでマークされています。

これを私が、もう一度確認。「ごま」や「ごま油」に対して、漏れずにマークされているかチェックします。他のアレルゲンも同様です。

アレルギー対応内容が書き込まれた献立表のメニュー
正しくチェックした例:該当食材をどうするのか、除去や代替え内容が記入されている。

調理士さんが、マークされたアレルゲン(食材)に対するアレルギー対応内容を記入してくれています。

2次チェックとして私が、適切にメニューから除去 or 代替えされているか確認します。

今まで何度か、調理士さんのマーカーと記入が抜けていたことはありますが、全て私の2次チェックで拾ってきました。

では、2次チェックで漏れた時は?

これが難しい課題です。

調理士チェックが漏れ、保護者確認もスルー!2次チェックが漏れた時。

「ごま」に何もチェックがない!!

こちらをご覧ください。

「ごま誤食」当日の献立表です。

見事に、食材欄の「ごま」がノーマークです。

食材欄の「ごま」がマークされていないということは、「ゴマを除去する」という意識がない中で、アレルギー対応メニュー欄を見る、ということです。

今なら、はっきり見える「ごま酢和え」の文字列も、この時は結果的に、スルーしました。

「ごま酢和え」メニューなのに、「ごま除去」の記入がないまま、当日を迎えることになりました。

献立表の確認手順もチェック体制も問題なかった-。と私が思う理由

こうして2次チェックまで漏れて、ゴマ誤食のアレルギー事故に繋がりました。

でも意外かもしれませんが、私は既存の「献立表の確認手順」や「アレルギー対応チェック体制」については、問題視していないし、これで充分だし、このままで良いと思っています。

IT業界にいたから分かるんです。
レビュー回数を何回重ねたって、レビュー漏れは起こります。

2次チェックがダメだから3次チェック、それでだめなら4次チェックと、確認回数を増やしてもスルーする時はする。同じ視点のチェック回数を何回増やしても解決しません。

それどころか、手順が煩雑化したり、関わる人が余計に増えたり、事務作業が増えたりすることが、本来やるべきこと・あるべき姿から遠ざかる。

だから2次チェック漏れ問題は、難しい課題なのです。

では、何もせずに進むのかと言えば、それも違います。

「献立表の確認手順」「アレルギー対応チェック体制」については、これまでの実績がある通り、問題ないと思うのですが、実はこの日、「それぞれの立場でやるべきこと」が行われていなかったのです。

なぜ誤食が起きたか?調理士の場合…アレルギープレートと出来上がった給食の指さし確認が漏れた!

息子が通う保育園では、食物アレルギーを持つ子供の給食は、トレーに乗った状態で提供されます。

トレーの上には、給食だけでなく、アレルギープレートが置いてあります。

アレルギープレートには、

〇〇〇組
ゆきまるくん
小麦・乳・ごま・くるみ アレルギー

というように、<クラス・名前・該当アレルギー>が書かれています。

調理士は、アレルギー対応済みの給食をトレーに乗せる時に、
「小麦、除去よし」
「乳、代替えよし」
「ごま、除去よし」
「くるみ、なし」

のように、実際に出来上がった給食について「アレルギー対応をしたよ!」という、最後の確認を行います。

慣れ、多忙、単純忘れ…。
漏れる要素は色々ですが、この日は、本来やるべき「実際に出来上がった給食に対する最終確認」がなされていませんでした。

なぜ誤食が起きたか?保護者の場合…毎朝の「今日の献立」確認がおろそかに!

私は、数か月前まで毎日やっていたのに、”そういえば時々しかやらなくなったこと”がありました。

それが、毎朝の「今日の献立」チェックです。

今日、息子は給食で何を食べるんだろう?
今日のアレルギー対応は何だっけ?
床に散乱しそうなメニューはあるかな?

そう思いながら、毎朝必ず、「今日の献立」を確認していました。覚えているところで、4歳児クラスまでは!

5歳児クラスに進級してからは、給食のアレルギー対応にも慣れていたこともあり、「今日の献立」チェックは毎日やらなくなっていました。

気にしてチェックするのは、
「今日は、アレルギー対応ありか/なしか?」
だけでした。

・他のお友達と同じテーブルで、お友達の近くで給食を食べられる日なのか
・アレルギー対応給食の日だから、お友達とちょっと離れて食べるのか

これだけは気になって、毎日献立表を見ていましたが、この観点だと献立表の中身を見なくても確認できてしまうのです。

献立メニューが書かれている欄が、書き込みなしの真っ白地なら「みんなと一緒」、書き込まれてゴチャゴチャしていたら「アレルギー対応」と分かるから。

誤食があった日は、「鮭のチーズ焼き」にマーカーがされ、「チーズ除去」と書かれていました。

書き込まれてゴチャゴチャしている日 = アレルギー対応の日 = みんなと少し離れて給食を食べる日。そんな思考でした。

1~2年前ならあり得ない「慣れ」です。

アレルギーっ子である息子が、給食で何を食べるのか。お友達の給食はどんなメニューで、息子の給食はどんな代替えがされるのか。これを気にして、毎日毎日、毎朝メニューを確認していましたから。

今日はね~、鮭焼きだって。美味しそう!

と、4歳児クラスまでは、朝食中の息子に向かって、給食の内容を説明していましたから。

今でも、毎日の献立を気にしてあげていれば、「ごま酢和え」に気が付くことができた可能性があります。

「ゴマがある!」本人が気が付いて誤食は一口!アレルギー事故”誤食”の経緯

手順や流れは正常ながらも、一人一人がやるべきことをおろそかにした結果でした。

「ごま酢和え」は、ゴマが入ったまま、息子のトレーに乗せられて教室へ。

「いただきます!」と元気な声が響き渡ったのは、12:10頃。

夏は午前中にプールに入るので、着替えなどで時間が押し、給食の開始は12:00を回っていました。

12:15頃 「ごま酢和え」摂食

息子
ゴマが入ってる!

一口食べて、違和感を感じた息子が、声を上げました。

12:18頃 観察を開始。

本人が「喉がかゆい」と訴える中、先生たちがバタバタと対応に走ります。

主任は、緊急時の「症状チェックシート」とエピペンを持って、教室へ。

園長先生は、内服薬の準備をするも、保管していた内服薬が古いことに気が付く。

12:25頃 「喉のかゆみ」に軽減が見られる(本人の証言)

12:30頃 保護者(=私)に連絡

保育園から着信があった時点で、内容を聞かなくても「イヤな予感」です。

  • 「ごま酢和え」を一口食べてしまったこと
  • 本人は「喉がかゆい」と言っていること
  • その他の症状としては、「唇の腫れ」が見られること
  • 内服薬の処方日が古く、それを飲ませていいか判断を仰ぎたいこと

園長先生から、状況を聞かされました。

  • 内服薬は、エピペン・ケースに入っているものが最新&適切。
  • 事務所に保管されていた内服薬は、だいぶ前のもの。破棄用では?
  • 「胡麻和え」一口ですぐ気が付いた状態であれば、アナフィラキシーに至らないはず…という見解。
  • 「喉の痒み」なら、(麦茶ではなく)水を多めに飲ませて、洗い流して下さい。
  • 「お母さんが、お水を飲めば大丈夫って言っている」と安心感を与えて下さい。

と伝えました。

「ごま酢和え」を大口で食べたとは思えないから、ちょっとを一口食べたのだろう、と判断しました。

蕁麻疹が出ていないなら、内服薬を飲まなくても大丈夫かもしれない。

でも、蕁麻疹が出始めてからじゃ遅いかも。

でも、病院の先生が「皮膚症状だけであれば、自分の力で収まってくる」とも言っていたっけ…。

12:34頃 水(ウォーターサーバー)150mlを飲む

この時、(恐らく、主任→担任→調理士など経由で情報が回ってきて)
電話越しの園長先生が、

「本人は”もうなおった”と言っているそうです。」

と教えてくれました。

対策を伝えながらも、内心オロオロだった私も、それを聞いて少し安心しました。

油断はできないけど、この後に”蕁麻疹がバーっと出る”という状況にはならなそうだ、と思いました。

12:45頃 残りの給食を食べ始め、異変は見られず。

この時点で、本人の様子は「普通」に見える状態らしく、周囲の先生たちも「大丈夫そう」という気持ちになっていました。

13:00頃 お昼寝準備へ

迎えに行って自宅でお昼寝させることも考えましたが、結果的には、保育園で様子を見ることになりました。

今から迎えに行っても、お昼寝が始まる時間には間に合わず、眠れる時間に起きて待っているのも、体が休まらない。

痒くもなく大丈夫で、保育園でお昼寝できるなら、そこでぐっすり眠った方が疲れが取れて、免疫には良いか?

色々迷いましたが、何かあったらすぐ連絡をもらい、すぐ駆けつけるという調整をして、いったん収束。私が、すぐに駆けつけられる体制をとって待機する中、お昼寝~午後のおやつまで何事もなく、一件落着しました。

本人が「ごま」の存在を気が付いたことで、事無きを得ました。

未然防止は重要、でも起きた時に最小限に食い止めることも最重要!再発防止策を考える-。

今回のアレルギー事故が、軽症で済んだのは、息子本人が自分で言えたことが大きいです。

アレルゲンを把握して、口に入った時に「おかしい」と思えたことは立派でした。

また、「ごま」で幸いだったのかもしれません。

「ごま」は、私にとって原材料欄を読む時には見逃しがちな厄介ものですが、料理に入っている時には、比較的見つけやすい姿です。

これがもし、「小麦」や「乳成分」だったら、もっとたくさん食べてからじゃないと、気が付かなかったかもしれません。

「一口だけ食べた」ところで、誤食に気が付くことができて幸いでした。

今回のアレルギー事故を教訓に、再発防止策を考えました。

未然防止策として重要なのは、やはり「一人一人の役割をしっかりこなす」です。

うっかり忘れた時、いつもやるのにやらなかった、という時に、事故は起こるもの。手順や決まりは存在するわけだから、それに則りながら、調理士がやるべきこと、保護者がやるべきこと、をやらなければ。

私は、かつては毎日必ずやっていた「今日の献立」チェックを、再開することにします。

それでも、ミスは起こるもの。もしもアレルギー事故が起きてしまった時に、いかに軽症で食い止めるか、が鍵になると思います。

  • 経口免疫療法により、微量なら症状が軽い状態をキープする
  • 本人の知識啓蒙
  • 緊急時の対応手順を日頃から把握

この辺の対策がキーになるのだと思いますが、ある程度これらが実践できていたからこそ、今回「軽症」で済んだのだと思います。

明確な課題も1つ。
「ゴマの経口免疫療法」が進んでいないこと。
予約できたのは、2ヶ月先の10月です。


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