強迫性障害とアメーバに関連?ASD息子の【目玉を触る衝動パニック】対処法を知って緩和する

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軽度ASD(発達障害・自閉症スペクトラム障害)の息子は、わざと自分の目に指を入れようとしながら、パニックになることがあります。

いや、パニックになっているというより、パニックになっている姿を私に見せつけている、という表現が適切かもしれません。

この不可解な行動を分析しました。

「わざと目に指を入れようとする行動」と「アメーバ」の関係

息子
アメーバって何?どういう形?

この衝動のきっかけは、アメーバです。

きのこ好きの息子が、きのこ図鑑や博物館で「変形菌」を知ることに。

そして、変形菌の説明として、必ずと言っていいほど「アメーバのように」と紹介されていた。

・・・という経緯だと思います。

茨城県自然博物館・第71回企画展「キモかわいい変形菌」でアメーバ遊び!

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アメーバについて、息子が私に質問した時、私は実際の映像を見せてあげようとして、Youtubeで「アメーバ」と検索しました。

検索結果として並んだサムネイル画像の中に、「人の目玉」の画像も並んでいました。

息子の視覚にアピールされた「目の画像」は、息子にとって印象的だったらしく、「一回見たい、一回だけ見たい!」としつこい。

閲覧注意的な動画を幼児に見せるのは嫌だったので、映像として差し障りのない動画を選び、1つだけ一緒に見ました。

付けっぱなしのコンタクトレンズや保存液で増殖したアメーバの話が語られていましたが、音声は音楽だけで、説明は字幕だけ。

息子は流れる字幕が読めなかったので、息子に言葉で説明したのは、私です。

コンタクトレンズをしていないなら大丈夫。コンタクトレンズをしても、決まった時に外して、綺麗にすれば大丈夫。

息子は「〇〇すれば大丈夫」という言い方なら、安心する傾向にあります。

アメーバが目に入って、目が見えなくなることが、心配で心配でたまらなくなった息子に、大丈夫なのだと説明しました。

息子
コンタクトレンズをしないなら、絶対に絶対に大丈夫?

それでも心配でたまらない息子に、「コンタクトをしていないなら絶対に大丈夫か?」と念を押された時、

うーん。汚れた手で、目を触ったりしなければ、大丈夫。

と答えてしまったのです!

この結果、息子はアメーバの姿は分かったものの、

  • アメーバが目に入ると怖い
  • 汚い手で目を触ると、アメーバになっちゃう

という意識が、強く刻み込まれてしまいました。

強く「ダメ」と禁止すると、やはり脳内にインプットか

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強く「ダメ!」という禁止言葉を使うと、その時の言動に固執してしまい、わざと再現する衝動に駆られてしまう・・・という特徴は、今までご紹介したエピソードの通りです。

息子は、「汚い手で目を触るとアメーバになっちゃう」という不安でいっぱいです。

そんな時、泥だらけの汚い手で、目をこすっている息子を目撃して、

「だめ!手を洗ってから!」

と言って、息子の手をつかんでしまいました。

やばい!
もうちょっと”大丈夫感”を出して言えば良かった…。

と思うも、時すでに遅し。

息子
触っちゃった、触っちゃった、もう触っちゃった!

息子は、プチパニックでした。

汚い手で目を触っちゃいけない、という禁止事項が、脳内に更にインプットされてしまいました。

わざと”目を触ろうとしているパニック姿”を見せる!ストレスの現れ?

息子
あっ、あっ、あっ、あーーーーー!!!!

それ以来、「あっ、あーー!」と言いながら、左手の人差し指1本で左目の目玉を、右手の人差し指1本で右目の目玉を触ろうとする仕草をするようになりました。

自分の両指で両目を「目つぶし」しようとしているような仕草ですから、異様です。

冒頭で「私に見せつけている」という表現を使いました。

この「わざと目を触ろうとしているパニック姿」、私が気が付くまで続けるんです。

私が気が付かないと、私が気が付くように近くに来たり、「あっ、あーー!」の声を大きくしたりします。

それでも、何をやっているか気が付かずに、「なあに?どうしたの?」と反応していると、本当に両目の瞼を触って、「あーっ、触っちゃったー!!」と叫ぶんです。

この時点で、もう”アメーバ”は関係ない?

私が別の事をしていて自分にかまって欲しい時か、何か言ったのに私が聞こえなかった時か、何かに不安を覚えて心配になった時か・・・。

息子なりにストレスを感じた時に、

息子
あっ、あっ、あっ、あーーーーー!!!!アメーバになっちゃう!!

と言って、

わざと目玉を触ろうとしたり、本当に”瞼”を触ったりしている気がします。

今では定番の衝動「目玉を触ろうとする」パニックの対処法

今では、リビングで一人でお絵かきしている途中とか、一緒にお風呂に入っている途中に、「あっ、あっ、アメーバになっちゃう!」と突然言い出し、わざと目玉を触ろうとする衝動が始まります。

もはや定番の衝動ですね。

これが強迫性障害に関連するのか分からないけど、やらないと気が済まない衝動に駆られているのだと思います。

そこで、私がまた「ダメ」とか「やめなさい」という禁止文を言ってしまえば、この問題は解決しない。

直感で分かります。

息子の衝動としても”定番”になったので、今では私の対処法も”定番”になりました。

【対処法STEP1】共感フェーズ

また気にしちゃったの?今はアメーバいないから、大丈夫だよ。

衝動に駆られていること自体は否定せず、まずは認める。

何が気になっているのか、分かっているから大丈夫だと伝えることで、安心感を与える。

共感して、信頼を得る場面です。

【対処法STEP2】提案フェーズ

目を触りたくなっちゃっても、大丈夫だよ。ガードすれば、大丈夫だから。

次に、なぜ大丈夫なのか、伝える。
どうすれば大丈夫なのか、説明する。
実演が効果的です。

私が「ガード」と称して実演しているのは、”指が目に入る前に、目を閉じる”という仕草です。

「あ~」って指が入りそうになったら、ガード!!

そう言って、自分の指を目に向けて近づけながら、5cmくらい手前の所で、目(瞼)をギュっと閉じるところを見せます。

その後、綴じた瞼を指で触って、実際に”大丈夫な証拠”を見せます。

ほら、大丈夫でしょう?

【対処法STEP2】実践フェーズ

息子
待って、やってみる!

その戦法を真似してみよう!と思ってくれれば、成功です。

息子自身に、大丈夫な所以の仕草をやってもらい、「大丈夫なんだ」と安心してもらう場面です。

息子
こう?

息子は、私が実演で教えた戦法をマネするので、できたら褒めてあげます。

できたじゃーん!ガードすれば大丈夫だったでしょう?

両手でホッペを挟んで、褒めてあげる頃には、もうストレスや不安は和らいだのか、「わざと目玉を触ろうとする衝動」は終わっています。

本人が対処方法を学習すると、衝動も緩和する

息子は、指で目の中を触りたくなっても、触る前に「瞼でガード」すれば大丈夫だと学びました。

上記の衝動シチュエーション&対処方法を、何度か繰り返すうちに、本人が対処方法を学習している、と実感し始めています。

あれ?ガードすれば大丈夫だったよね?

最近は、息子の衝動パニックを目の前にしても、私が1から対処しなくても大丈夫。

「ガードすれば、大丈夫じゃなかったっけ?」と声掛けするだけで、息子自身が対処方法を思い出します。

息子
あ、そうだった!

「こうでしょ?」と言いながら、指が目に行き着く前に、瞼を閉じてから、自分の眉毛の下あたりを触っています。

1つの衝動パニックに関わる時間が、一段と減っているので、この衝動パニックの症状自体が、緩和されている気持ちになります。

この衝動に駆られている息子を見る頻度も、少なくなっている今日この頃です。


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