集団生活に不安がある息子は、いよいよ小学生。
みんなと同じように、入学式の1日を過ごせるのでしょうか?小学校生活の最初の大きな山場です。
今回は、入学式当日の流れを振り返り、対策・工夫・失敗したこと等をご紹介します。
※不安が強い子、行動が遅い子の対策として、少しでも参考になれば幸いです。
<強い不安対策>入学式の会場に慣れておく
息子は、急ぐのが苦手・煽られるとパニック・いつもと違うと不安・母親と離れられない母子分離不安症…等の特性があります。
そういう部分を早い段階でサポートして、スムーズに小学校生活に慣れるためにも、特別支援学級(情緒クラス)の在籍を決めました。
特別支援級の子は、「入学式の練習」に参加することができました。
この事前練習によって、入学式の会場と雰囲気に慣れ、これからお世話になる先生や支援員と顔を合わせ、同じ支援級の同級生と顔馴染みになり、少しの「安心」を手にすることができました。
そんな場所で、どこに座り、どんな先生や友達がいて、どんな流れで入学式が行われるのか。
これらがザックリ事前に把握できたことは、息子にとって安心感に繋がりました。
支援級に在籍しないと、入学式の事前練習に参加できない小学校もあると思います。
その場合は、小学校に事情を説明して、入学式会場となる体育館を見せてもらう等、個人でできる範囲の対策をして、安心効果に繋げると良いと思います。
※入学式の基本的な流れ・持ち物・みんなに共通する注意点などは、上記ブログ記事にまとめました。
リライト中ーーー。↓↓ 分かり辛いので、後日もう少しキレイにまとめますね m(__)m ↓↓
小学校は親がトイレに付添えない!卒園式と同じ服装でも油断禁物
入学式で着る洋服は、新調しますか?卒園式のスーツと同じですか?
息子は、靴下を除いて「保育園の卒園式と同じ服装」で、小学校入学式に臨みます。一度は「本番」で着ているスーツだから、入学式の服装について完全に油断していました。
サスペンダーをしていたら、一人でトイレに行けないよね!?
入学式前日の夜になって初めて、「サスペンダー付きズボンってヤバイよね?」と気が付きました。ズボンにサスペンダーが付いていたら、息子は一人でトイレに行けないのでは!?と。
息子はサスペンダー付きのズボンを履いて、保育園の卒園式に参加し、トイレにも行きました。
だけど卒園式の時は、保護者が付き添いでトイレに行きました。親が脱いだジャケットを持ってあげて、サスペンダーを肩から降ろしてあげて、ズボンを自分で下ろせる状態にしてあげて、というサポート付きでした。
この時、息子はまだ、フックとファスナー付きのズボンを履いたまま、ファスナーだけを下ろして自分で社会の窓を作って用を足す、という方法ではおしっこができなかったのです。
※ズボンを膝まで下ろし、パンツの社会の窓から用を足すのはできる。
サスペンダーをしていたら、一人でおしっこができないよ!
小学校は(入学式も)、親がトイレに付添いません。息子がトイレに行きたいと思ったタイミングで、一人でトイレに行くには、サスペンダー付きのズボンじゃダメだ。ゴムウエストの普段のズボンのように、そのまま膝までずり下げられる状態にしなければ。
入学式はもう明日。今から息子に、新しい何かを練習させても混乱するだけだ。
ということで入学式は、卒園式と同じズボンを「サスペンダーなし」で履くことにしました。
ズボンはウエスト幅のアジャストが可能で、「ウエスト調整ゴム」が付いていました。これを一番キツイ所で調整し、きつくも緩くもない塩梅にしました。歩いた時にずり落ちず、トイレの時はそのまま下ろせる具合です。
卒園式ではサスペンダー付きではいたスーツのズボンですが、小学校の入学式ではサスペンダーを外して臨みました。
入学式の服装が、卒園式と同じ場合でも、油断は禁物。トイレに行くところまで、行動シミュレーションしておくことをお勧めします。
用を足した後、一人で身だしなみを整えられるか?
ポケットにハンカチ・ティッシュは入るか?
ジャケットは脱げるか?
ジャケットを脱いでもおかしくないか?
座ったり立ったりできるか?
その服装でランドセルを背負えるか?
など
卒園式の時と何が違うか?に着目すると、その子に必要なチェック項目が見えてきます。
行動が遅い子は「入学式の服装」で歩くスピードを考慮する
自宅から学校まで、どんな服装で歩く練習をしましたか?
入学式の朝、早めに家を出たつもりでしたが、家族3人で歩き始めた時、予想以上の「歩みの遅さ」に愕然としました。
普段着で運動靴で、息子と手を繋いで歩く練習をした時、自宅から小学校まで約30分かかりました。大人が一人で歩けば、約15分の道のりです。この時の認識は「大人の倍くらいかかる、徒歩約30分」という見積でした。
しかし、どうでしょう。ランドセル姿で歩く息子のスピードは、想像以上に遅かった!
入学式当日は、私はスーツでヒール靴、息子は慣れないスーツと重たいランドセル姿、夫は汗をかくのが嫌いな人です。
とてもじゃないけど、見積もった30分で到着できそうなスピードではありませんでした。
「急いで歩く」はできても、「早く歩く」はもはや無理。家族3人でこのまま歩けば、30分どころか40分以上かかるでしょう。
息子は慣れないスーツ・重たいランドセル姿に加え、片手に慣れない上書き袋を持っている。更に不安な気持ち抱えて表情は暗い。もっと早く歩けなんて言えませんでした。
私は5分ほど歩いた所で、このペースの”ヤバさ”を察知。タクシーで行こうと夫に提案。

もしも、この時「もう少し様子を見よう」と歩き進めていたら、タクシーがつかまらない大通りに差し掛かり、残念な結果になったと思います。(しかも汗だくで)
タクシーに乗る決断をするなら、タクシー乗り場が近い今しかない。この早めの決断は、結果的に「吉」でした。
車窓から見える歩道に、入学式に向かう新入生ファミリー達が目立ち始め、「ここから歩けば間に合う!」という所に来ました。私たち家族3人はタクシーを降りて、途中から歩いて、小学校に向かいました。
最後は皆と同じ、歩いてゆっくり落ち着いて校門をくぐることができました。
★「入学式の服装」で歩くことを想定すること!
★「行動が遅い子」と一緒に歩くスピードで見積もること!
★校門前で記念撮影をする場合、更に時間に余裕をもつこと!
行動の遅い子が、クラス名簿で自分の名前を素早く探す対策
校門に到着後、すぐに受付に向かいました。
私は前日の「入学式の練習」で、当日の”大まかな流れ”を教わっていたので、貼り出された名簿で自分のクラスを確認して、該当クラスの受付テーブルに行ってから、名札類を受け取る手順を知っていました。
だけど(マンモス校では特に)、新入生名簿を貼った掲示板がズラっと並んでいて、行動の遅い子と一緒に手前の1組から順番に見ていくのはとても大変で、時間がかかる作業でした。
このまま何組なのか分からないまま、子供に自分の名前を探させると、えらい時間がかかります。
しかし、1つの行動が遅い息子は、周囲が急ぎたいタイミングに合わせて上手に急ぐことができません。「急げ」と仰げば、あたふたするだけで、肝心な「急いでほしい行動」はストップ。ここで急かせば、名前を探すどころか「早く早く!」と呟きながら文字が頭に入らない状態になるでしょう。
私は、夫と息子を「1組」の掲示板の前に残して、先行して息子が何組なのか把握しました。判明したクラスは、夫に耳打ち。
それから「自分の名前を探してね。何組かなぁ?」と息子に言いながら、本当はもう分かっているクラスの名簿前に連れて行きました。
そして、目の前の名簿を指差して、自分の名前を探すように促しました。

※息子は特別支援学級(情緒クラス)に所属しますが、普段は普通級で過ごすので、皆と一緒にクラス名簿に載っています。
息子は、自分の名前を自分で見つけて嬉しそう。
行動が遅い子の場合、親が先行してクラスを把握して、見付けやすい場所に誘導してから「自分で見つけた」を実現してあげる流れがスムーズでした。
そうすることで、とても早く見つけることができたし、本人も自信が高まって一石二鳥でした。
【入学式・式典】母子分離不安症の子が一人で新入生席に座れた方法
新型コロナウイルス感染防止対策のため、入学式当日は日程を3部構成【入学式】【学校探検(案内)】【説明会・呼名】に分けて、交代制で実施されました。
息子のクラスは、【入学式】からスタート。受付を済ませた後、体育館へ向かいました。
前日の「入学式の練習」で椅子に座る練習までした場所です。既知の体育館に、一緒に入る時はスムーズでした。
問題は、親がランドセルを預かり、子供だけが前方のエリア(新入生の座席)に行く時でした。
私と夫は、体育館後方の保護者席に残り、息子だけが前方の新入生席に座ると促された途端、「お母さんも!お母さんも一緒に!」と愚図り始めました。
「ここにいるから、大丈夫だよ。」となだめても、「一緒に!一緒に!」と言って、私にしがみついていました。
この様子を遠目で見ていた特別支援員が、じわりじわりと近づいて来ます。
もしここで、特別支援員が息子に声を掛けたら、息子は「自分とお母さんを引き離すために、自分を説得しに来た!」と察してしまうでしょう。
私は、こっちに来ようとする特別支援員に、手でストップ合図をして、「大丈夫です」と目配せしました。
そして息子に「ここでお父さんと待っててね」と言って、私が新入生席に行きました。
空いている椅子に座ってから、後方の保護者席にいる息子に手を振りました。
息子が手を振り返すのが見えてから、息子が待つ保護者席に戻りました。







そんなやり取りをしながら、息子はだいぶ「新入生の席」に行く気になっていました。
5mくらい離れて見守ってくれていた特別支援員に、「よろしくお願いします」と言って、息子を引き渡しました。
息子は、特別支援員に連れられて、”新入生の席エリア”に行き、空いている席に座りました。

息子は席に座ると、それから一度も振り返りませんでした。(上の写真)
ずっと前を向いて、式典が始まるのを大人しく待っていました。
【学校探検(校内案内)】初めての場所・行き先や予定が分からないと不安な子の対策
入学式の次の工程は【学校探検】でした。校内を案内されながら、教室に向かいます。
子供はそのまま列を作って校内へ、保護者は直接教室へ向かうルートです。
保護者は荷物を持ち、移動を始めました。子供は保護者席の横を通って体育館を出るので、私は息子が通る通路沿いに近づきました。

お友達の後ろに着いて歩く息子は不安そうでしたが、私が声を掛けると笑顔になりました。
息子は、先行きが分からないと不安が大きく、先行き分かれば安心する傾向があります。
これから自分はどこに行き、お母さん(とお父さん)はどこで待つのか。声掛けによって理解すると、少し安心したようです。
広がってしまったお友達との間隔を、華麗なステップと小走りで詰めて体育館を後にしました。
【トイレ対策】移動ポケットに○○ができない!?
私と夫は教室に行き、息子の席を探してランドセルを置きました。
保護者だけを対象に「休校中の課題(宿題)」や「預かり学級」について説明を受け、暫くすると子供たちが【学校探検】から帰ってきました。
自分の席には自分の親が座っているので、子供たちが自分の席を探すのは簡単でした。
席に座る役を私と交換する時、息子が「トイレに行きたい!」と言い出しました。
サスペンダーも外してあるし、ホック付きのズボンを下ろす練習もOK。でも、保護者が付添って勝手にトイレには行けないからどうしましょう?
そう思ってキョロキョロしていた時に、「トイレに行きたい人、いますかー?」と声が掛かりました。手を挙げたクラスメイトのうち男子は息子だけでしたが、廊下にいた男性教諭が連れて行ってくれました。
息子は、小学校のトイレで、一人で用を足すことができました。
だけど、この時「できない」と判明したことがあります。
それは…
移動ポケットにハンカチを畳んで入れること!
息子の小学校では、ハンカチ・ティッシュを持ち歩くのに「移動ポケット」を使います。
入学式の時点で、移動ポケットの”取り外し”自体は難しいので諦めていましたが、移動ポケットからハンカチ・ティッシュを”取り出す”練習はしてありました。
だけど、「ハンカチを使った後に、入る大きさに畳んで、元の場所にしまう」という練習をしていなかったのです!
保育園児の頃から、ズボンのポケットに丸めたハンカチを突っ込むことはできましたが、移動ポケットの仕切られた(マチの無い)隙間部分に入れるのが難しく、丸めたハンカチを移動ポケットに突っ込むことさえ、できませんでした!
・ハンカチ、ティッシュを取り出せるか
・ハンカチを畳んでしまえるか
・ティッシュを使った後、ゴミをどうするか知っているか
など
【初めての呼名対策】恥ずかしがり屋・声が小さい・場面緘黙な子は口パク練習で乗り切る
担任の先生が自己紹介を終えると、次は初めての呼名でした。
先生に名前を呼ばれたら、右手を挙げて「ハイ!」と返事をします。

私の方がドキドキしていましたが、息子は立派に返事ができて一安心です。
ところで息子は恥ずかしがり屋ですが、出席を取る時の「返事」だけは出来ます。
保育園生活で毎日呼名されて培った賜物ではありますが、実は恥ずかしくて小さな声でしか返事ができない時期もありました。
その時の対策を少しご紹介しますね。
私が先生役で出席を取り、息子が生徒役で返事をする練習…という一見ありきたりなロールプレイングですが、大きな声で返事できるように練習するのではなく、生徒役は「声無し」「口パク」で返事しなければならない、という方法がてき面でした。
「エア返事」というイメージでしょうか。これで先生役には「返事をしている感」を伝えなければならないので、けっこう難しいです。
面白おかしく出来た時ほど大袈裟に褒める、を繰り返していると、(天邪鬼な傾向もあるので)反発して逆に「大きな声」で返事をしたり、返事に続けて「元気モリモリです」「ヤバイです」など余計な言葉を大声で言い始めます。
「もっと小さな声で言って下さい!」と指示すると、更に大きな声で返事していました。→練習成功!
恥ずかしがり屋、声の小さい子、場面緘黙症があって上手く返事できない子が、入学式の呼名に備える場合、大きな声で返事ができるようにわざわざ練習する必要はないのかもしれません。
何かゲーム感覚な遊びを通して、いざと言う時には声が出る!という体験をしておくと「返事ができる」の近道にはなると思いました。
この入学式の後、「特別支援学級の入学式」がありました。
いよいよ、小学校1年生です!