毎年、必ず、人間ドッグを受けてきました。血糖値でひっかかったことは一度もありませんでした。
出産を終えたら、子宮を摘出することが決まっていた私は、妊娠が1つのゴールでした。
だから、妊娠さえできれば、特別な問題なく出産できるのだと思っていました。妊娠4か月(12週~15週)の時、妊娠糖尿病の診断を受けるまでは!
「妊娠糖尿病」と診断された時の記録です。
高齢出産となる妊婦は、75g経口ぶどう糖負荷試験が必須
妊娠4か月の時、75g経口ぶどう糖負荷試験を受けました。
そろそろ栄養指導が始まるという時期、75g経口ぶどう糖負荷試験を受ける機会を設けられました。
確か、35歳以上の高齢出産となる妊婦さんは、希望有無にかかわらず全員、検査が必要でした。
※既に持病として糖尿病がある妊婦さん、明らかに高血糖の症状がある妊婦さんは、更に高血糖を引き起こすリスクがあるため、必須ではありません。
私は当時38歳、立派な高齢出産です。
75g経口ぶどう糖負荷試験の検査方法
75g経口ぶどう糖負荷試験の検査方法は、以下の通りでした。
- 前日21時以降から検査当日の朝まで何も食べず、空腹のまま来院
- 採血して、血糖値を測る
- ブドウ糖液(ブドウ糖75gを水に溶かしたもの)を全部飲む
- 30分後に採血し、血糖値を測る
- 1時間後に採血し、血糖値を測る
- 2時間後に採血し、血糖値を測る
通算3時間ほど要する検査であるため、午前中いっぱいかかります。
共働き妊婦さんの妊娠4か月頃だと、多くの場合、まだ出産休暇に突入していないため、仕事を休む(もしくは午前休)ための調整が必要です。
妊婦に厳しい!「妊娠糖尿病」の判定基準
私は、年に一度の人間ドッグを必ず受診していて、血糖代謝に問題があったことなど一度もありません。
そのため、この75g経口ぶどう糖負荷試験の判定が、「陽性」になるなんて想像すらしていませんでした。
結果的に「想定外」の出来事だったのです。
一般の判定基準よりも、妊娠中の判定基準は、厳しいものでした。
妊娠中の判定基準 | 一般的な判定基準 | |
早朝空腹時 | ≦95mg/dl | ≦126mg/dl |
空腹時 | ≦100mg/dl | |
食後1時間 | ≦140mg/dl | ≦200mg/dl |
食後2時間 | ≦120mg/dl |
これを1つでも超えると、「糖尿病」と診断されます。
私の場合は、食後1時間の血糖値が140を超えていました。
食後2時間では、あと少しで120に到達してしまうギリギリのところでした。
空腹時の血糖値は、いつも人間ドッグの結果から想定できる通り、90前後でした。
食後1時間の判定だけ、満たすことができませんでした。
妊婦のために、厳しく特別に設けられた「妊娠中の判定基準」を満たせなかったことにより、妊娠糖尿病と判定されました。
「いつもの血糖値」の”落とし穴”を知る
「いつも血糖値は90くらいだから問題ないや」と思っていても、それは空腹時血糖値であり、食後2時間値は問題ある人もいます。
「血糖値が200を超えるような値じゃないから絶対大丈夫だ!」と思っていても、ブドウ糖を75gも摂取した1時間後に、200になってしまう人もいます。
自分の血糖値が、食後どれくらい上昇するかなんて、普段の人間ドッグでは分からないし、朝食を抜いた状態で測定される血液検査では、空腹時の血糖値しか分からないのです。
空腹時の血糖値が125mg/dlを超えるまで様子を見ていたら、食後1時間値・2時間値はあっという間に200mg/dlを越えてしまうかもしれない!
年々、空腹時血糖値が上昇し続けている、体調不良の自覚症状に糖尿病の特徴が表れている、など少しでも自覚できることがある場合は、ブドウ糖負荷試験を覚悟でお近くの病院に行きましょう。
私は妊娠前、空腹時血糖値が、75mg/dl~90mg/dlの間を推移していました。しかし毎年、人間ドックを受けるたびに少しずつ上昇していました。
妊娠前に、食後の血糖値(1時間値・2時間値)を測定する機会はなかったため、その値を知る由もありません…。
「妊娠糖尿病になりやすい人の特徴」は当てはまらない!高齢出産のリスクを実感
一般的に、妊娠糖尿病になりやすい人の特徴に対して、私の特徴を当てはめてみます。
<妊娠糖尿病になりやすい人の特徴>
- 糖尿病の家族、血縁関係のある親族がいる。→×
- 肥満である。→×
- 妊娠中に体重が急増した。→×
- 35歳以上の高齢出産である。→〇
- 過去の出産で、巨大児を出産した。→×
- 尿検査で、尿糖の陽性が出ていた。→×
妊娠糖尿病と診断された私が、当てはまる項目はただ1つ。「35歳以上の高齢出産である」ということだけです。
<私の特徴>
- 糖尿病の血縁関係者はいない。
- 肥満どころか、やせ型。
- 妊娠中の体重増加分は、赤ちゃんと羊水の分だけ。
- 38歳後半の高齢出産
- 今回が初めてのお産
- 尿検査で陽性だった経験はない。
高齢出産は、自分が思うよりも、出産に影響を与えるものなのかもしれません。
高齢出産に臨むということは、もっと気を引き締めないといけないのかもしれません。
スタイル、体力、筋力、気力、健康・・・。何に自信があるのかは人によって違いますが、高齢出産である事自体、既にリスクを負っているのです。
積み重ねた年齢や生活習慣が、卵子や子宮に与えてしまった影響は、自分でさえ分からないのだから…。
再検査なし。この日から妊娠糖尿病の妊婦に!
75gブドウ糖負荷試験の再検査はありませんでした。
陽性判定の結果を受けて、栄養管理用の小部屋に移動し、「妊娠糖尿病管理スケジュール概要」なる用紙を渡されました。
用紙のタイトル部分に、「糖質制限用」「初期診断」と太字で書かれた文字があり、まさかの判定に気持ちの整理もできないまま、現実を突きつけられました。
管理栄養士さんに言われるがまま、「妊娠糖尿病管理スケジュール概要」用紙に、自分の妊娠週を書き込みました。
さっそく今週から始まり、このスケジュールが終了する時には、妊娠34週を迎えて出産間近なんだなぁ…。
私は、妊娠糖尿病患者として、過ごすのか…。実感がないまま、血糖値の落とし穴に落ちた気分でした。
数日後、妊娠糖尿病と診断された妊婦さんだけが招集される「妊娠糖尿病管理に関する説明会」に参加します。
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