食物アレルギーがあると、保育園に入れるのか不安でいっぱい。
息子の保育園選びでは「アレルギーがあっても入園できるのか」ばかり考えていました。
結果的に、息子は複数の食物アレルギーがあっても保育園給食をモリモリ食べ、無事に5年間を過ごします。
そこで、保活時代に注目したこと/見学時に着目したこと/園児時代に感じたポイントなどをピックアップしてまとめました!
食物アレルギー対応に対する”雰囲気”を早めに探る
保活となると、食物アレルギーがなくても気になることは盛りだくさんですが、食物アレルギーがあるからこそ気になることは、早めの確認がお勧めです。
特に、食物アレルギー対応について前向きなのか消極的なのか、その雰囲気はとても重要。
だから、細かい疑問や確認は見学/説明会などで聞くとして、まずは早めに「食物アレルギー対応ってどんな感じ?」を探りたい。
・食物アレルギーがある子が、在園しているか。
・〇〇アレルギーがある子が、在園しているか。
・給食に該当アレルゲンが使われる場合の基本方針(代替対応、除去対応、代替弁当)
上記のような基本的なことは、電話やメールで確認しておくと、その返事っぷりで「ここはダメだ感じ悪い」「ここは良さそう優しそう」みたいな雰囲気が分かります。
保育園にとって初の○○アレルギーか?
息子が通った保育園には、息子より先輩園児に卵アレルギーはいましたが、小麦・乳製品アレルギーは初めてでした。
しかも小麦・乳・卵・ゴマ・ナッツ類というマルチアレルギーな子供は、保育園にとって前代未聞。
当然、経験のないことは変に構えられたり拒否されたりと後ろ向きな傾向にあるので、自分の子供のアレルギーが保育園にとって既に身近なのか初めてなのかは、けっこう重要だったりします。
そこで相手の現状をまず把握しましょう。
相手が変に構える前に、こちらの言い方を工夫することができます。
実際、栄養士さんが不安がる前に、「基本は小麦粉は米粉、牛乳を豆乳に代替するだけですし、慣れるとけっこう普通なんですよ。」みたく伝えることができました。
安心を謳う「保育アイテム」は食品由来?
保育園で扱う玩具や文房具類は、「お子様に安心」と謳う商品があり、その根拠が「食品成分を使っているから」と言う場合が多いです。
子供たちの安全を考えてくれている保育園ほど、そういう「安心・安全なアイテム」を取り入れている確率が高いので注意しよう!
私を震撼させたのは、小麦粘土(こむぎねんど)。
保育園側が全園児の人数分を買い揃えてからでは遅く、「一人だけ違う」に繋がってしまうので、扱う保育アイテムに食品由来のものがないか事前確認しておくと良いと思います。
※息子の保育園では「油粘土」、自宅では「お米のねんど」を使いました。
「食品を使う時間」に対する姿勢
それから息子の保育園では、ヨーグルトを使う「ラッシー作り」という食育保育がありました。
乳製品であるヨーグルトを使ったラッシー作りの時間、息子は「豆乳グルト」を使ってラッシーを作りました。
テーブルは皆とは別でしたが、みんなと同じ部屋で同じ作業ができるように計らってくれました。
前述の「小麦粘土」についても、前例では小麦粘土を使う時間に、息子が在園する間は「洗剤と片栗粉を使ったスライム作り」になるなど、合理的配慮がありました。
注目すべきポイントは、「使うか/使わないか」ではなく、「使う時にどうするか」という保育園側の姿勢だと思います。
「なるべく皆と一緒に」を考えてくれる保育園なのかどうか、見抜けますように。
食育イベントなど「食材の扱い」

食育イベントがない保育園を探す方が難しいであろう、恐らく入園後に食育イベントがあると思います。
息子の保育園には、園庭の片隅に「畑」があり、朝の水やりを手伝ったり、野菜を収穫したりする活動がありました。
一方、Xをやっていて驚愕したのは、「園児が散歩しながら草を摘んで食べる」(!?)というもの。びっくりですよね。
食物アレルギー児の親としては、どんなことが待ち受けているのか?事前に確認したいです。
夏祭り・運動会・遠足などの年間行事…食物アレルギー児の参加方法
運動会や遠足など保育園の一大イベントについては、見学や入園説明会でも話題に挙がると思いますが、食物アレルギー児の親としては、もう少し踏み込んで気にする必要があります。
そう、各所で「食べる」場面あり。
屋台で売られる食べ物がすべて制作物(紙製)だった夏祭りでさえ、おやつが振舞われる時間がありました。
遠足では当然お弁当タイムがあるし、キウイアレルギーなのに「遠足」でキウイ狩りに行かれても困りますよね。
年間行事の各イベントと照らし合わせて、食物アレルギー児の参加方法が事前チェックできると良いと思います。
自走式(自園の給食室調理)か給食センターか?

アレルゲンの除去や代替え対応は、保護者と栄養士(調理士)さんが直接コミュニケーションとれる環境にあればあるほど、安心度も高い。
給食が「園内にある調理室」で作られているか、給食センターなどで一括料理され搬入されるのか?
食物アレルギー対応そのものに影響してくるので、絶対に確認!
私のお勧めは、自走式(保育園の調理室で給食を作る)です。
保育園で【初めて食べる食材】に関する対応
食物アレルギーじゃなくても、「初めて食べる食材」は緊張します。

息子が通った保育園では、園長先生は上記のような言いっぷりだったのですが、実際には「献立表を見て、食べられるor食べられないを保護者が事前確認する」という感じでした。
ともあれ、「初めての食材」に対する方針がある保育園は、好印象。
私は、息子にとっての「初めての食材」が給食に出る場合、その日までに自宅で食べて確認しました。
未確認だったり不安があったりする食材は、除去対応してくれる保育園でした。
アレルギー対応は「除去」だけでなく「代替え」してくれる?

「みんなと一緒に」を目指すなら、アレルゲンの『除去』だけではなく、『代替え』対応をしてくれるか、は重要です。
代替対応は、除去だけに比べて明らかに「皆と同じような給食」を再現できます。
息子が通った保育園では、麺類の給食も「米粉麺」、パンも「米粉パン」に代替えしてくれたので、いつもみんなの給食と「パッと見、同じ」でした。
食物アレルギー対応は、安全面を最優先して「除去のみ対応」という保育園も多いです。
だけど
除去なら除去なりに、除去しか出来ないから「保育園側はどうするのか?」には要着目!
「プリンが除去だと何もないので、おやつを持ってきて下さい」と言ってくれるならまだ良心的だし、何も相談なく「プリンが除去だったので、おやつは水だけでした」的に事後報告してくる園は入園しちゃダメです。
「なるべく皆と同じメニューにするためにはどうするか」を一緒に考えてくれる保育園に、出逢えますように。
アドレナリン自己注射薬「エピペン」の管理
もしもに備えて、エピペンの管理方法や緊急時のアレルギー対応について確認しましょう。
息子が通った保育園では、エピペンは事務所保管でした。
毎朝エピペンを持参し、事務所に預けて、夕方帰る時に受け取って、持って帰る。この繰り返し。
注射針が内蔵されているエピペンが、小さな子供のリュックに入れっぱなし、というのも怖かったので、事務所保管で良かったです。
緊急時に使うエピペンが、いざ使う時に、あるはずの場所に「ない!」という事態は怖いですよね。
園児のリュック内だと、悪意はなくても紛失の可能性があるため、私は事務所で保管してくれる保育園を推します。
緊急時のアレルギー対応マニュアルが存在するか
食物アレルギーでの有事は、普段の給食対応自体とは違って、臨時の緊急対応。
その時に何をするべきか、それぞれの関係者がテキパキと動くためには、事前準備が必至です。
どんな症状が出た時に、どんな処置をするのか。これが事前に決まってないと、いざと言う時に(あわてて)出来るわけがない。
というわけで、必要なのが「緊急時のアレルギー対応」。一般的には、食物アレルギー緊急対応マニュアルの準備と事前共有です。
息子が入園する時、保育園には緊急対応マニュアルは存在しませんでした。
そのため、私はエピペンと一緒に、自分で用意したマニュアルを入れておきました。
いざと言う時には、まず「事務所に預けたエピペンポーチ」を開ける!…それが初動のイメージ。
食物アレルギー緊急時対応マニュアルは、
【東京都の公式マニュアル】
fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/allergy/pdf/pri06.pdf↗
をベースに作ると便利です。
後からでも簡単に作れるので、まずは保育園でマニュアルの存在有無を確認し、なければ一緒に用意していく協力態勢が大事だと思います。
誤食や震災時に駆け付けられる距離
自宅と保育園の距離感は、食物アレルギーじゃなくても気にするものですが、食物アレルギーがあると保育園から呼び出しを食らう確率が(他の子よりも)高いので重要です。
食物アレルギーがあると、誤食時はもちろん「蕁麻疹が出た」という場面でも電話がかかってくるし、実際に何度かアレルギー起因で駆けつけました。
アレルギー関係だと必要な資料や診察券を取りに自宅に寄ってから保育園に向かうことがあります。
普段のお迎えであれば職場→保育園の動線重視ですが、食物アレルギーっ子が誤食時に病院に直行する動線も想像しておきたいです。
また、震災時には(他の子以上に)災害食がアレルゲン入りで食べられない等のリスクが高いので、保護者が万が一の時に駆けつけるシチュエーションを視野に入れておこう!