食物アレルギーがある子の就学準備は、最初に関係書類の提出があり、次に「面談」がありました。
このアレルギー面談は、学校給食の食物アレルギー対応について、学校側と保護者が個別に打ち合わせできる絶好のチャンスです。
今回は、食物アレルギー面談に関する詳細と、アレルギー対応に関する確認事項をまとめました。
学校給食のアレルギー対応面談は、いつ頃?
入学を控えた3月の初旬から中旬にかけて、学校給食の食物アレルギー関連書類の提出があり、次に個別面談がありました。
私の場合は、提出した書類の中に「面談の希望日」を記入するシートがありました。
面談の希望日は、3月10日以降~月末日までの日付を書くように指定がありました。つまり、この期間が面談実施時期です。
ここに書いた日時の中から、学校側が調整して、保護者に連絡をくれます。
その日時に保護者が学校に出向き、面談を行う…という流れです。
しかし、息子が入学した年は、新型コロナウイルス感染防止対応のため、卒業から入学シーズンにかけて休校。学校行事や各種イベントの予定が例年通りに進まず、食物アレルギー対応の個別面談も、4月に持ち越されました。
”面談希望日シート”には、3月10日以降から月末日までの日付を書きましたが、実際の面談日は4月中旬の平日でした。
このように、開催時期がずれ込む例外もあります。
※面談日時については、学校から保護者に連絡がくる。
※給食開始日が5月以降になる場合は、面談が入学後(4月)に持ち越される事例あり。
息子の入学当時は例外が多く、入学後の4月時点で「給食がいつから始まるのか」目途が立っていない状態でした。そのため、「食物アレルギー個別面談は(入学式後の)4月に入ってから実施」という例外的なスケジュールで進みました。
例年では、「給食が始まる1ヶ月前くらいに面談がある」ということです。
学校給食のアレルギー対応面談の「場所」
食物アレルギー対応に関する個別面談の場所は、学校によって違いますが、同じ学校であっても異なる場合があります。
私の場合は、なんと、事務室前で立ち話!
コロナ禍で、学校は休校、教職員もイレギュラー対応に追われる…という異例な背景もあったのですが、「玄関先で立ち話」には驚きました。
校内に立ち入らず、来賓・来客が受付する事務室の前で、立ったまま面談するという展開。
例年であれば、会議室や職員室前の打ち合わせテーブルで実施しているとのことでした。
・打ち合わせテーブル
・応接室
・教室
・(例外的に)廊下や玄関で立ち話!
※面接の場所は、その時々で変わります。
学校側から誰が参加?アレルギー対応面談の参加者
文部科学省の「学校給食における食物アレルギー対応指針」を見ると、『面談は管理職及び実務者(栄養教諭・学校栄養職員、養護教諭、学級担任等)が必ず出席して行います。』と書かれています。
だから面談をやる前の私は、教頭先生・栄養職員(学校給食の管理栄養士さん)・養護教諭(保健室の先生)・担任の先生…あたりが出席するのだと思っていました。
だけど、実際の面談は「事務室前で立ち話」だったので、そこに関係者が勢揃いするはずもなく、学校側の参加者は結局、栄養職員(給食の献立を作る管理栄養士さん)だけでした。
本来であれば、学校給食の献立・調理に関するアレルギー対応の他に、学校全体としての方針や考え方、エピペン等の薬品の取り扱い、アレルギー事故時の対応、教職員への情報共有…などなど、面談の場で打ち合わせする情報がたくさんあるはずです。
これらを一気に「面談」で共有&討議するためには、上のガイドラインにあるような関係各位が参加する必要がありますよね。
私の今回の面談(立ち話)は、純粋に「給食をどうするか」という視点でした。学校給食の献立や調理に関する話だったので、給食担当の栄養職員だけで成り立つ内容でした。
この”立ち話”で打ち合わせできなかった他の内容については、後日別のタイミングで他の関係者と相談することになります。
・栄養教諭:給食の献立や調理について
・養護教諭:エピペン等の薬や救急に関わること
・学級担任:給食時間の配膳、食品を扱う授業、誤食に備えた体制など
※面談の参加者は、面談で確認すること・打ち合わせ内容によって変わってきます。
アレルギー対応面談は1回じゃない!?形式もさまざまで…
ガイドラインで言う面談は、関係各位が一度に集結して、確認事項を一気に話し合って合意する形を想定していると思います。
私の場合は、コロナ禍という背景があり、一度に大人数が集結する面談は中止でした。もしかすると、今後はこの形がニューノーマルになるかもしれません。
実際には、面談がいくつかの「打ち合わせ」という形に分割されて、その時の議題で必要な参加者と対談するという感じでした。
「給食関連は栄養士さん」「薬や緊急時の対応関連は保健の先生」「給食時間の体制や給食以外のリスクについては担任の先生」という感じで、面談内容に合わせて、個別の打ち合わせが段階的に行われました。
未確認の内容は、後から電話がかってきたり、こちらから電話で確認したりしました。
結果的に、本来は面談で行う確認内容が、電話で済んだものもありました。「食物アレルギー緊急対応マニュアル」の情報共有などは、保健教諭との電話でやり取りしました。
担任の先生に対しては、1学期始まってすぐにある個人面談で、アレルギーに関する確認もしました。
食物アレルギー面談は、関係者全員が一堂に一堂に集まって、全てを一度に決定するのではなく、基本的なことは面談で決めておき、あとは都度、必要な関係者と話して決める…という形式でした。
面談で心配ごと”全て”を解決する必要はない
結局、私の場合は、入学後に分かったことが多いです。
アレルギー対応面談で未確認だったことは、後から電話で確認したり、連絡帳を使って担任の先生経由で確認したり、どうにかなりました。
だから、初めての学校給食で、食物アレルギー対応について心配も確認したいことも山ほどありましたが、アレルギー対応面談1回で全てを解決しなくても大丈夫でした。
ただし…。月ごとの給食献立表チェックでは、給食の前日になってバタバタした経験もあり、アレルギー対応面談のタイミングでもっと知っておけば、アレルギー対応がもっとスムーズだったかもしれません。
「何を確認すべきなのか」という全容が事前にもっと整理できれば、不安が一気に和らいだと思います。実際に、アレルギー対応面談のタイミングで質問できて解決に至った心配事は、一気に解決して安心できました。
ということで、次の章からは、入学後に分かったことをまとめて、「食物アレルギーに関する確認事項」をご紹介。
実際にアレルギー対応面談で確認したこと、面談後に気が付いて確認したこと、入学後に判明して打ち合わせたこと等々、まとめて終わります。
学校給食アレルギー対応確認事項1.給食調理について
確認先:栄養教諭
該当アレルゲンを含む献立メニューが出る日に、「全部弁当」か「給食で食べられるメニューだけもらう(食べられないメニューだけ弁当持参)」が可能か。そもそも、食べられるメニューがあるのか。
これを判断できる情報が得られるよう、確認事項を準備します。
- 除去対応、代替食対応に関する基本方針
※これによって、以降の質問が異なるため、学校給食側の基本方針を必ず知る。 - 完成品(仕上がったメニュー)の除去対応の可否。
本人が取り除ける場合は、自己除去対応が可能なのか。
例:ゆで卵、うずら卵、上に乗ったゴマ粒、乳成分を含むかまぼこ、等 - カレー、うどん、丼、など「主食」と「主菜」が同じ器に盛り付けされるメニューの場合、どのように配膳される?(ライスのみ提供可能か、弁当容器をどうするか、等の判断材料となる質問)
- 主に丼系メニューで、ライスが別の配膳か、ライスと混ぜて配膳か、提供状態を保護者が把握する方法
- 揚げ油の状態は?小麦粉の衣も素揚げも共有?
など。
学校給食アレルギー対応確認事項2.献立表チェックについて
確認先:栄養教諭
献立表のチェック方法がイメージできるまで確認する。この献立表チェックによって、保護者が「給食」か「一部代替弁当」か「全部弁当」かを判断できることが重要です。
全員に配る献立表とは別に、食物アレルギー確認用の献立チェック表が作成・配布されるパターンが多いです。
息子の小学校では、初年度は「食物アレルギー対応チェック用献立表」、次年度からは「食物アレルギー確認用詳細献立表」と呼ばれました。
これ1つで、食材から加工品・調味料まで、アレルゲンの含有が把握できるのかイメージしながら、様式について確認します。
- メニューごとの成分(原材料)が明確なリストなのか?
- 使用する調味料、加工品、メーカー半製品は明確?
- 使用する調味料の成分表記は?(※1)
- 使用する加工品の成分表記は?(※1)
- メーカー半製品の成分表記は?(※1)
- 献立表チェックのやり取り方法
- 献立表チェックの記入方法
(※1)成分表記されない場合、どうやって含有アレルゲンを把握するか、打ち合わせる。
私は、献立表チェック表に成分がリストに表記されない「加工品」「調味料」については、栄養士さん経由で原材料一覧を取り寄せてもらい、一品一品確認する方法を取っています。
「調味料」や「加工品」は、一度確認できれば、仕入商品が変わらない限り同じなので、「対象商品が変わった場合は、原材料を確認するため、連絡をもらう」という取り決めにしました。
学校給食アレルギー対応確認事項3.パック牛乳について
確認先:栄養教諭、学級担任
乳アレルギーの場合、給食牛乳は年間通して停止処置がとれます。給食時間に、パック牛乳が本人には配布されませんが、他の生徒は飲んで片付ける状況であることを考慮して、確認します。
- 牛乳に混ぜる「ミルメーク」が出た時の代替飲料(※ミルメークは味によって乳成分不使用)
- 「ミルメーク」のみ、配布&豆乳に混ぜる(もしくは持ち帰り)が可能か
- 牛乳パックをリサイクルする作業(開く作業)について
- 牛乳の配膳、片付けに参加するか
など。
学校給食アレルギー対応確認事項4.代替弁当と給食時間に関わること
確認先:学級担任
持参した代替弁当の取り扱い、給食時間の過ごし方について、保護者がイメージできる状態にします。みんなの給食の流れを邪魔せず、本人がスムーズに行動できるよう、あらゆる基本方針を打ち合わせておきます。
- 代替弁当の置き場所
- 給食を食べる席
- 今日は「全部給食」か「一部給食・一部代替弁当」か「全部弁当」か。どのメニューが給食で、どのメニューが代替弁当なのか。本人も先生も間違わず、周囲も把握できるための方法
例:給食カード、アレルギー対応プレート、マーカーチェック済の献立表、アレルギー対応メニュー一覧表、etc - 給食当番
- 配膳の順番
例:息子の場合は、一番先に並んで(先頭で)配膳開始 - お弁当箱のまま食べるか、給食の器にあけるか
例:カレーの場合は、「学校の皿」にライスを入れてもらい、持参したルーをかける。
例:スープの場合は、「持参したスープジャー」でそのまま飲む。 - 「全部弁当」の日に、フォーク&スプーンが借りれるか
- クラスメイトが牛乳や食べ物をこぼした時の対応
- クラスメイトの食べこぼし&付着などで、アレルゲンに接触しそうな恐れがある時どうするか
など。
学校給食アレルギー対応確認事項5.アレルギー事故・緊急対応について
確認先:保健教諭、学級担任、栄養教諭(校長、教頭)※関係者全員と決定事項は共有
万が一、誤食・ヒヤリハットなどのアレルギー事故が起こった場合に備えて、方針や体制を決めます。食物アレルギー緊急対応マニュアルを作成・共有・対応できる体制にしてもらいます。
- 持参薬の共有
- エピペンと内服薬の保管場所
- 食物アレルギー緊急対応マニュアルの作成、内容確認
- 搬送先や主治医について
学校給食アレルギー対応確認事項6.食品やトレーを扱う活動について
確認先:学級担任
給食以外の時間帯にも、食品・牛乳パック・卵パック・食品トレーなどを扱う活動(授業)があります。
入学時に全てを把握するのは難しいので、就学タイミングでは「今後、その機会ごとに、詳細対応を決める」という認識を互いに持っておくことが大切です。
- 食品を使う授業
- 牛乳パックや食品トレーを使う活動
- 洗浄済みか否か
- 工作の場合
- 水遊びの場合
例:牛乳パックの工作は可能だが、水を入れて身体に浴びるのはNG、など - 遠足や校外学習の弁当・おやつ
- (高学年の場合)調理実習
など。
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