アレルギー経口負荷試験の様子を綴ったブログです。
2018年7月、クルミの経口負荷試験を実施しました。
残念ながら、アナフィラキシーショックを起こしました。結果的に、ボスミン注射(エピペンの注射版)を2回打つ重症でした。
現時点のアレルギー種類と状況
4歳7か月現在
小麦
- 完全除去
- 2018年7月下旬に、0.1gの経口負荷試験を予定
- その後、0.1gの経口免疫療法へ
乳
- 完全除去
- 0.4gの経口免疫療法中
ごま
- 完全除去
ナッツ類
- アーモンド・プードルのみ摂取経験あり(症状なし)
- その他は未摂取
- アレルギー血液検査結果は、小麦・乳の同等レベル
→自宅で初めて食べるのは危険であり、アレルギー経口負荷試験が必要。
クルミ経口負荷試験は入院で対応
息子の場合、過去のアレルギー経口負荷試験の履歴から、クルミ経口負荷試験を「外来」対応で実施するのは危険と判断されました。
「日帰り入院」で実施しました。
外来で、検温・体重測定・血圧測定を済ませ、いよいよ病室へ。
アレルギー経口負荷試験は、時間がかかるため、お気に入りのオモチャ・幼虫図鑑・折り紙・お絵描きグッズを持ち込みました。
クルミ経口負荷試験の方法
砕いたクルミを使用します。
20分毎に、0.1g・0.2g・0.5g・1g・2g・・・と、合計5回、全3.8gを食べる検査です。
アレルギー反応が出た時点、もしくは規定量まで食べられた時点で、検査は終了です。
クルミ経口負荷試験の準備
経皮感作によるアレルギー発症のメカニズムが、解明されてきた現在において、アレルギーっ子の皮膚状態をキレイに保つことは必須です。
そして、なるべくアレルゲンが、皮膚につかないようにすること。これが大事です。
「泡立て講座」で警戒心を和らげる
まずは基本中の基本、ゴシゴシせずにフワフワの泡で優しく洗う事の大切さについて、説明を受けました。
次に、ボディソープをビニールに入れて、振って泡立てる実習をしました。
息子も楽しく、フリフリ。
クルミ経口負荷試験への警戒心が、少し和らぎました。
食べる前に「プロペト」を塗る
いよいよ砕いたクルミ「0.1g」が運ばれてきました。
アレルゲンが出来るだけ直接つかないように、予め処方されて渡されたプロペト(白色ワセリンを精製した物)を口周りに塗りました。
準備完了です。
経口負荷試験1回目・クルミ0.1g
9:30過ぎ頃。砕いたクルミ「0.1g」をスプーンで食べました。
と言うので、お水を飲み、ブクブクうがいをしました。
9:50頃には、「かゆくない」と言っていました。
幼虫図鑑を見ながら、お絵描きをする余裕がありました。
経口負荷試験2回目・クルミ0.2g
粒々のクルミだけでは食べにくいし、口腔粘膜に直接刺激してしまうため、看護師さんがジャムを持ってきてくれました。
10:00頃、砕いたクルミ「0.2g」を、ジャムと一緒にスプーンで食べました。
ドキドキしながらも、口腔内の過敏だけで、お腹に入れちゃえば大丈夫かも?と少し期待しました。
経口負荷試験3回目・クルミ0.5g
10:20頃、砕いたクルミ「0.5g」を、ジャムと一緒にスプーンで食べました。
暫くは症状はありませんでした。
10:30頃、「ウンチ」と言うのでトイレに行きました。
無事に排便したものの、喉をボリボリ掻いているではありませんか。
見ると、首にすっごい蕁麻疹!
経口負荷試験は終了
慌てて病室に戻り、「蕁麻疹が出てきました!」
医師と看護師さんに、息子の体を見せました。目の周りにも、プクプクと蕁麻疹が出始めています。
この時は、まだ本人は、「かゆい」と言いながら、あちこちをポリポリ掻いている程度。
私も、皮膚症状だけで咳が出ていなかったため、まだ精神的には余裕がありました。
小麦・乳・ゴマの経口負荷試験では、必ず蕁麻疹と共に咳が出始めて「ヤバイ」と思えるタイミングがあったからです。
医師も、皮膚症状だけだったら「怖い症状ではない。様子を見ましょう。」という姿勢でした。
クルミ経口負荷試験は、全量0.8g(0.1g+0.2g+0.5g)を食べた段階で、終了です。
蕁麻疹が悪化・広がる
11:00頃、蕁麻疹は、ひざ裏・お腹全体・耳下などに広がりました。
経過観察、写真撮影(記録)は、ここまでです。
(あとは思い出すだけでもドキドキします。)
我慢できない痒みに暴れる
息子は、痒みが我慢できず、グズリながらあちこち引っ掻く。
医師、看護師、私の総出で、息子の体をなでなで、なでなで、痒みを和らげる対処。
医師、「薬、飲みましょう。」
黄色い粉薬(アタラックス-P散10%)を水に溶いて、注射型のスポイトで、息子の口に注入。
アナフィラキシーショック症状(1回目)
頓服薬を飲み、「もうすぐカユイカユイなくなるからね。」と励ましていると、急にコテっと寝てしまった。
あれ?あんなに痒がっていたのに、急に寝ちゃった?
医師、「ボスミン注射!」(看護師に向かって叫ぶ)
医師、「お母さん、注射します。エピペンと一緒です。いいですね?」
医師、「ゆき君!ゆき君!注射するよー。」(息子のホッペを軽くペチペチしながら)
息子は、先生の呼びかけと「注射」という単語に反応して、目を開けました。
医師、「今の状態だと、眠ったのか、意識なくなったのか、分からないから。意識なくして心肺停止が一番怖いから。とにかく意識を戻して。」
あれよあれよで、太ももに注射。
体内酸素と脈拍のモニターを付けて、絶対監視体制になりました。
少し落ち着くも食事はできず
息子は、寝てしまいました。
安泰ですが、顔色は悪いです。唇の色が悪いです。
酸素濃度は、始めから悪くなかったです。
この時、もうお昼は過ぎたのだろうか?と思いながら時計を見たのを覚えています。
12:15頃でした。
付添い食として頼んでいた私の昼食が、既に運ばれていましたが、まったく食欲がなく、食べられませんでした。
息子の昼食は、せっかくのアレルギー対応食でしたが、食べられる状況ではありませんでした。
子供向けに作ってくれた低アレルゲンメニューの病院食。
おにぎりの顔に和まされ、「あとで息子に見せてあげよう。」と思い、写真を撮りました。
アナフィラキシーショック症状(2回目)★絶対やってはいけない事
12:30過ぎ頃でしょうか。
息子が目を開けて、「お腹痛い。ウンチ行く。」と言って、起き上がろうとしました。
顔色も唇の色も、血の気が戻ってきたから、もう大丈夫かな?
病室の外にいる看護師さんに、トイレに行く許可をもらおうと思い、息子を抱っこして病室の外に出ました。
この縦抱っこがいけなかった。
息子の顔がみるみる青ざめて、戻りかけていた血の気が、サーっと一気に引いてしまった。
焦ってベッドに戻りました。
すると、起きていたのに、急にまた、コテっと寝てしまったのです。
医師、「ゆき君!ゆき君!」(息子のホッペを軽くペチペチしながら)
私は、その様子を見て、また意識を失ってしまったのかと、オロオロ。
結果、ショック症状と区別がつかない中、心肺停止しては困ると判断され、2回目のボスミン注射(エピペンの注射版)をしました。
このせいで、息子に余計な負荷をかけてしまった。本当にごめん。
容態が落ち着いて、再び息子が(本当に)眠った時間を利用して、エピペン講習を受けました。
それで分かった事ですが、エピペンを使った後は、絶対に立ち上がったり、起こしてはいけません。
アドレナリン注射によって、血液が心臓に集まろうとしている中で、頭を起こしてしまうと、一気に血の気が引いてしまうようです。
激しい嘔吐(1回目)
13:00頃か。
目を覚ました息子は、機嫌が悪く、ずっとグズっていました。
ふと、咳き込んだ時、一気に吐いた。
さっき頓服薬として飲んだ、黄色い薬と、粒々のクルミが全部出てきた。
本人は、ちょっとスッキリした感じでした。
着替え。
そして、またちょっと吐いた。粒々のクルミと透明の粘液。
着替え。
本人は、スッキリした感じでした。
激しい嘔吐(2回目)
14:00頃か。
少し寝ていたのに、ムクっと起きて、咳き込むと同時に、また吐いた!
今度は、朝食で食べたほうれん草まで出てきました。
「これで、全部、出切ったでしょう。」医師は言いました。
貧血が続く
食べたクルミは、全部出してしまい、アレルゲンはほとんど体内にいなくなったか。
息子の元気が、ようやく少しずつ戻ってきました。
しかし、調子に乗って、起き上がると、あっという間に、唇と舌の色が白っぽくなり、顔が青ざめる。
横になったまま、お話ししながら、過ごしました。
トイレも行かない、エピペンの後は。もう覚えました。
病院の売店で、ビックサイズのオムツを買ってきて、息子にはかせました。しかも女の子用。
(オムツのビックサイズは売れないから、在庫がないらしい。男の子用は先日売れちゃって、女の子用しかなかったのです。)
主治医の診断
アレルギー治療の計画を立ててくれている主治医は、この日、入院対応の経口負荷試験ではなく、外来の対応に出ていました。
主治医が、外来を終えて、この病室に来て診察してくれるのは、夕方16:00頃の予定です。
ベッドの上で、16:00になるのを待ちました。
クルミは完全除去
アレルギー治療のベテランである主治医が、息子のもとに来てくれたのは、16:30頃でした。
先生が、「危険だから、外来ではなく入院で」と事前に判断してくれたため、アナフィラキシーショック症状でパニックになりつつも、経口負荷試験担当の医師が張り付き、担当の看護師に囲まれた状態で実施できたことは、パニック中の幸いでした。
小麦の経口免疫療法が落ち着いたら、クルミの0.1g負荷試験(0.1g×5回の外来対応)を受けて、クルミの経口免疫療法について考えることになりました。
日帰り入院でOK
17:30頃になると、息子はベッドの上に座れるようになりました。
スタスタ歩くのは、ちょっと無理ですが、頭を起こして座っても、貧血を起こさなくなりました。
そして、外来へ行き、主治医のもとへ。
よかった…。
息子も回復し、病院に泊まらず、日帰り入院で済みました。
嘔吐の影響、低血糖
しかし、なぜかグズリ出す息子。
朝食で食べた物も吐き出し、クルミも吐き出し、昼食も取らず、胃は空っぽ。
クルミ・アナフィラキシーショック事後
入院に備えていた大荷物と、息子を抱えて、車に乗り込むのも大変でしたが、なんとか帰宅しました。
帰宅後、お腹が空いた息子は、作ってあげたお粥をたくさん食べました。
翌日は、念のため、保育園を休みました。
クルミ科のピーカンナッツ(ペカン)も、かなり警戒が必要かもしれない。
そう思いながらも、頑張った息子と一緒に、ゆっくり過ごしました。